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使えないシニア人材

若いころからシニアになるまで、厳しい仕事をせずに過ごしてきたサラリーマンには、シニア人材としては全く使えない人がいる。多くは〆切の無い仕事やノルマの無い仕事、そして部門を跨ぐ責任を背負っていない仕事をして来た人たちの中に、そのような使えないシニア人材が隠れている。

そんな経験値の低い人は少ないだろうと思われるかもしれないが、意外とそうではない。私の主観に過ぎないが、事務部門や営業支援や管理サポートや相談支援や福祉系などの畑に居た人にいる感じがする。これはあくまでも私の主観なので語弊があれば最初に謝罪しておく。

今の世の中どんな職業でも人材不足なので、それなりの経歴を持っている人であれば、シニア就職に困ることは無い。65歳を過ぎると求人は極端になくなるが、人に雇われることに不満が無ければ、現代は60歳までは何ら問題なく採用されるのではないだろうか。それだけ今の日本は人手不足の世の中なのだろうと思う。仕事を欲する人々にとっては良い状況かと思える。

しかし、今までブランクも無く、フリーターでもなく、転職はあってもブランクを作らず継続的に定職に就いていたというだけで、採用する側からすると「これくらいの仕事は出来るだろう」と踏んで安心して採用してしまうのだろうが、中には困ったちゃんも多く隠れているのが実態だと思う。

〆切仕事を知らないからタイムマネジメントが全くできない。ノルマ仕事を知らないからテキパキ動けず成果を上げることが全くできない。さらには大きな責任を背負った経験もないので、そもそも「大人の仕事が出来ない」という事態になる。かつ、歳を取っているデメリットで、若くもないので素直でない。。。。それでも雇わなければならない会社も大変だと思う。イマドキのシニアは、歳を取っているだけでモラルも高い、とは限らないのだ。

もちろん若い人にも使いづらい輩がいる。ホットな話題となるのが何でもパワハラに仕立て上げたり、働き方改革で仕事を終えずに帰ってしまう人々だろう。今の時代のサラリーマンでなくて良かったと正直思ってしまう。そんな会社だと私は直ぐイライラして、あっさり独立してしまうに違いない。

ところで、NHKで新プロジェクトXをやっているが、あのような「昭和な頑張り屋さん」は現代では絶滅危惧種になってしまっているのだろう。プロジェクトXの舞台となる昭和の昔では起こり得ないミスも、令和の現代では一杯起きているような気がしている。とくに目立つのがシステムトラブルの類だ。

単にATMで振り込みが出来なくなったとか、PayPayでの支払いが一時的に出来なくなったなどというのは可愛いもので、社会インフラのシステムに致命的なトラブルが起きると社会は混乱し、時には暴動を起こす原因になるかもしれないからだ。

そもそもプログラミングをしたことのないSEがいたり、まっさらからの新規開発の経験がないPMがいたり、大規模開発の一通りの流れの経験のない技術部隊は山ほどいるのだから、システムの開発や、特に改修はマジで冷や冷やものである(大概のトラブルは改修時に起きるのが常)。その上で使えないシニアや若者が混ざってくると、もう想像するだけで恐怖を感じてしまう。

そんなこともあってか、システムの大規模開発のライフサイクル全ての経験値を持っているSEやPMは重宝されているが、昔からの経験と困難克服実績に価値があるのだから、大したことをしてこなかったシニアや、泥臭い仕事の経験のない若者はお呼びではなく、今からその経験をすることは困難であろう。

かつ、その年代の人の中には今の第三世代AIの基盤となる第二世代AIをバンバン開発してきた人も含まれているので怖いものなしの人財なのだ。しかし、それらの熟練者も既に60歳の声を聞く年代になっているので、世の中のシステム障害のニュースを聞くととても心配になるのは私だけだろうか?
#note   #エッセイ   #高齢者   #フリーター   #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))


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