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心にワクワクを届けたい。奈良県東吉野村在住 エックスモバイルの代理店やってます。 「おもしろきこともなき世をおもしろく」 サウナ小屋作りに興味あり。毎日note継続中

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東吉野村民やってます。Ⅲ[この村でやりたいこと]

東吉野村に移住して、もう少しで1年半になる。 何かを始めようと思い、まず、ケータイ屋をやることにした。 エックスモバイルの代理店である。 これは物価高と言われる現在に於いて、生活費を下げるには通信費の見直しが1番だと以前から思っていた。 その中で特に携帯代の見直しは、あまり知られていない様に思う。 山間部はドコモの電波が圧倒的に強いので、ドコモ回線を用いたMVNOのエックスモバイル社の代理店契約を取得した。 ケータイを売っている様に思われる事が多いが、回線を販売して

    • 南十字星の真下で Ⅸ[キャンベルタウン 〜 ホバート]

      「タスマニアデビルはいなかった、、」 結論づけるには余りにも早計で、今までの苦労は何だったのかと、思わせる程あっさり見切りを付けた。はるばる自転車でタスマニアまでやって来たのに、 「動物園へ行けば会える」 と簡単にあしらわれた。ここから先は、言い訳になるが、まず、寒すぎて心が折れていた。 しかし、こちらのカフェで食べるフィッシュ&チップスは、言葉にならないほど旨すぎた。 「もうこの辺でいいかな」 と自分自身に言い聞かせるように、帰る口実を探していた。2、3日ホバー

      • 南十字星の真下で Ⅷ[デボンポート 〜 ロンセストーン]

        「タスマニアデビルが俺を呼んでいる」 この独りよがりの思いだけで、メルボルンからフェリーに乗りデボンポートまでやってきた。 ゴールドコーストから自転車で旅を始め、遂にオーストラリア大陸を離れてタスマニア島の地を踏んだ。 風が大陸より重く感じる。自転車に股がり、身を屈めて、重たいペダルを回した。 さらに容赦なく冷たい雨に降られる。雨は斜め横から降りしきり、風が気温を氷点下に感じさせた。 温暖なオーストラリアの気候が、メルボルン辺りから、冬に近づいており、タスマニアは正

        • 2人の祖父の物語(3話 3,146文字)

          ⅰ.南方作戦 幼い頃、2人のお爺さんから、聞いた話を書こうと思う。自分のルーツとは、こんな感じで出来上がったのではないか、とか考えている。 まずは父方の祖父、第十のお爺さんについて書きたい。 「ワシはシベリアに3年もおったけんのう」 と親父とは対照的に、いつも朗らかで、ゆっくりと喋る、第十(だいじゅう)のお爺さんを僕は本当に大好きであった。 戦前、祖父は第十の家へ婿養子としてやってきた。 どこかの親方の元で、丁稚奉公に入り、大工職人として独立した頃であろうか、第十

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        東吉野村民やってます。Ⅲ[この村でやりたいこと]

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        • 完成品
          14本
        • 創作大賞2023応募作品
          8本
        • 山師の仕事
          8本

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          南十字星の真下で Ⅶ[セントキルダ 〜 メルボルン]

          衝撃のレイクスエントランスから、2日かけて、セントキルダという町までやってきた。 ここセントキルダは、ビーチサイドの開放的な雰囲気が心地よい。椰子の木が立ち並ぶ遊歩道があり、そこを散歩する人やサイクリング、ジョギングなどを、楽しんでいる人が多かった。そんな中、 「ハッピーアワー!大ジョッキが2$」 とビーチ沿いの店は人が溢れていた。ハッピーアワーが、8時まであり、なんと2リットルの巨大ビールを手に入れることが出来た。 2002年のレートが1$68円だったので、2リット

          南十字星の真下で Ⅶ[セントキルダ 〜 メルボルン]

          愛犬キャット物語(3話 3,050文字)

          ⅰ.オカンの仇 キャットという名の大型犬とお婆さんの物語を書きたいと思う。 我が家が引っ越しをして、間もない頃に、生まれたばかりの子犬がやってきた。真っ黒で小さくて、何かに怯えているのか、ずっと震えている様に見えた。 「さぁ、ご飯だよ〜」 とドッグフードを与えても食べようとせず、何故かキャットフードを好んで食べる。 キャットフードばかり食べていたので名前がキャット。 名付けたのは親父で、これからどんどん大きくなる犬にとって、とても迷惑な名前だが、家族全員が「キャット

          愛犬キャット物語(3話 3,050文字)

          南十字星の真下で Ⅵ[ウロンゴン 〜 レイクス・エントランス]

          沼のようなキングスクロスでの生活から脱出できたのは、ここ、ウロンゴンにナイトクラブがあると聞いたからである。 スリーウェイズモンキーズが六本木の"マハラジャ"だとするとウロンゴンのクラブは横須賀にある場末のナイトクラブといったところか。 「海の歌(song of the sea)」が名前の由来と言われるウロンゴン。しかし、2日目になると、またキングスクロスに戻りたくなってきた。 トライアスロンという目標が無くなった今は朝まで踊るナイトクラブに夢中になっている。しかし、

          南十字星の真下で Ⅵ[ウロンゴン 〜 レイクス・エントランス]

          南十字星の真下で Ⅴ[沼のスリーウェイズモンキーズ]

          シドニーのキングスクロスにて、そろそろ2週間が過ぎようとしていた。 そんなある日、僕は二段ベットの上で目が覚めた。もう既に昼は過ぎており、3時をまわろうとしている。 明け方まで一緒に飲んでいた、イタリア人のアントニーという青年は斜め下のベットで、横になっていた。 虚ろな目をして、天井をただ見つめていて、その彼の何とも言えない、表情を覗いた僕は、ゾッとして背筋が凍る思いがした。 俺もあと何週間かすれば、彼のような顔をするようになってしまうのか。 「ここを早く出よう!」

          南十字星の真下で Ⅴ[沼のスリーウェイズモンキーズ]

          南十字星の真下で Ⅳ[キャンベラそしてキングスクロス ]

          キングスクロスのバックパッカーズについては、次回に書くとして、とにかくシドニーまでたどり着いた。そして翌朝、レンタカーを借りて、雄一くんを迎えに空港へやってきた。すると彼は、 「アザーっす!!マジで自転車で来たんすね」 と車に積んである僕のロードバイクを見て笑った。"ジョーンズサイクル"で作った荷台が、まだついたままであった。 2人は久々の再会に話を弾ませながら、西へキャンベラを目指した。年の差は少しあるが、同郷の阿波弁(なまり)でよく喋る彼は、 「タクさーん、左より

          南十字星の真下で Ⅳ[キャンベラそしてキングスクロス ]

          南十字星の真下で Ⅲ[ニューカッスル 〜 シドニー]

          ゴールドコーストを自転車で出発して1週間になろうとしていた。明日はシドニーまで辿り着けるだろうか、何しろ、雄一くんを空港へ迎えに行く約束をしているのだ。 その日は、ニューカッスルのバックパッカーズに宿を決め、久々に都市と呼ばれる街を歩いた。 バーには人が溢れ、皆んな楽しそうにビールを飲んでいる。しかし僕は、 「日の出と共に出発しよう」 と自分に言い聞かせた。明日はシドニーまでの最終日、朝から170キロの自転車旅が始まるはずであった。 しかし、バックパッカーズには誘惑

          南十字星の真下で Ⅲ[ニューカッスル 〜 シドニー]

          南十字星の真下でⅡ[バイロンベイ 〜 ブラディーラ]

          ゴールドコーストから後ろ髪を引かれる思いで飛び出し、初日はバイロン・ベイという町に泊まることにした。そこは自転車で3時間程、ゴールドコーストから、まだ90キロのところにある。 バイロン•ベイは以前に何度か来たことがあり、それほど目新しくはない。ゴールドコーストの隣町に泊まる感覚であるが、そこのバックパッカーズが気に入り、無駄に2泊することになってしまった。僕は宿のリビングでくつろいでいると、 「え〜、自転車でゴールドコーストから来たんですか?」 と日本人の女子に話かけら

          南十字星の真下でⅡ[バイロンベイ 〜 ブラディーラ]

          南十字星の真下でⅠ[さらばゴールドコースト]

          トライアスロンのプロになると、オーストラリアまで来たものの、気持ちが折れ、すでに限界を感じていた。 クイーンズランド州ゴールドコーストにある、トライアスロンのクラブチームに通い始めて、もう半年近く経とうとしていた。 「自分じゃ、駄目だな、、、」 と自己不信に陥り、なかば腐っていた。そんな中、雄一くんとの出会いによって、引退を意識し始める。僕はトライアスロンのレースで16才の彼にまだ一度も勝てないでいた。 それどころか、伸び盛りである16才との差は日に日に開いている様に

          南十字星の真下でⅠ[さらばゴールドコースト]

          我が家のガンバリウーマン(全3話 2,431文字)

          ⅰ.想像を絶する大都会 オカンの姉にあたる伯母さんの話を、まずは書こうと思う。彼女は相模原市に住んでいる。僕が高校を卒業して、川崎市にいた頃、何度も泊まらせてもらい、大変お世話になった。 オカンが緊急入院した時、真っ先に連絡したのが、神奈川の伯母さんである。僕が小学6年の頃、姉貴と2人で徳島から夜行バスに乗り、初めて東京へ旅行をした。 翌朝、品川駅に着いた僕らを、迎えに来てくれたのが彼女であったと、薄覚えながら書いている。 「想像を絶する大都会」 徳島の田舎から

          我が家のガンバリウーマン(全3話 2,431文字)

          家族のかたち Ⅸ[エピローグ]

          最後に親父の話を書こうと思う。 自分で建てた持家に住む。これが彼の人生最大の目標であり、40を過ぎて、まさしく叶えた夢でもある。 「借家の大工だと馬鹿にされる!」 と親父がたまに言っていた記憶がある。 高校の頃に引越しをしたので、その家はもう四半世紀の月日が経ち、少し古びた感が拭えない。 通常、木造二階建は、3〜4ヶ月で出来るというが、彼は3年の月日を掛けて完成させた。 これには少々事情がある。僕が中学生の頃、親父は狭心症みたいな症状で一時期、家で寝たり起きたりの

          家族のかたち Ⅸ[エピローグ]

          家族のかたちⅧ[マイネームイズ アップル]

          偶然にも姉が、アメリカに旅立つ頃、自分の所属していた陸上部が無くなるという、チャンスが巡ってきた。 会社は早期退職制度を用意して、まだ3年目の僕に200万円の退職金を提示する。 しかも辞めてから1年間は、会社の寮に残ってもいいという。まだ20歳だった僕は、その条件に迷わず飛びついた。 当時はお金をそんなに使うことがなく、世間知らずの田舎者で、 「200万あれば一生暮らして行けるんちゃうかな」 とマジで勘違いしている馬鹿であった。 そして一緒に辞めた先輩と、向かった

          家族のかたちⅧ[マイネームイズ アップル]

          家族のかたちⅦ[ファミコンと姉の旅立ち]

          我が家で唯一、ファミコンを買って貰った、弟の話を書こうと思う。弟は何故か高校に入ってから、ファミコンを手に入れた。 正確に言うなら、弟の貯めたお金で買ったので、ファミコンを買っても良いという、許可を得た。 僕が小学生の頃、誕生日やクリスマス、正月やお盆など何度も親父に 「ファミコン買っていい?」 と頼んだが 「そんな物は絶対に駄目だ」 と言われ続けた。姉貴もゲームが欲しいと何度も頼んだが親父に断られていた。 「我が家にそんな物は必要ない!」 と親父は断固として

          家族のかたちⅦ[ファミコンと姉の旅立ち]