いちばん近くに居る人の嬉しそうな横顔
先週末、月が美しい夜のこと。
夫が会社の同僚の方(以下、Nさん)を誘って食事をするということでドライバーも兼ねて初めて飲みの席に同席することになった。
発端は、夫が大好物の魚介類がNさんも大好きという話で盛り上がったそうで、わたし達が気に入って通っている地元のお寿司屋さんにて、初めて3人でテーブルを囲んだ。
「Nさんとは気合うんだよなぁ〜」
と、事あるごとに嬉しそうに話す夫。
二人の会話を聞くだけでそれが感じられた。
Nさんは違う部署で一緒に仕事をしたことは無いけれど、歳が近いこともあって休憩中に話すそうで、価値観なども近いようだった。
思えば、移住してからこんなシチュエーションで食事をする事もなかったので、最初は絶妙な距離感を感じた。お寿司をつまみながら、彼らの話を聞いて頷いたり、たまに合いの手を入れたり。不思議な距離感だったけれど、二人の会話を聞くのが時代に楽しくなって楽しくてあっという間に時間が過ぎていった。
そうして良い頃合いになった時、夫の提案で急遽、わが家にも寄ってもらって飲み直すことになった。
予定外のことでかなり生活感のある部屋をお見せることになりわたしはドキドキしながら、運転して宅へ。
夫はすっかりお酒が進んでご機嫌で、自宅に着いて早々に意気揚々と事細かにNさんに各部屋を紹介。
そうして、お薦めのワインで乾杯。
あれこれ話す中で映画好きという共通点も分かり、夫自慢のプロジェクターでお薦め作品の鑑賞タイムまで追加された。
東京出身で移住先の八ヶ岳に友人の居ない夫が、会社の人にプライベートをあれこれ話して嬉しそうに飲んでいる姿を見るのも初めてのことだったのだ。
これはホントに新鮮なことで、
今までにない喜びに満ちた気持ちが湧いてきた。
幸いにも、Nさん宅とわが家は車で10数分。
近いから夜の遅い時間でも(わたしが)難なく送ることができるし、また春になったら次の企画を考えるのもいいね〜なんて今朝はそんな話をした。
年齢と共に色んな形でライフステージが変わる中で、こんな暮らしも大好きだし愛おしい。
もちろん"歌う人生" はわたしの中にずっとあるけれど、何気ない日常の中で一番近くにいる人が嬉しそうにしているのは、ギフトだと思う。
それがまた、わたしの起動力になる。
そんなことを感じた、満月の日。
翌日の朝、二日酔い気味の夫の姿を見て一段と愛おしく思えたのはココだけの話。
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