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やっぱり本が好き! 出版業界で永らく禄を食んで参りましたスタッフが、老後の最後のご奉公…

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やっぱり本が好き! 出版業界で永らく禄を食んで参りましたスタッフが、老後の最後のご奉公とて、本のお楽しみをばお伝えせんと、いつか始めたいのは古本屋。お耳汚しとは存じますが、お届けしつつ遊びつつ、ジジイの今後の奮闘に、請うご注目! (ワイズショテン)

マガジン

  • 60歳からの古本屋開業

    やっぱり本が好き! やってみたいぞ、古本屋! 「初期在庫のあては、ある」 「資金は、わずかだがある」 「マーケティングと広告は、経験あり」 「法律関係も問題なし」 「とりあえずネット書店で始めて、いずれはリアルでも大展開」 「古本だけではビジネスとして難しいだろうからバーも併設しないとね。うふふ」 と、いよいよ始まるおやじ二人の大冒険。 「まずは、前線基地の構築じゃ!」 ワクワクしながら秘密の基地づくりに取り掛かろうというコトの顛末を紹介する「第1章 激安物件探索ツアー」で、不定期連載始まり、始まり~。 ライブ感覚でお送りいたします!

  • 私家版 ロックかるた ブリティッシュ・ロック編

    どうしても欲しくて、自分用のかるたを自分で勝手に作ってしまいました。 世界に1つだけの1セット。

  • 変な人

    スタッフが偶然出会った、愛すべき「変な人たち」をご紹介。忘れたくても忘れられない、強烈な個性に乾杯。

  • 今夜も茶色飯

    齢60歳を超え、医者からはいろいろと数値を指摘され、時間的には余裕ができた今日この頃。行きついた先は「自分で丁寧にご飯を作ること」。自分で味付けをし、野菜や魚などをふんだん取り入れ、手間を惜しまず。するとあら不思議。出来上がったおかずがほとんど茶色をしているではないか。ということで「今夜も茶色飯」。

  • ビートルズ風雲録

    不世出のロックバンド、ザ・ビートルズの歩みをプロデューサー、ジョージ・マーティンの誕生から時代順に追う。

記事一覧

固定された記事

60歳からの古本屋開業 第4章 ロードマップ(2)書店名とロゴを決めるのだ

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60歳からの古本屋開業 第4章 ロードマップ(2)書店名とロゴを決めるのだ

60歳からの古本屋開業 第4章 ロードマップ(2)書店名とロゴを決めるのだ

登場人物
夏井誠(なつい・まこと) 私。編集者・ライターのおやじ
赤羽修介(あかば・しゅうすけ) 赤羽氏。元出版社勤務のおやじ

とりあえず、整理してみた

 その日の打ち合わせ(前回参照)で決まったことは次の通り。

【部屋探し】
・ちょっとペンディング。面白いから本当はすぐにもやりたいけど。よい物件がないかは引き続きアンテナを張っておく。
 
【サイト構築】
・まずは、とにかく多くの人に見てい

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60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(5)

60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(5)

登場人物
夏井誠(なつい・まこと) 私。編集者・ライターのおやじ
赤羽修介(あかば・しゅうすけ) 赤羽氏。元出版社勤務のおやじ

蔵出しブログ

 絶版本に続いて、ブログなどのSNSで公開してきたコンテンツやひそかに蓄積してきたネタを集めてみる。
 これもnoteに公開してゆくのだ。

その1「変な人」

 現在、書下ろしコンテンツとしてnote上に連載しているネタがこの「変な人」
 50歳代後半

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60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(4)

60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(4)

登場人物
夏井誠(なつい・まこと) 私。編集者・ライターのおやじ
赤羽修介(あかば・しゅうすけ) 赤羽氏。元出版社勤務のおやじ

蔵出しコンテンツ

 次の日から(当日じゃないのが、怠け者の証拠)、さっそく時間を見つけては、昔の書籍のために書いた原稿をパソコン内で探し始めた。
 改めてこんな作業をしていると、当時の本を書いたときの大変さや面白さ、出会った人のことなども思い出す。
 そして書籍が完成

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60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(3)

60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(3)

登場人物
夏井誠(なつい・まこと) 私。編集者・ライターのおやじ
赤羽修介(あかば・しゅうすけ) 赤羽氏。元出版社勤務のおやじ

酔い気味の赤羽氏、ビートルズを語る。

「ところで赤羽さん、Apple書房なんですから、ネーミングの志を忘れず、ビートルズに関するコンテンツも発信しないといけませんよね」
「そうそう、それなんですよ。やりたいですね、うんうん」
 ビートルズという言葉を聞いた途端、赤羽氏

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私家版 ロックかるた 「む」

私家版 ロックかるた 「む」

どうしても欲しくて、でも売っていない。だから、自分で作ってしまった「私家版 ロックかるた ブリティッシュ・ロック編」。
世界にたった1セット。

『ヘイ・ジュード』のレコーディングのときの逸話です。
リハーサル中にリンゴがトイレに立ちました。
メンバーは気づかず、レコーディング開始。
帰って来たリンゴ、いきなり完璧なタイミングでインします。
これはいい。これ、採用です。ポール、納得。出色の出来でし

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60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(2)

60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(2)

登場人物
夏井誠(なつい・まこと) 私。編集者・ライターのおやじ
赤羽修介(あかば・しゅうすけ) 赤羽氏。元出版社勤務のおやじ

コンテンツ蔵出し作業。

 幸いなことに、私たちは長年にわたり編集、ライター業に携わってきた。
 その間、長いの、短いの、ちゃんとしたのからあまり人に見せたくないものまで数多くの文章、コンテンツを作り続けてきた。
 その一方で、仕事ではなかなか書くことのできない趣味的な

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変な人 (49)西武鉄道の、フレディ・マーキュリー男。

変な人 (49)西武鉄道の、フレディ・マーキュリー男。

 その男は列車の座席に静かに座っていた。

 年齢は40歳くらい。
 髪は襟首くらいの長さ。ちょっとウェーブがかかっているが、残念なことに頭頂部に少し地肌が見えている。
 これは男を見下ろしているがゆえの発見であるが、もしかしたら本人は気づいていないかもしれない。
 その男は、他のお客さんと同様、静かに座っていた。スマホも観ず、ただぼんやりと前を向いていた。
 ただ一つ、他の人々と大きく違っていた

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変な人 (48)ご近所を走る、二刀流チャリンコおやじ。

変な人 (48)ご近所を走る、二刀流チャリンコおやじ。

 二刀流おやじは、自転車に様々な道具を積み、静かに走り去った。

 ある週末、近所のコンビニに買い物に出かけ、近くの歩道を歩いていた時のこと。
 後ろから自転車がゆっくり走る音が近づき、そして私を追い抜いて行った。
 70歳くらいの痩身のおやじが、ゆらゆら揺れるように自転車をこいでいる。
 黒いジャージに、長年愛用しているのが一目でわかる、透けるようなペラペラのポロシャツ。
 片手には、ゴルフのア

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60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(1)

60歳からの古本屋開業 第5章 第1回 Apple書房 最高経営企画会議(1)

登場人物
夏井誠(なつい・まこと) 私。編集者・ライターのおやじ
赤羽修介(あかば・しゅうすけ) 赤羽氏。元出版社勤務のおやじ

いきなり、方向転換。

 蔵書見学ツアーから戻った二人。
 赤羽氏は早速、撮影した写真をもとに書籍データの作成に取り掛かった。
 写真を見て一つ一つ、タイトルを入力……、うわー、そんなの最初から無理。
 OCRでテキスト化して、そのテキストからAIがネット書店データを検

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変な人 (47)小さな駅前スーパーの、妖怪手伸ばし女。

変な人 (47)小さな駅前スーパーの、妖怪手伸ばし女。

 その女はわざわざ間仕切りの裏から手を伸ばし、買い物を袋に詰めていた。

 いったいなぜそんな苦しい体制で、袋詰めをしているのだろう。
 私のすぐ隣で行われているその作業に、胸騒ぎは収まらなかった。

 それは駅前の小さなスーパーで支払いを済ませた後のこと。
 私は清算済のカゴをサッカー台に置いてレジ袋に品物を詰めていた。
 隣には、他の人も余裕で袋詰め作業ができるくらいのスペースが残されている。

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60歳からの古本屋開業 第4章 ロードマップ(4)蔵書リストをつくるのだ。

60歳からの古本屋開業 第4章 ロードマップ(4)蔵書リストをつくるのだ。

登場人物
夏井誠(なつい・まこと) 私。編集者・ライターのおやじ
赤羽修介(あかば・しゅうすけ) 赤羽氏。元出版社勤務のおやじ
父 私こと夏井の長野在住の父。

リストのために撮影開始!

 あー、さっぱりした。
 温泉から帰ってきたところで、さあ、蔵書の撮影開始だ。
 もう、やるしかない。

 蔵書撮影の作業は、もちろん一冊ずつを撮影するわけではない。
 本棚に並ぶ本をそのまま撮影していく。
 

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変な人 (46)日高屋の、お酢チャーハン男。

変な人 (46)日高屋の、お酢チャーハン男。

 男は女の前で、それは念入りにチャーハンにお酢をかけていた。

 そのカップルを目撃したのは、新宿にある「熱烈中華 日高屋」。
 カップルと言っても、いわゆる恋人同士、あるいは、お友達男女というものではなく、そんな形容があるかどうかは分からないが、それは「狙ってる系」の男女であった。
 それも明らかに、女が男を狙っている系であった。
 女はたぶん40歳前後。それが若作りをして30歳に見せようと努力

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変な人 (45)とあるローカル駅、写真ニュースを激写する男。

変な人 (45)とあるローカル駅、写真ニュースを激写する男。

 その男は事件の起こった瞬間を熱心に撮影していた。

 といっても、大事件の現場写真を危険を顧みず撮影していたわけでは、全然ない。
 これは、私鉄沿線マイナー駅でのこと。

 改札のある2階に上る階段の入り口に「朝日写真ニュース」という掲示板がある。
 ご存じだろうか、「朝日写真ニュース」。

 大事件、話題の出来事などが写真と短い文章で張り出されている掲示板である。
 だいたい出来事発生から1週

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私家版 ロックかるた 「み」

私家版 ロックかるた 「み」

どうしても欲しくて、でも売っていない。だから、自分で作ってしまった「私家版 ロックかるた ブリティッシュ・ロック編」。
世界にたった1セット。

ピンクフロイドの『狂気』、イエスの『危機』と並ぶ、プログレ最高傑作アルバムのひとつ、『クリムゾン・キングの宮殿』を作り上げたキング・クリムゾン。

『クリムゾン・キングの宮殿』は、日本では「ビートルズの『アビイ・ロード』を全英チャート1位から引きずり下ろ

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変な人 (44)葬儀場、ひそひそ話の、おばば。

変な人 (44)葬儀場、ひそひそ話の、おばば。

 そのばあさんの大きなひそひそ声は、シーンと静まり返る式場に響き渡った。

 私のずいぶん年上の友人が84歳でお亡くなりになり、その通夜に出席させていただいた。
 参列者はご家族のほか、当人の年齢相応に80代の男女を中心とした多くの方々。
 式は神式で、お経もなく、神主が儀式を粛々と進めていくものだった。

 神式でも、仏式のお焼香にあたる儀式が存在する。
 玉串といわれる、榊に紙垂の付いたものを

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私家版 ロックかるた 「は」

私家版 ロックかるた 「は」

どうしても欲しくて、でも売っていない。だから、自分で作ってしまった「私家版 ロックかるた ブリティッシュ・ロック編」。
世界にたった1セット。

プログレ系のミュージシャンは、皆そろって演奏技術が高い真のプロフェッショナルぞろい。
バンドのひとつやふたつが解散しても、そのメンバーのうち何人かが集まれば、すぐにスーパーグループの完成です。
さて、1982年、キング・クリムゾンのジョン・ウエットン、イ

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