見出し画像

マッチングアプリの“いいね”をテレアポと思い始めたら、一度立ち止まった方が良い

20代半ばの頃、マッチングアプリにどハマりしていた時期がある。

ちなみに、僕は結構マッチングアプリ肯定派だ。
出会いの幅は広がるし、みんな恋愛前提だから関係も発展しやすい。
きちんとプロフィールを書けば、世間で言われているよりは出会いもある。

しかしながら、その長所こそが諸刃の剣とも言える部分もあって。
出会えてしまうだけに、かわいい子を狙えるんじゃないかという謎の欲が出てしまうのだ。

で、気付かぬうちに最後は自分が承認欲求のモンスターになっていて。
とりあえずかわいい子がいたらいいねを押す、マッチングが成立した人にとりあえずメッセージを送るみたいな作業をこなしていた。

これだけ”いいね”を送れば、これぐらいは返事が来る。
返事をくれた人がこれだけいれば、そのうちの何人かは会える。
沼にハマればハマるほど、どんどんそんな発想になっていく。

これでは、もはや営業のKPIの考え方と同じだ。
テレアポを100件かければ、10件はアポまで進む。
10件アポがあれば、3件は案件になる。
3件案件があれば、1件は受注できる。
従って、1件の受注には100件のテレアポが必要。

マッチングアプリにハマった末期の僕は、もはやこういう発想で”いいね”を送っていた。

その事実に気付いた時、僕は自分自身に引いてしまった。
もはや、まともな恋愛ができなくなってしまったのかもしれない。そう思った。

最近、会社の同僚に彼女ができた。
出会いはマッチングアプリ。
年明けから交際し始めたが、そろそろ同棲を始めるそうで。
このまま猛スピードで結婚まで突き進んでいきそうだ。

彼は、マッチングアプリについて話しているときにこんなことを言っていた。

「プロフィールを嘘偽りなく書きました。
 モテてもしょうがないし、婚活前提だったので。
 アニメとかプラモとか、もしかしたら引かれるかもしれない趣味も全部書いた。
 それでもやり取りしたいって言ってくれた子が、今の彼女です」

僕は、この話を聞いてなんて素晴らしいんだろうと思った。

僕がアプリで使っていたプロフィールは、ウソこそないもののかなり多数派に向けてチューンナップしたものだった。
ある意味、個を殺すことで不特定多数の女性にモテようとしていたのである。
綺麗事と言われるかもしれないけど、多分これは恋愛の本質とは相反する考え方だと思う

マッチングアプリの”いいね”がテレアポみたいに思えてきた人は、一度立ち止まって自分のしたい恋愛は本当にそれなのかを考えてみてほしい。

そもそも、画面の向こう側にいる人はモノじゃないのだ。
一人一人に人生があり、感情もある。
もっとしっかり相手のことを見るべきだし、自分自身のこともしっかり見つめるべきだ。

数打ちゃ当たる、は若いうちだけの方が良い。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?