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七つ集めれば願いが叶う?

 せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。

 子どもの頃に小学校で暗記するように言われて覚えてから四十年。

 いまだに春の七草の名前だけは言える。

 実家では毎年1月7日を迎えると母が朝ごはんに七草がゆを拵えてくれていた。

 山の中に家があるのでほんの少し近所を歩き回るだけでなずなやはこべらは簡単に手に入った。

 すずなとすずしろは畑で育てているカブや大根の葉なので用意するまでもなかった。

 七草全てが揃う事はなく、四つか五つの草を使っていた。

 白色のお粥の中に刻んだ緑の葉っぱが入っているお粥の味は優しい味で祖父が漬けていた白菜の漬物と一緒に食べるとはふぅ…美味しいなぁと思っていた。

 七草粥を食べる一月七日は冬休み最後の日なのでテンションがあまり上がらず、あ~あもっと休んでいたいなと思っていることが多かったのでこのお粥を食べると気持ちが切り替わってちょうどよかった。

 縁起物を食べる事を大切にした家庭で育ったのでお正月から続く目くるめくご馳走に一区切りをつける意味でもいいアクセントになる朝ご飯だった。

 大人になって自分で料理をするようになるとあまり作ることはなくなっていった。

 七草を手に入れるためにはスーパーに行かねばならず一人分にはいかにも量が多くて躊躇してしまう。

 お値段も一パック五百円くらいしていたのでううん、手が出ないとスルーしていた。

 頼みの綱のカブや大根も葉付きのものは少なくて諦めるしかなかった。

 そんな時代が十年以上続いて地元に居を構えてからは状況が変わった。

 近所の野菜の直売所に五日か六日になると七草セットが並ぶのだ。

 量もちょうど二人分で使い勝手はとても良い。

 お値段も嬉しい事に一袋150円と手を出しやすい価格である。

 もちろん今年も昨日購入してきた。

 今年の七草粥はちゃんと水からじっくり炊くスタイルでいこうと思う。

 作り方については最近書いたような気がするので割愛するが、お米が少なめの方がサラリとしてあっさりしたお粥が出来る。

 七草粥はもう一つ縁起を担いで七分粥が望ましい。

 上手に炊けたらまたご報告差し上げたいと思う。

 無病息災と長寿健康を願っていただくありがたい七草粥。

 ちょっとだけ味変にキムチとか入れたらダメっすか?

 とまあ強引な八草粥プランを思う私の昨日の晩御飯がこちら。

 昨日はお正月の余り物を使った晩御飯。

 食材がだいぶへこたれてきたので一掃作戦。

 メインは鍋にした。

 具は鴨とカブ、ごぼう、大根、白菜と豆腐。

 出汁はカツオと昆布。

 味付けは醤油とみりんとお酒と塩。

 二人分なので小さめの土鍋を使用。

 鴨を薄く切り分けて、野菜も一口サイズに切る。

 野菜はだいぶしんなりとしていたので使い切れるように多めに切った。

 副菜は大根の葉の浅漬け。

 大根の葉をざく切りにしてよく洗って昆布だしの素と塩、唐辛子で漬け込んだ一品で簡単に出来る。

 もう一品はキムチ納豆オムレツ。

 納豆の賞味期限が近かったのでキムチと混ぜて卵でとじた。

 これで晩御飯の支度はできた。

 妻を呼んでいただきます。

 昨日のお酒は純米吟醸の日本酒でスタート。

 このお酒もお正月からずっと飲んでいる。

 鍋に火を点けていただきます。

 まずはお酒をツピッと飲む。

 ふんわりと柔らかい飲み口でいい酒だなぁと思う。

 とりあえず一合つけたがスルスルと飲んでしまった。

 キムチ納豆オムレツも定番の味で今年も腸活を継続していこうと改めて思わせる味だった。

 そのうちに鍋が煮えたので鴨から頂く、クニッシコッとした歯ごたえのお肉で濃い旨味がギュイッとあふれる。

 つい先日思いっきり食べたけどやっぱりうまいもんだなぁと思ってモグモグ。

 妻はこの間口に出来なかったのでモリモリと食べていた。

 カブやごぼうも鴨の脂が沁みておりしみじみといいお味になっていた。

 特に豆腐はホコホコでトゥルントゥルンでたまらなかった。

 お酒を追加でつけてクピリ。

 あらかた食べてから締めの一品を。

 締めはうどんにした。

 ツルツルとすすると麺の表面に鴨の旨味が絡みついて極上の鴨うどんになっていた。

 一気に食べて大満足でご馳走様。 

 お酒は二合で気持ち良くなった。

 ご馳走様をして片づけをしてからテレビを遅くまで見ておやすみなさい。

 さて、そろそろお粥を仕込まなくては。

 コトコト炊いている間に読みかけの本でも手にしましょうかね。

 今いいところなんすよ。

 ううん、今夜も夜更かししちゃいそう。

 

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