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その顔はもう凛々しくて

 昨日は甥っ子が有給消化で実家に遊びに来ていたので妻と一緒に顔を見に行ってきた。

 お正月に会ったばかりなのでそんなに久しぶりというわけでもないが会うとやっぱり嬉しい。

 ちょうど夕飯時だったのでそのままご飯を食べていきなさいと母が言うのでお言葉に甘える事にした。

 昨日の晩御飯は甥っ子のリクエストで焼き肉。

 テーブルに新聞紙を敷いて焼き肉専用コンロとホットプレートの二台体制で準備万端。

 自宅では匂いがこもるのと脂が飛び散るので基本的に焼き肉をする時は庭で七輪を使って炭火で焼いて食べる。

 会場設営から炭の火起こし、食材とお酒の準備がちょっと面倒なので自宅で焼き肉をするのは年に数回である。

 なので妻が久しぶりの焼肉に明らかにテンションが上がっていた。

 まずはいただきますをして乾杯。

 私はビールを頂いた。

 最近晩酌を始めたという甥っ子は低アルコールのサワーを飲んでいた。

 飲むとすぐに顔に出るタイプらしく見る見るうちにに顔が真っ赤になっていったのが微笑ましくて面白かった。

 私の家系は酒好きが多く一番飲んでいた頃には父と私で日本酒を一升飲み切るのは楽勝だった。

 最近はもうそんな無茶飲みはさすがに自重している。

 甥っ子は今までに二日酔いになるまで飲んだことが無いらしく、サワー一本で大分良い気持ちになっているようだった。

 お肉を焼くのは弟と兄が担当してくれた。

 兄は焼き肉奉行なので焼き加減にとてもこだわる。

 私はまだ若干ピンク色が残っているくらいのお肉が好きなのだが、ダメだまだ早いと言ってトングで箸を制してくる。

 仕方がないのでつまみに用意されていたイカの刺身を食べるとこれがめっっぽう美味しかった。

 鮮度が抜群でコリコリとした歯ごたえと甘みがあって最近食べた刺身の中では断トツだった。
 
 母にこのイカ活きがいいね!と言うと捌く前まで生きていたからねぇと何となく誇らしげに語っていた。

 焼き肉奉行のお許しが出るまでこの刺身をアテにビールをズビビッと飲んだ。

 二本目もありがたく頂く。

 ハラミとロースが焼けたぞと兄が言うのでそれっと箸を伸ばした。

 ハラミは柔らかく旨味が濃かった。

 ロースは脂たっぷりで元気が出る。

 野菜も焼いてもらいつつ、みんなでワイワイ話しながら宴は続いた。
 
 お肉はとても美味しかったのだが、パクパク食べていると急に肉の脂が重たく感じてきて食べる手が止まった。

 胃袋的にはまだ少し余裕があったのだが、ああもう焼き肉もそんなに量が食べられなくなったんだなぁと自分の老いを感じた。
 
 そんな私を横目に甥っ子は二十代の胃袋で大盛りの白米にお肉をワンバウンドさせてモリモリ食べていた。

 普段は一人暮らしで自炊もあまりしないそうなのでこういう機会にはたくさん食べておけよと言われていた。

 宴会は二時間くらい続いてお肉がすべて無くなったのでご馳走様。

 片づけをワッセワッセと全員でやって、少しのまったりタイム。 
 
 甥っ子と話す時間があったので最近の仕事の事とか恋愛事情なんかを冗談を交えながら話した。

 何でも今年アルバイトも含めて新人が十人も入社してきたらしく一気に後輩が出来たと言っていた。

 今の会社は三年目でそろそろちょっとした現場は任されるようになってきたとの事だった。

 仕事の話をしている時の顔はもう完全に大人で、赤ちゃんの頃から溺愛している弟の子どもがもう一人前になったんだなぁと思うと感慨深いものがあった。

 今回はまたすぐに仕事があるのでゆっくりできないがゴールデンウイーク後半でまとまった休みが取れるかもと言っていたので晩御飯を食べる約束をした。
 
 甥っ子には気を一ミリも使わないでいいのでお互いに言いたい放題で話すのでとても楽しい。

 なんだかんだと話し込んでいると母がケーキを買ってあるから食べようと言うのでデザートタイム。

 私はお腹が太かったので一番小さいガトーショコラを半分食べて残りは妻に食べてもらった。

 それからフルーツポンチも作ってあるのよと母が言うので、誰がそんなに食べるのよ?と言ったら私以外のみんなが喜んで食べ始めていたのでよく食べる一族だなぁと感心した。

 妻が食べているのを一口もらったらさっぱりとした甘さで白玉団子がモチモチで懐かしい味がした。

 昨日は食べ過ぎで明らかにカロリーオーバーだったが楽しい時間を過ごすことが出来て気分がリフレッシュされた。

 ちょっとだけ気になったのは甥っ子は仕事が激務なのか目の下のクマがくっきりと浮き出ていたことで、あまり無理はしいさんなよと一言だけ添えておいた。

 多分またすぐ会うと思うが外食に行ったら美味しいものをたらふく食べさせてあげたいと思う。

 かわいい子だからついつい甘くなってしまうおじちゃんなのです。

 おじバカ街道一直線。

 

 

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