その味は父直伝。
昨日は普段行かないスーパーに買い物に行ってきた。
何か珍しいものはないかな~と思いつつ店内を歩いていると青果コーナーで地元産のワサビの葉を売っていた。
ワサッと一括りで百五十円という格安価格だったので迷わずかごに入れた。
それから鮮魚コーナーに足を運ぶとシオフキ貝があったのでおお春だなぁと思って購入。
後はお酒と細々したものを買い足してセルフレジで精算して帰宅。
家に帰ってから早速ワサビ葉を調理する。
まずはよく洗って根元を数ミリ切り落とす。
鍋にお湯を沸かして火を止めてから八十度になるまで冷ます。
そこにワサビ葉を入れて五秒ほど熱を通す。
すぐに冷水にとってからキッチンペーパーでよく拭く。
それをザクザクと四等分くらいに切って密閉できる容器に入れる。
醤油、砂糖、お酒、めんつゆで作った漬けダレを注いでしっかり封をする。
後はとても大事な工程で三十秒くらいひたすら振る。
こうすることでワサビ葉の細胞が崩れて辛みが出る。
大体二時間後くらいから食べられるので冷蔵庫で冷やしておく。
ワサビ漬けというと酒かすで漬けたものが一般的だと思うが私の地元では醤油漬けにすることが多い。
このレシピは父から習ったものでシーズンに一度は作る。
辛みが出るまでは少し時間があるので一休みして晩御飯を作った。
鶏のミンチが冷凍庫にあったのでこれを使う。
まずはレンジで解凍してボウルに入れてよく捏ねる。
そこにショウガ、みじん切りの玉ねぎ、卵、鶏がらスープの素、片栗粉を入れてさらに捏ねる。
フライパンに油を敷いて熱する。
そこにやや大きめに成形した鶏ミンチを入れて焼く。
片面にしっかり火が通ったらひっくり返してウイスキーをドブッと注いでフランベ。
大きな火柱が上がるので火傷に注意。
フライパンにフタをして火加減を弱火にして蒸し焼きにしていく。
その間に副菜を作る。
シオフキ貝をよくこすり洗いして汚れを落とす。
それを小さめのフライパンにガラガラと入れて火にかける。
そこに日本酒をジャバッと注いでこれもフタをする。
あとは貝の口があくまで蒸していく。
仕上げに小口切りにしたねぎを振って酒蒸しの出来上がり。
その頃には鶏ミンチが焼けているので取り出す。
冷凍ご飯をチンしてホカホカにしてどんぶりにこんもり盛る。
キャベツの千切りを散らしてその上に焼いた鶏ミンチを乗せて醤油と砂糖を煮詰めて作ったテリヤキソースをかければ鶏つくね丼の完成。
冷蔵庫からワサビ漬けを取り出したら晩御飯の始まり。
妻を呼んでまずは乾杯。
昨日のお酒は最近よくコマーシャルをやっているタコハイ。
グラスに氷をギチギチに詰めてタコハイの素と炭酸を注いで軽くステア。
お疲れさーんと言いながら乾杯。
キュッキュッと飲むとほんのり柑橘系の風味がしてアルコールは控えめである。
炭酸との相性も良くて飲み心地が軽いのでグラスが進みそうで困っちゃうなぁとニヤニヤしてしまう。
さて、ではワサビ漬けからいただこう。
箸でつまんでパクリと噛むとワサビのピリッとした辛みが口に広がる。
少し漬かりが浅かったがその分フレッシュでショリショリした歯ごたえも嬉しい。
ワサビの葉が出回るのは一月から四月の頭くらいまでなのでシーズンはそろそろ終盤である。
毎年この味を楽しみにしているので今年も食べられてよかった。
お次はシオフキ貝の酒蒸しを食べる。
ツプッと食べるとじんわりとした貝の旨味がよく出ていた。
お酒で蒸しただけなのにこんなに美味しいなんて申し訳ないと誰かに言いたくなるくらいいいお味であった。
貝の旬はこれからなのでたくさん楽しみたい。
つまみでお腹いっぱいになりそうだったのでその前にメインの鶏つくね丼んに手を伸ばす。
箸で簡単にサクッと切れる。
モグリと頬張るとつくねのギュッとした濃い味わいがたまらない。
まさに焼き鳥屋で出てきそうなメニューで甘辛のテリヤキ味にしたのは大正解だった。
ひき肉料理好きの妻も美味しい美味しいと言いながらペロリと完食していた。
昨日は何とも贅沢な晩御飯だったので大満足である。
ワサビ漬けがまだ大量に残っているので父に届けようかと思っている。
酒飲みにはたまらない味ですから。
実は二日目の方が良く漬かっていて味が馴染むんですよね。
手軽で乙な味なので新鮮なワサビ葉が手に入りましたら是非お試しあれ。
さぁて今日の晩御飯は何にするかなぁ。
旬のものを食べていれば病気知らずだ。
鯵もそろそろ脂がのってきますね。
うーん食べたいものだらけで困っちゃう。
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