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日本酒と「タコス」が合う? 西荻窪・へなちょこの異国間コラボイベントへ

「日本酒×○○」

ここ数年、斬新なコラボをよく耳にします。そして、そういうの好きです。

しかし、はじめて「日本酒×タコス」と聞いたときは驚きました。メキシコの「タコス」が、テキーラやビールじゃなくて、日本酒と? 未知の組み合わせを体験すべく、西荻窪にある「へなちょこ」さんで行われた「タコス店コラボ」営業にお邪魔してきました!

日本酒とタコス、合います。地球の反対側をむすぶコラボを紹介します。

「へなちょこ」さんの情報は下記より

週末限定の日本酒バー「へなちょこ」へ!

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西荻窪駅から徒歩数分。駅前の喧騒から少しはなれた場所にあります。現在は土日のみの営業だそうです。

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店内。カウンター数席のほか、奥に座敷も少しあります。

今回のテーマは「タコス×日本酒」!

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こちらが今回の「タコスイベント」の紹介パンフレット。

タコス職人は、普段は会社員として勤めながら間借りのタコス店「タコファントム」の店主として活動する本多さん。ニューヨークで食べたタコス(メキシコじゃない!でもニューヨークでは普通に道ばたでおばちゃんが焼いて売ってるそう)の美味しさに開眼したそうです。

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(左の方がタコファントム店主です)

そして「なぜ日本酒barで?」というと、写真の右側に写っている「へなちょこ」のお店の方(店主の旦那さん)が、個人的にタコファントムのファンで、通い詰めるうちに今回の話になったそう。

ペアリングありきじゃなくて「好きなもの同士を一緒に楽しむ」、ということなのですね。いいです、純粋に楽しそう。

今回はこのおふたりが、次々とタコスを焼いてくれます。

「へなちょこ」の日本酒ラインナップがいい!

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タコスは焼くのに少し時間がかかるので、まずはお酒から。

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カウンター席から見える冷蔵庫です。へなちょこは週末営業のため、変化の早いお酒(生酒とか)は四合瓶で毎週飲み切るスタイル。つまりいつでもフレッシュなお酒を楽しめます。

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こちらは「常温棚」。これは飲み切る必要がないので「つい溜まってしまって…(店主)」というお酒たちがあります。

(きれいめ)ささまさむね、大信州、奈良萬…
(個性派)杣の天狗(不老泉)、伊根満開、梅津の生酛、十旭日、冨玲、旭興…

お店によってお酒の方向性は本当に様々なのですが、「へなちょこ」の日本酒のラインナップが、私はとても「好み」です。すっきりから個性派までバランスよく、冷たいお酒からお燗までたっぷり楽しめそう。

タコス①カルタニス×大正の鶴

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ひとつめのタコス「カルタニス」が焼き上がりました。

あれ? なんか思ってたタコスと違います。イメージはもっと大きくてひき肉やトマトかみっちりしたボリューミーなもの。

実は、本場のタコスは手のひらサイズのものだそう。緑色の生地(ブルーコーン)の上にはカルタニスという豚肉料理(プルドポークのようなもの)と、アーリーレッド、パクチーが。想像よりずっとおしゃれな見た目です。

おすすめの食べ方は、手て掴んでかじりつく、とのこと。

おいしです。カルタニスの味が濃いけれど、アーリーレッドとパクチー、たっぷり絞ったライムと渾然一体となります。生地も独特でやさしい。

日本酒「大正の鶴」はさっぱりで、最後にちょっと苦味があり。この苦味がタコスの後味(特にライム)とちょうどいい。うん、合う。生地(タコス)も具(カルタニス)も日本酒と関係なさそうですが、すごくぴったりです。

タコス②牛もつ×奈良萬

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続いてのタコスは…「牛もつ」??普通に、日本の居酒屋メニュー…。これも「タコス」なのですね。

「実はタコスって、コーンの生地にのせたらなんでもタコスっていうんですよ笑」と、タコファントムの本多さん。

さらに、小麦の生地でもタコスといったりすることもあるそう!え、クレープじゃん。

「僕はコーンのタコスがもちろん好きなのですけどね……でも、なんなんですかね、タコスって一体」(本多さん)

ライムを絞って食べてみます。うん、よく知ってる甘辛い味。メキシコ感はゼロですが、コーン生地のかすかな甘みと調和しています。

お酒は奈良萬。甘み主体で少し酸味。タコスの方に茗荷とライムもいるので、甘さ8割、酸味2割くらいの割合でちょうど味が合わさります。相性のパズルみたいでおもしろいです。

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袋に入った球状の塊。これが「タコスの生地の素」だそう。コーンでつくるタコスの生地は小麦のように伸びないため、器具で一気にプレスして生地にします。

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こんな感じです。楽しそう。

タコス③ワカモレ&ナッツ×梅津の生酛(ザル純米)

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ラストはアボカドの「ワカモレ」に、ナッツと蜂蜜をのせた「スイーツ仕立て」。「生地にのればすべてはタコス説」は本当のようです。

日本酒は「梅津の生酛」の「笊純米 にごり生原酒」を熱燗でいただきます。

まず日本酒だけで飲んでみると…これは個性派。甘くない。どろっとした舌触りで、舌を「ゴリゴリ押してくる」ような味。アルコール20度と結構なハードタイプです。

これ、本当に合うのか? と思いながら恐る恐るタコスを食べてみると

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めちゃくちゃ合います!なにこれすごい合う。予想外に合う!
ゴリっと硬い感じのお酒が、タコスとあわさると急にまろやかになって口のなかでいろいろ膨らみます。もう、「セットで一品」と思えるほど合います。

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(お酒のペアリングは店主さん考案)

いったいどうやってこんなすごい組み合わせを考案されたのか…聞いてみたところ「バクッて食べてみて、それでなんとなく笑」(店主)とのこと。プロの方はすごいです、ざっくりしてるのにめちゃくちゃおいしい。(あえて説明しないだけかもしれませんが)

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(タコスを作る様子。イベント感あって楽しそうです)

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日本酒の有名人・Mr.SAKEのジョン・タウンゼントさんもいらしてました。

日本酒とタコス、おいしいです。
ひとつひとつもちろん合うのですが、「正解」とか「ベスト」というの以上に、あたらしい味と味との組み合わせがとにかく楽しいのです

「へなちょこ」さん、ありがとうございました。
今度は通常営業時にまたおじゃまします!

もちろん、お酒を飲みます。