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映画マネーボールから学んだこと

マネーボールはメジャーリーグの野球チームであるオークランド・アスレチックスのチーム編成を決める立場にあるビリー・ビーンが統計学を駆使して、一大旋風を巻き起こす実話に基づく物語だ。

野球好きはもちろん、野球をそれほど知らない人でも楽しめる本作は、新しいことに挑戦する難しさや、そこに対して必然的に生まれてしまう犠牲、統計学の大切さなどを学ぶことができる。

2002年、オークランド・アスレチックスは資金が乏しく、スター選手の獲得ができない状況だった。このチームのGMだったビリー・ビーンは新しい選手を獲得するにあたってピーター・ブランドというスタッフが提案したセイバーメトリクスという、ほかのスカウトマンとは違った尺度で評価するシステムを導入する。

セイバーメトリクスは、例えば打率の高い選手を評価するのでなく、出塁率が高い選手を評価するというものだ。この評価システムでは、長打率が同じ選手の場合、打率が2割5部で出塁率が2割8部の選手よりも、打率2割3部で出塁率2割9部の選手のほうが評価は高くなる。

作中ではチームMTGのなかで「ヒットによる出塁も四球による出塁も一緒である」という理論を説く描写がある。しかし、自身の経験を重視しているスカウトマンからはなかなか許諾を得られないでいた。

このシステムを導入した当初、チームは見るも無惨な惨敗を経験する。また、ビリー・ビーンはこのシステムに合わない選手や、反対の声をあげるスタッフを次々とチーム内から放出(解雇)する。

チームが大敗し、ビリー・ビーン自身、いつ解任されてもおかしくない状況になった時、心配して声をかけたピーター・ブランドに対してビリー・ビーンはこういう。

「このやりかたを信じているか?」と。

ピーター・ブランドはこれに対して「信じている」と答え、セイバーメトリクスによる戦略は続いていく。

人は信じていることがあるから行動を起こすことができるし、どんなに辛い環境下でも挑戦することができることを示した描写だ。

結果として、オークランド・アスレチックスはその後破竹の勢いで連勝を重ね、リーグ優勝を果たすわけだが、結果が出たかどうかは私はどうでもいいと思っている。

自分が信じた道を突き進むこと自体に価値があるのであって、道の先に見える景色が絶景であろうと殺風景であろうと、それは大した問題ではない。歩いた道は無駄にならないし、この道は違ったと感じたなら引き返したっていい。

大切なことは周りに流されて自分がやりたいことを我慢するのではなく、周囲の反対を押し切ってでも何かしようとする決意であると私は思う。

挑戦は失敗を伴うし、犠牲もある。だが、大衆とは違う目を持つファーストペンギンがいつの時代も世界をリスタートさせてきた。

挑戦者に幸あれ、と願う今日この頃である。

#映画にまつわる思い出

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