希死念慮と春

あー、早いとこ自殺したいな。
いつも思う。特に3月に入ってから。
やりたい事もあるし行きたい場所もあるし会いたい人だっていっぱいいる。なのに希死念慮を口の中で転がすのをやめられない。わからない。
未来に希望が持てない。転職して一人暮らしするのが今のわたしの人生のゴールだ。結婚願望はないけれど、一生を労働のみに費やす未来も想像し難い。猫を飼いたいと思ったこともあるけれど、自分のことですら手が回りきってないのに動物の世話なんかできるわけないと一瞬で霧散した。子どもなんてもってのほかだ。
なーんも考えられない。20代のうちのどっかで死ねたらいいのに。無駄に長生きするよりその方が絶対笑顔で「いい人生でした」と幕を降ろせるのに。


この間「マイ・ブロークン・マリコ」を見た。人って簡単に死ぬし簡単には死なせてもらえないんだな、って思った。日常を壊そうとしても明日は来るし無くしたものは戻らないし、何も変わらないことの方が多い。
結局人は絶望と諦めをどこかに抱えて生き続けるしかないんだと思った。なんとかなってしまうって、生き延びてしまうって本当に残酷な事だ。希望の形をした絶望なのかもしれない。


春ってこんなにも気持ちが落ち込む季節でしたっけ。陽射しが優しくて暖かいのにそれが却って死を助長しているかのよう。
外からは子どもの声が聞こえる。そうかまだ春休みか。無邪気で楽しそうでいいなぁ。わたしもこうだったはずなのに、いつの間にか大人に分類されてもおかしくない年齢になってしまった。車の窓越しに満開の桜が可愛らしく咲き誇っているのを横目にいつも通勤している。全部が夢に思えてきて目を閉じたくなる。目が覚めたら棺の中で骨になっていたらいいのに、なんて。



春ってこんなにも気持ちが落ち込む季節でしたっけ。

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