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いろいろあったクラスを担任するとき ⑤モノが壊される・隠されるとき

崩壊した学級では、よくモノがなくなります。壊されることもあります。学級内だけでなく、学校内まで影響が及んでいることもあります。様々な部屋などに鍵を掛けざるを得なくなり…、そんな時どうしてきたか書いてみます。

モノが隠されるとき

・学級のモノが隠されていることがありました。黒板で使うマグネット、黒板消し等です。
 こんなときに「〇〇隠した人、出しなさい!」と怒っても出てくることはなかったです。クラスによっては、その反応にクスクス笑っている場合もあります。そんな時、中学年だったら、「あれっ、〇〇が今日もないなあ…、困ったなあ。」みたいな言い方で流しておいたら、こっそり戻されていたこともありました。

 ただ、教師の机を勝手に開けて、中のモノをいじるなどの行為は、絶対に許さないようにします。(鍵があるなら、そういう時はかけるべき。)最初の1回めが肝心です。

・学校のモノが隠されていたことがありました。校内で、ある学年が崩壊していたとき、徘徊する児童が徐々に増えてきました。その子たちが目を向けたのが、ネジでした。いろいろなところでネジが見つかるのですが、どこのかわからない…。(徐々に大きなネジも出てきて、何か事故につながらないかとヒヤヒヤしますが、本当にネジだけではわからないものだと実感しました。)
 まずは、主事さんの力も借りて、ネジを少しでも戻すようにしつつ、鍵のかけられるところはかけました。
 次に、学校として、当該学年の臨時保護者会を開きました。(勤務時間外でしたが、出られる教員はなるべく出席し、私たちのなんとかよくしていきたいという本気を伝えたつもりです。)事前に職員間でも、この学年をどのようにしていくのか、方針を考えてまとめておきました。2学年4クラスに渡って、起きているいろいろなことを、率直に事実をお伝えする形で、担任ではなく、生活指導主任だった私が話しました。もちろん様々な批判も受けましたが、多くの児童は、家で詳しく話していなかったので、事実が見えたことで、保護者の協力も得られ、この日を底として、少しずつですが上向きました。

・児童のモノが隠されていたことがありました。もちろん必死で探します。大体はどこからか出てきます。しかし、そういうことが続くと、誰かを疑わなくてはいけないし、雰囲気は悪くなります。保護者からも苦情が来ます。
 a:隠す子供は、日々の生活に何かしら満足できていない
       →周囲を困らせることで楽しむ
 b:あるいは、相手と何かトラブルがあったり妬んでいたりする
       →その思いを、相手のものを隠すことでスッキリさせたい
 私の経験では、このどちらかが多かったです。
 aの場合は、多分この子だなとわかることが多いです。でも、その子の毎日を楽しくさせてあげられていない(友達関係とか)のも分かっている。たまたま、その時期に保護者会があったときは、正直にそう言ったこともあります。学級の子供たちが日々を楽しく暮らせるようにしていくので、もう少し時間をくださいと。こういう時に解決を急いでも、いくら物隠しはいけないと伝えても、あまり効果がないことが多いと感じます。
 物隠しの解決は、「北風と太陽」で言うと「太陽」です。学級に笑顔が増えて、一人一人が頑張ることを見つけられる頃には、物隠しは無くなっていました。
 bの場合も、隠された子の話を聞いていくと、小学生の場合は、大体予想がつくことが多いです。でも、気づかないふりをして、みんなで探すと、本人が「こんなところにありました!」と見つけてくることが多い。知らん顔して「ありがとう!」と言います。それ以降は、そのトラブルそのものを解決できるように働きかけつつ、気をつけてその子たちの関係を見ておくようにします。

 見ていない場合は、予想できても決めてはダメです。疑われたと保護者も巻き込んだ次のトラブルにもつながりかねませんし、物隠しは解決できたとしても、また、別の形で出てくるからです。

モノが壊されるとき

 1回めが肝心だと思っています。
 学校のものをわざと壊した場合は、小さなモノであっても、必ず保護者に連絡するし、管理職にも報告して一言でも指導してもらう。あとは、事務室に行って、事務主事さんにも、(もう一度買ってもらうなり、修理に出してもらうなりするので、)私と一緒に謝る。大きなものの場合は、保護者にも趣旨をお話しして、一緒に事務室に謝りに行ってもらいました。これは、全て、ふざけてであろうと、壊したら元には戻らないし、税金で買っているものは、住民の皆さんが買ってくれている物だから、本当はそのみんなに謝罪すべきことだと自覚させたいからです。そういう意味では、弁償させる地域の方が、親からもこっぴどく叱られていいんだろうなと思いますが、私の勤めているところは、そういう制度はありません。
 
 個人のモノを壊した場合は、事情をきちんと聞いた上で、両家に連絡。壊した側に、謝罪の電話をしてもらうように、お願いしています。完全に悪い場合は、壊した側が弁償していたこともあります。お互い様のような状況であれば、弁償はいいですよと言ってくださるご家庭が多かったです。

 

 モノを壊す・隠すなど、一般社会でやったらアウトなことは、学校でもアウトだよと教えていかなくてはいけません。将来のために。しかし、それと同時に、小学生には、反省ややり直しができることも大切です。たった1回で、レッテルを貼ることが、むしろ問題を大きくすることもあるからです。なぜ、そうしてしまうのか・しなくなるのはどんな環境や状況か・・・考えながら、長い目で見て指導していくのが大切だと思っています。



































































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