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運動会 表現運動の演出を楽しむ!

 これまでの運動会では、表現(ダンスなどのこと)の担当を引き受けたことが多い。同時に他学年の表現も見てきたし、我が子の運動会(足掛け14年!)でも、表現は全学年見てリサーチしてきた。保護者から見ると、やはり表現で我が子がイキイキとしているのは嬉しいし、学校への信頼も高まる。
 そこで、備忘録兼ねて、私が感じているポイントをまとめる。

学年の特徴がいきる演目を選ぶ!

 元気、男子が多い、ノリがいい、縄跳びが得意、等学年のカラーというのがある。それを捉えて、時代にあった音楽や演出を取り入れる。「この子たちに是非ともこれ!」というものを選ぶと、本番までの練習が楽しいものになる。楽しくなると、休み時間にも勝手にやるようになる。家族で出掛けていて、駅のホームで踊ってて困りますなんて笑い話も届くようになる。

 例えば、1年生で、マット運動の出来がいいなと感じた時は、普段の体育で背倒立(アンテナ)などの動きをやっておき、運動会近くになったら、それを繋いで前半に組体操の一人技的な演出を入れる。(みんなでブリッジをした時は、歓声が湧きました。)後半は可愛くてちょっとかっこいいダンスをする。
 「鬼滅の刃」が流行っていたころだったら、前半の技に「○○の呼吸」とかいう名前をつけて、アナウンスを入れながらやり、後半は「紅蓮華」で踊る、みたいな感じだ。
 一つの傾向でまとめにくい時は、組んでいる先生の了承が得られればだが、グループに分ける。一輪車チーム、ボールチーム、フラフープチーム、縄跳びチーム、竹馬チーム等に分かれて、それぞれの技を見せるパートと全員での演技をするパートを作る。中学年以上なら子どもと相談すると、子どものやる気が高まる。また、初任など若手と組んでいるときには、若手の育成方法としてもまず一部任せるのは結構効果的だった。

 女子はありがたいことに何をやっても一生懸命やってくれることが多いので、男子が納得するものを選ぶようにする。あるいは男子が「かっこいいかも」と思うような紹介の仕方をする。
 例えば、エイサーで「ダイナミック琉球」をやろうと思ったら、甲子園やバスケの応援でのかっこいい動画を見せるところからスタートする、といった感じだ。

隊形移動は少しでいい!

 隊形移動に凝った演目も見かけるが、私は最小限にする。かける時間と労力に対して得るものが少ないからだ。全体での動きが綺麗に見える最初の形と一人一人(親にとっては我が子)を見やすいような形の2箇所くらいで良い。ただし、ずっと守ってきたことは、一人の子が校庭を4分の1に区切った(田のイメージ)四角の中で動くようにすることだ。
 なぜなら、親が追いかけられないからだ。たった1回しかない本番で、我が子が反対側に行ってしまったときの親の気持ちはなんとも言えないものがある。子供も見てほしいし、親も見たいのだから、それは配慮すべきと私は思う。教師は、何回も見るし、見やすい場所で常に見る。でも、親は1回きりで、しかも条件のいい場所とは限らない。だから、そこは配慮する。

踊りの作り方 →  目的に応じた要素を入れる

 踊りの中には、
①動きが割と速くて難しいけどかっこいいところ
②4拍で手を上げていくなどゆっくりな動き
③全員が揃って動いて止まる瞬間
④列ごと等で交互に動いたり、立ったりする動き
⑤子供が考えたダンス
等を入れる。普通の子の集まりなので、ずっとかっこいいダンスはできない。だから、メリハリが大事。ずっと、なんとなく踊っているよりもその方が絶対カッコ良く見える。(1年生のひたすら可愛い動きのダンスは別物ですが!)

①はサビに持ってくる。何度も出てきて、カッコいいので、子どももノる!
②はゆっくりな分、必ず視線を意識させて、しっかり手を見るようにすると映える。
③顔だけ動かすのでも、揃うとカッコいいので、4ポーズ✖︎4拍くらい入れたい。
④個人だけの踊りに比べて全体の動きがダイナミックになる。激しくて疲れるダンスの場合、一瞬休める。
⑤学級状況によるが、①から④を子供から募集するレベルから、8拍をグループごとに好きな動きでというレベルまで色々。退場の時にグループごとに好きなポーズをしてから退場というだけでもいい。自分たちで考えたポーズをするときの子供の顔は、違う輝き方をするから。

声を入れると効果的

 コロナ禍では難しいこともあるが、途中で生の声を入れると気合も入るし、見ている方もグッとくる。外で広がった隊形の時に入れたい!
 例えば、掛け声。あるいは、サビだけ歌う、入場の時に声を出しながら入ってくる、最後の挨拶をするなど。


練習の計画は戦略的に

①限られた時間で、なるべく追加せずに練習するには、計画は必須。
  計画を立てれば、自然に流し方のペースも決まってくる。
  (今は、タブレットに動画を送れるから、本当にやりやすい!)

②練習は、決めポーズやサビの速い動きから。
  計画のポイントは、練習は曲の最初からにしないこと。一番繰り返したいも
  のを初回からやると、カッコいいところが上手くて印象に残る。

③校庭での通し練習は早めにやる。
  踊りがちゃんとできてから外に出ようではない。次も、晴れて校庭が使える
  とは限らない。早めに外に出て、一度場所を確認して大体通す。子供も見通
  しがもてる。踊りのブラッシュアップは後からでも教室でもできるから。

④練習も後半に入ったら、毎回いきなり入場から1回通す。
  本番は1回きり。「一発で本気」が出せるようにしないといけない。1回目
  の演技で何が足りないか、教員はフィードバックしてあげる。(ビデオ撮っ
  て、給食のときに見せる等。今は黙食で前を向いているから、見やすい。)

指導の言葉のポイント

①マイクを持つ指導者は怒らない。(理想通りにいかないことはあるけど。)
  エアロビの先生(勝手なイメージだけど)のように、盛り上げていく。「い
  いねえ。」「○○さん、かっこいい。」「わ、揃ってる!」、できていなく
  ても「ここが惜しい!」って感じで。
  気分が上がった方が、楽しい。踊りは、心が楽しくないと生き生きしない。
  ※練習中の友達へのちょっかい等、注意しなければならない事態は、マイクを
   持たない先生の担当にして、個別にしていく。

②動きの説明には、オノマトペを活用。
  陸上などの指導にも効果的とされているスポーツ・オノマトペは、踊りの指
  導でも、効果的だ。例えば「クルッと回って、ドン、グッ、パーン」みたい
  な言い方。ドン(足を鳴らす)、グッ(小さくしゃがむ)、パーン(ジャン
  プして体全体を大きく開く)で、リズムも動きも覚えやすく再現しやすい。
 













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