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2020年映画Log

明けましておめでとうございます。
食って飲んでの正月を満喫しておりました。

2020年、まさか自分が生きている間に歴史に残るような疫病が流行り、生活や娯楽が制限される体験をするとは思いませんでした。

人間、ご飯食べないと肉体が死んじゃいますが、やはり娯楽も生きるのに大事な心のご飯ですね。実感しました。

緊急事態宣言明け、劇場で予告の合間に流れてきた「映画のある日常へおかえりなさい」に、映画を観る前に泣いてしまいましたよ。

さて、2020年、劇場で観た映画のLogです。

フォードvsフェラーリ

2019年8月頃からずっと楽しみにしていた映画。
今年一番観た。4回くらい?
フェラーリに小馬鹿にされてブチ切れたフォードが、短気でヤンチャな男と、著名でクールな男を雇ってレースでフェラーリに一泡吹かせようとする映画。
バディものと言っても良いかもしれない。
公式が「仲良く喧嘩する」というコピーを打ち出していた。
レースシーンもほぼCGなし。エンジン音の爆音は完全に映画館向き。

劇場版 機動警察パトレイバー 4DX

まさか令和にパトレイバーを劇場で、4DXで観られるとは思いませんでした。
揺られて濡れて、めちゃくちゃ楽しかったです。

Mother

緊急事態宣言明け一発目に観ました。
大森監督のファンなので、これは外せません。
実話をもとにしたノンフィクション。
少年が祖父母殺しに至るまでの母との軌跡を描いた物語。
社会問題でもある貧困だが、その当事者が必ずしも善良ではなく、差し伸べられた手を取ることを選ぶわけではない…その辺りに結構打ちのめされました。つらい。
話は辛いが長澤まさみの美脚が美しい。(頭痛が痛い構文)
あと長澤まさみの美貌が不思議と役の説得感を増し増しにしている。
息子役の奥平大兼が新人とは思えないとても良い空気感を出していた。今後もウォッチしたい。

パブリック 図書館の奇跡

テーマは良かったです。
寒波の夜にホームレスが図書館に助けを求め、様々なルールを破ってでも凍死の危機から彼らを救わんと奮闘する男の話。
選挙戦も絡んで色々な思惑が渦巻いて、主人公にも諸々の過去があり…社会問題と私利私欲と貧困問題と人道と、要素とテーマ性は大変良し。
ただ映画として…ちょっと物足りなかった。
凍死の危機があるような状態で窓が一切曇らないとか、なんですかね。画面作りが甘いんでしょうか。
これはぜひ演劇で観てみたいなと思いました。

映画 ギヴン

原作からずっと追っていて、我が推しの春ちゃんの恋愛が中心となる映画版。
TVアニメの時もでしたけれども、音作りの気合いがすごい。
ライブシーンがちゃんとライブの音をしているのですが、それが映画館の音響でくるわけですよ。鳥肌です。本当に。
TV版では自分の気持ちを叫ぶように歌った真冬ですが、今度は春樹や秋彦の気持ちを組んで歌うわけですが、あまりにもエモーショナル。
ベショベショに泣きました。

窮鼠はチーズの夢を見る

原作よりなんかキレイな純愛になってましたね。
今ヶ瀬ってこんなに可愛いやつだったんだな…。
恋愛モノの心理の機微の表現はさすが行定監督。
なお、原作で好きだったセリフは削られていました。残念。

狂武蔵

訳がわからない。大好き。
大好きな拓さんの破茶滅茶アクション映画。正確にはアクションじゃないんですけど。
77分ノーカット…ガチのワンカットでで1対400人の戦いを追う映画。
ガチのノンストップの斬り合いなので、派手さも見せ場もない。その代わりに総てが見せ場。あと作中で本気の給水をしています。
剣戟とか殺陣のいわゆるアクション映画と違ってね、動きが地味なんですよ。1対400人ですから、派手に動いて体力消耗するわけにもいかないんです。
演じている(演じている?)本人も何してるんだろうな…と思っているそうですが、観ている方も何を観せられているのかな…と微かな疑問を抱きそうになりますが、我々がみせられているのは「本物」です。

新解釈 三国志

映画で大人しく観るものではなかった。
酒飲みつつダラダラ友達と騒ぎながら観たい。
応援上映とかあったらめっちゃ楽しそう。

みをつくし料理帖

北川景子のドラマ版が好きでずっと原作が気になっていた作品。
映画版、大変良かったです。ものすごく良かったです。
とりあえず、開始早々スクリーンいっぱいに映し出される牡蠣の土手鍋、あまりに罪深い。
子供の頃に災害で別れたきりの幼なじみの少女ふたりが、江戸で間接的に再会するも、逢うこと叶わない身の上のまま、料理を通じて互いを助けて想い合う様がエモくて尊い。
あさひ太夫の大阪訛りの郭言葉がとても可愛い。(正しいかはわからないが)ただ可愛いだけじゃなくて芯の強さも感じられて最高に良かったです。
原作1巻買って、NHK版のドラマも観てしまった。
続編作って欲しい。

鬼滅の刃 無限列車編

原作未読・アニメ未視聴のいわゆるミリしらで、流行りに乗って観に行っちゃったw みたいなネタ的な軽い気持ちで観に行ったのですが、おもしろかったです!(ufo tableの作画だけでも価値あるな〜くらいでした)
主人公の名前と妹が鬼にされてしまったので人に戻す方法を探していること、生殺与奪の権を他人に握らせるなってセリフしか知らなかったものの、説明なしに始まった物語でも全く困ることなくスルスルと理解でき、前半の炭次郎の活躍と、後半の煉獄さんの戦いぶりとその生き様、エモとスペクタクルな作画のセッションでめちゃくちゃ楽しかったです。
なお、煉獄さんの報告を受けるワンカットの不死川実弥さんに何かを感じとって全巻漫画と小説を購入しました。その後グッズと薄い本も買いました。

燃ゆる女の肖像

美しくて静かな情熱が静かにのしかかってくる映画。
個人的には映画としてのバランスに欠けるというか…全体的にそこはかとなく強引な印象。考えるな、感じろ。
ただ字幕…字幕がどうにも…ニュアンスが拾われてない気がする。
ミュージックビデオのような画面作りは素敵だった。あと、ラストシーンはとても好き。

罪の声

新聞記者という仕事に対して当事者が懐疑的である描写がとても良かったです。
冒頭で伏線が張られた瞬間に答えがすこし見えてしまったので、謎解きの過程を存分に楽しめなかったのが心残り。
何故かわからないけど、エンドロールでは鬼束ちひろが流れてくるものだと思ってましたね…。

蒼穹のファフナー THE BEYOND

何も…何も言うまい。

サイレント・トーキョー

渋谷のあのシーンを撮りたいがための映画だったのだろうなと。
そこは大変よかったです。
ストーリーは劇場版パトレイバー2とか相棒とかで見ましたねぇ…。

天外者

三浦春馬の遺作映画になるんですかね。
内容としては五代友厚の入門編と言った感じで、彼の半生を追うものです。まんが伝記みたいな感じです。なので全体が駆け足で進んでいくわけですが、熱量が強い。
作品化された五代友厚を他に知らないのでなんとも言えないのですが…彼の情熱を演技でありながら完全に同調した三浦春馬がとても熱かったです。
憑依というとも違って、同意・同調・共感みたいなものがあって、演技というプレゼン?オタクが好きなものを熱っぽく語る行為を演技を通してやっているかのような…愛すら感じる何かが凄かったです。
惜しい俳優さんを亡くしたな…と改めて寂しくなってしまった…。

ミッドナイト・スワン

人生で見て良かった映画の10本に入る。
トランスジェンダーの主人公が、強引に親戚の少女の面倒を押し付けられるところから始まる話。
主人公の凪沙はTGに起因する生きにくさを抱え、一果は育児放棄の影響から生きにくさを抱えている。
ふたりとも他人と関わることが得意ではないけれど生きにくさという共通点から少しずつ寄り添っていく話。
少女の母になりたいと願うようになる主人公凪沙の気持ちを「恋」「ラブストーリー」と評したコピーは秀逸の極み。
これほどまでに狂おしい願いは「恋」と呼ぶのにふさわしい。
音楽、衣装、美術の総てが意味を持って丁寧に作られた作品。
この作品がなんの賞も得られなければそんな映画賞は価値がないとすら思ってしまう。テーマもさることながら、『映画は総合芸術』を体現してみせている。
色んな映画やアニメやドラマや舞台を観てきたけど、魂が揺さぶられるってこういうことか、と実感しました。

個人的にはぶっちりぎりのBEST1がミッドナイトスワンです。
というか、人生の映画10本に加えました。
次点でみをつくし料理帖とフォードvsフェラーリが接戦なのですが、映画館で観る映画としてはフォードvsフェラーリはやはり強いですね。

Motherの奥平大兼とミッドナイトスワンの服部樹咲というあまりに力強い新人ふたりの今後が楽しみです。

2021年も素敵な映画とたくさん出会えますように。

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