無糖

心の弱虫

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サンタクロース症候群

学生の頃、今持っている全てを捨て、ここではないどこか遠い場所に行ってしまいたいとずっと思っていた。 どこでもいいから、 誰もわたしのことを知らない、わたしも誰のことも知らない場所に行ってしまいたい。 そう思っていた。 まだ見も、存在するのかすらもわからない、 その世界のことを考えていた。 当たり前に健康な身体と恵まれた環境を持ってなお、ずっと何かを求めていた。 何かわからない何か。 今ではもう見ていたあの情景すらも掠れてしまった。 あの頃のわたしはこの世界が嫌

    • 過去と矛盾とわたし

      過去の耐ええないほどつらく苦しいことを経験した自分をどこか他人のように感じてしまう。 自分のことなのに自分のことじゃないような。 そんな切り離された心地。 過去の経験も全部含めてわたしだ。 わたしだけのものだ、と思う反面、 そんな矛盾した気持ちに包まれている。 なぜなのか何なのかずっと考えていて答えが出た。 『過去の頑張った自分を否定したくない、大切にしたいと私』と『過去の苦しい経験を忘れ去りたい私』がせめぎ合っているのだ。 どっちも私が私のことを大切にしたくて生

      • 許すということ

        『許す』ってむずかしいなぁって最近考えている。 2つの意味で。 許すの意味、定義もむずかしいし、 許すという行為自体もむずかしい。 なんてややこいやつなんだ〜!!!! 私には世界で1番大切で 幸せでいて欲しいパートナーがいるのだけど、 彼はね、定期的に何か爆弾を持ってくる。 (浮気とかじゃないんだけどね) なんなんだろうねえ、令和の江戸川コナンなのかもしれないねえ。(ちがう) わたし自身、ここまで心底誰かを好きになったのも、 誰かと正面から向き合って接そうと思ったの

        • 薄い膜

          ただ大好きなものと共に在りたいだけなのに 同時に恐ろしく悍ましいものの一端に触れている。 あの日捨てたはずの何かに。 そんなことがある。 逃げてばかりいた過去の自分が嫌で、逃げることをやめた。 それによって少しずつ薄れていく自分を、小さな幸せを引き伸ばした薄っぺらい幸福で濁して生きていた。 全部混ぜちゃえば一緒だ、って。 取り除けないなら同じことだ、って誰かが言ったから。 大丈夫、私は今、幸せの一端に触れている。 そう自分に言い聞かせて生きていた。 一度逃げること

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        サンタクロース症候群

          踊るって自分をすり減らすことだった

          踊るって自分をすり減らすことだった。 あの頃は何かを犠牲にしている、という意識はなかったけれど、 今振り返ってみると、たくさんのものを失い、犠牲にし、取りこぼしていたように思う。 物心ついた時には舞台に立っていた。 舞台から見えるあの景色が当たり前にそこにあった。 思えば、客席にいる時ですら、舞台からみる景色を観ていた。 わたしは観る側に耐え得ないのかもしれない。 幼い頃から、『嫌だ』と言えないタチだった。 そんな抱え込んだ感情を踊りで消化していた。 踊りの世界がわた

          踊るって自分をすり減らすことだった

          反芻

          あの頃のきらいでみっともなかった私を 無理に振り返って反芻してしまうのは、 誰にも認めてもらえなかった、醜くて独りぼっちだったあの頃の私を救いたいと思うから。 あの頃の私に寄り添ってあげれられるのは私だけだ。 あの頃はあれでよかったんだよ、とひとこと言ってあげたい。認めてあげたい。 過去の自分を許せないと、これから先、人を許せる強さを持っていられないと思うから。 自分の弱さを認めることは怖い。 認めた瞬間、なにかまっくろで悍ましいものに飲み込まれてしまうような心地がする。

          なりたい私

          私は昔から理想が高くて『なりたい自分』が多すぎた。 志が高すぎた。 時々、その『なりたい自分』と『現実の自分』のあまりの大きな差に絶望する。 そんな絶望の中、泣いてしまう夜も少なくない。 消えてしまいたいと思う瞬間もある。 それでも『なりたい私』を目指すことはやめられないのだ。 それは自分を窮屈にしてしまってるのだろうけれど、そんな自分の一面は嫌いじゃない。 いいじゃない、理想が高くあっても〜 今はダメダメでもいいじゃない〜 とりあえずなりたい自分を演じてたら

          なりたい私

          箱詰

          もっとこんな人だと思ってた、と言われた。 おしとやかであまり喋らなくて月のようなひとだと思ってた、と言われた。 勝手にわたしのイメージを作り上げて期待して、勝手に残念がって離れていった。 その人にとってどんな人間なのかなんて 相手と接して、向き合って、共に時間を消化して、 そうしてはじめてわかるものなんじゃないのか。 今日の自分と明日の自分は違ったりする、 そんなものだと思うのだ。 みるひとによって『どんなひとなのか』 答えが変わるのが面白いと思うのだ。 よく知り

          おんなのこって

          人生の中で限られた量しかごはん食べられないし、 いつこの人生が終わるかわからないから、 毎回のごはんの時間を好きなもので満たしていたい。 買えなくなっちゃうのがこわいから 欲しいと思ったものはなるべく早く手に入れたい。 こんなこと言ってるから貯金ができないし痩せない。 どうにかしてくれやいこのやろ〜〜 おんなのこって嫌になることもあるけど、なんだかんだ楽しいね! #エッセイ #コラム #日記 #短編小説 #小説 #本 #note #毎日note #思い出 #毎

          おんなのこって

          昔から、小説を読むとき、主人公以外の登場人物の立場にたって、物語を読んでしまう癖があった。 『この人は今どう思っているんだろう?』 『あの人の目にはどんなふうに映っているのだろう?』 そんなふうに考えてしまう癖。 おんなじ瞬間、おなじ出来事の中にいたのにそれぞれ見え方や感じたものは違うこと。 現実でも多々ある。 それは物事の切り取り方が違ったり、 そもそも見ているところが違ったりするからなのだろう。 いろんな立場にたって、多角度から世界を見ることができるひとにな

          生きてるだけで

          数年前にね、色々といっぱいいっぱいになってしまって 溜まりに溜まったぐっちゃぐちゃの感情が うわあああああ!!!って爆発してしまった時期があったんだけど、 1、嫌なもの、心がすり減るものは見ない、聞かない。 2、考えすぎず、とりあえず流れに身を任せてみる。 3、好きなものに囲まれて生活する。 の3つを意識しただけで息がしやすくなったし、 心の幸福度がぐんっと上がった。 何にでも立ち向かえるのがカッコいい!って思い込んでたけど、自分自身を消耗してしまうものは関わらなくても

          生きてるだけで

          シロクマと宝石箱

          ちょこちょこチョコミントを目にするようになって、夏の始まりを感じました。 この時期に毎年出始めるしろくまのスティックアイスがすごく好きだ。 みかんにパイナップルに小豆。 ワクワクする。宝石箱みたい。 カップタイプは年中あるけれど、スティックタイプはこの時期だけっていう特別感。 期間限定。弱いやつ。 期間限定って言われるとつい試したくなっちゃうのよね。 いろいろ試した結果、スタンダードなやつが一番美味しかったりする。 #日記 #note #コラム #エッセイ 

          シロクマと宝石箱

          ただほんの少しだけ満たされたかった

          ちょっとお腹が空いてただけだったんだよね。 でもなんだかたくさん食べられるような、 根拠もなくそんな気がしてたんでしょう ただちょびっと何かつまむだけで十分だったんだ。 ただほんのすこしだけ満たされたかっただけなんだよ。 みんなあるんだよ、君だけじゃないよ、 きっとそう。 たったそれだけのこと。 #日記 #コラム #note #エッセイ #小説 #短編小説 

          ただほんの少しだけ満たされたかった

          好きこそ、ものの何となれ。

          小学生までの私は、踊ることがとにかく楽しくて、大好きで、ただそれだけだった。 たったそれだけだったけど、 ナニモノにでもなれるような、そんな気がしてた。 オトナになると嫌でもわかってしまう。 自分がなれるもの、なれないもの。 自分に向いていること、向いてないこと。 手に入るもの、入らないもの。 この世界がもっと自由であれば、 もっとみんな夢を見ていられるのになぁと思う。 でも、縛りがあるからこそ、 この世界は成り立っているのだろう。 我慢する人がいて、いい思い

          好きこそ、ものの何となれ。

          繰り返し、繰り返し、

          無意識に思い出のかけらを拾い集めてしまう。 忘れたくないことほどいつか忘れてしまうように思えてならない。 大切に大切に包んでいても隙間からサラサラと流れ落ちてしまうような。 いつまであの空を覚えていられるのだろう この声はいつまで耳に残っているのだろう におい、音、色 私は、素敵な出来事が怒っている最中、 思い出になった後のことを想像してしまう。 今この時を楽しむということは難しい。 そうしたい、と思いながら そのつもりになりながら 終わりの瞬間に思いを巡らせ

          繰り返し、繰り返し、

          出会ったことも笑いあったことも全部

          頑張ればナニモノにでもなれると思っていたあの頃。 ただひたすらになにかを追いかけていた気がする。 黄昏時はなんだか色々考えてぐるぐるしてしまう。 スキとキライがぐちゃぐちゃに混ざって切り離せない そんなグチャッとしたものがズンっと溜まって 全部投げ捨てたくなる時がある。 ずぶずぶ心を汚してしまう。 ずっと同じ気持ちでいることは難しい。 夢を抱くことよりもずっと。 同じ温度と強さを持ち続けることは不可能に近いのかもしれない。 だから、変わることも諦めることも悪じ

          出会ったことも笑いあったことも全部