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舐めてました。MAAHA chocolate田口愛さんに教えてもらったガーナ発チョコレートブランドの想定外な勝因。

年内のマダガスカル🇲🇬への移住を計画しており、それに向けてアフリカ関連のビジネスを学んでいます。

そして2月23日(金)に東京で開催された、アフリカビジネスラボのイベント“「バレンタインデー」にちなんで聞きたい ガーナでチョコレートを作る起業家の話!”に参加してきました。

第64回アフリカビジネスラボ ~「バレンタインデー」にちなんで聞きたいガーナでチョコレートを作る起業家の話!

イベントのゲストはガーナ🇬🇭発のチョコレートブランド「MAAHA chocolate(マーハチョコレート)」を立ち上げた田口愛さん。

MAAHA chocolate (マーハチョコレート)とは?

MAAHA CHOCOLATE(マーハ チョコレート)の公式オンラインショップ

「MAAHA chocolate(マーハチョコレート)」(以下:マーハチョコレート)は2021年に田口愛さんによって設立されたチョコレートのブランドです。

「境界線を溶かすチョコレート」というコンセプトをもとに、ガーナのカカオ農家が栽培収穫したカカオを使って作られたチョコレートを販売しており、その売上金の一部はカカオ農家の自立支援や環境保全、女性の雇用創出など活動に還元されています。

以下はマーハチョコレートのこれまでの歩みを年表にしたもの。(参考サイト:チョコに惚れ、海を渡った23歳彼女の桁外れな挑戦)

2018年:当時19歳の大学生だった田口さんがガーナに初渡航し2ヶ月間滞在

2019年:ガーナを再訪しチョコレートブランド立ち上げに向けて準備、日本のカカオ専門商社・立花商店と協力関係を構築

2020年:コロナで計画がストップ、クラファンで約427万円の支援を受けて注目を浴びる

2021年:オリジナルブランド「マーハチョコレート」を立ち上げ、「西武池袋本店」のバレンタインデーイベントに出店

2023年:JALのファーストクラスに採用される

ブランド立ち上げて数年でJALのファーストクラスに採用されています。すごいですね!

MAAHA chocolate(マーハチョコレート)が群雄割拠のチョコレート業界で存在感を示すにいたった理由

スーパーに行くと明治や森永などの国内大企業によるチョコレートが量販されていますね。

量販品だけでなく、GODIVAやピエールマコリーニのようなヨーロッパの高級品、Minimalのような新興のクラフトチョコまでチョコレートには幅広いバリエーションがあります。

ビジネス的な視点ではレッドオーシャンです。

個人的に疑問がありました。

「どのようにして、立ち上げて数年のブランドがレッドオーシャンの中で存在感を示すに至ったのだろうか?」

イベントで田口愛さんのお話をお聞きして、その疑問に答える2つのヒントを得られました。

小さいことの強みを活かした

マーハチョコレートは立ち上げ前にクラファンで多くのファンを獲得し、それがブランドの立ち上げと西武百貨店池袋店でのバレンタインデーイベントの出展につながったようです。

しかし、有名ブランドと横並びで売られる店頭では埋もれてしまい、1日2個しか売れなかったとのこと

そのような状態から販売数を増やしていった方法が興味深いです。

マーハチョコレートが販売数を増やすためにやったこと
・パッケージに語らせる
・起業家自らインスタライブでブランドストーリーを丁寧に伝える

最初は店頭でも「ガーナで現地の人が収穫したカカオを使っている」「フェアトレード」「手作りしている」といったキーワードを全面に出していたそうですが、それらはお客さんに響きませんでした。

そこで国内の有名デザイナーと組んでパッケージを改良し、ブランドイメージが視覚ですぐに見て分かるように変更しました。

パッケージは田口さんが企画し、プロデザイナーがデザインし、ガーナの職人さんの意見も取り入れているそうです。

それによってお客さんからの反応が良くなりました。

この件に関して田口さんは「どのチョコレートも箱から出したら黒い板で見た目は変わらない。だからパッケージで違いを生むことは想像以上に大切なこと。」とおっしゃっていました。

チョコも見た目が9割なんですね!

パッケージの変更に加えて田口さん自らがSNSでの発信に力を入れました。

インスタライブではガーナの職人が働いている環境やフェアトレードの具体的な中味について、ファンに懇切丁寧に伝えることを継続されたそうです。

これらの施策により、マーハチョコレートはファンを増やし、「ストーリーを語ってプレゼントできるチョコレートブランド」というポジションを手に入れました。

確かにマーハチョコレートには人に語ってしまいたくなる魅力がありますね。

「起業家の持つストーリー性」と「お客さんとの一対一の関係性の構築」。

田口さんは大企業と比べたら小さい存在である個人の強みを上手く活かしたと言えるでしょう。

起業家としてのパッション

ここまでの話だと、田口さんは「時代のニーズをつかんで、上手くD2Cブランドを立ち上げた人」ですが、それだけの人ではありません。

ゼロイチを前進させる起業家としてのガッツが人並み外れています。

沢山のハードシングスを乗り越えて、マーハチョコレートをここまで育ててきたようです。

それらは普通であれば心が折れてしまってもおかしくない困難ばかり。

田口さんが大学生のとき、コロナ禍の直前に計画していたスタディツアーを中止することになったことにより数百万円の借金を抱えてしまったり。

カカオを栽培しているガーナの田舎での生活ではマラリアに感染して死の淵を彷徨ったり。しかも5回も!

またビジネスを拡大していく過程では協力してくれていた仲間に裏切られたりしたこともあったようです。

そのようなハードシングスを全て乗り越えて、マーハチョコレートをここまで有名にされたのです。

私はこれらのエピソードを聞き、山口絵里子さんの「裸でも生きる」を思い出してしまいました。

田口さんは令和の山口絵里子と言っても良いのではないでしょうか。

感想

「マーハチョコレートが成功したのは大学生の若い女性起業家が世間から応援してもらえただけの話。」

イベントに参加する前はそのように表面的に考えていました。すいません。

しかし、イベントに参加してお話を聞くことでそれが間違っていたことが分かりました。

ブランドを作ることはそんな簡単ではない。

大学生であることや女性であることは興味を持ってもらうきっかけにはなりますが、ビジネスを成長さえていくためにはそれだけでは無理です。

ブランドビジネスへの理解、仲間を巻き込む人間的な魅力、タイミング、お金、ビジョン....

イベント後の雑談で参加者から出た、「ハードシングスをなぜ乗り越えることができたのか?」という質問に対して、田口さんが「私は大学を中退しているため、ビジネスまで中途半端にはできない」とおっしゃっていたのが印象に残っています。

普段は人には言えない想いを心の奥底に抱いているのですね。

まとめ

アフリカでのビジネスで結果を出すためにはトラブルは避けられません。

それを乗り越えていくためには、本気で人生を懸けるくらいの執着と無数試行錯誤が必要になるのでしょう。

✨Xを始めました。アフリカに移住して飲食店を開業するまでのプロセスをリアルタイムに発信していきます。
https://twitter.com/shinji_africa

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