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【実話】某大学生が体験した「宗教勧誘」

 大学生になるとその自由度はそれまでとは段違いに高まり、行動範囲も広がります。しかしながら、自由に行動できるようになるということは、危険なことにも遭遇しやすくなるということと表裏の関係にあります。その危険の一つが宗教勧誘。実際、大学生になってすぐの頃にそれに引っ掛かり、人生が狂ってしまう人もいると聞きます。そして、それは私も例外ではなく、実際に勧誘された経験は3度ほどあります。今回、私が経験したものを紹介し、それが同じ学生の方への注意喚起になればと思います。

〈注意書き及び設定〉
・勧誘された宗教名は一応把握しておりますが、ここでは源様(みなもとさま)を唯一神とする源教(みなもときょう)という架空の名称にて話を進めます。
(検索したところ源教という宗教は見つかりませんでしたが、万が一存在しておりましたら、コメント欄よりご教示ください。名称変更いたします。)

 まず、1つ目。大学生が大学に行きたくなくなり始める5月頃、最寄り駅から大学への道でいきなり東アジア系の二人組に声をかけられました。なんだと思って一瞬立ち止まったら、向こうがカタコトの日本語で、こう言ってきたました(私にはこう聞き取れました)。

「オニサンハイマナヤンデイルノデス。デモミナモトサマノオシエニシタガエバスベテカイショシマス」
(お兄さんは今悩んでいるのです。でも源様の教えに従えば全て解消します)

 おそらく機械的に覚えてきただけなのでしょう。パンフレットを見せながら早口で言い終わったかと思ったら、また同じセリフを始めから言い出すのです。まあ、言わんとすることは分かりましたけれど、そもそも授業に急いでいるのでその場を去りました。

 2つ目。今度は日本人の20後半から30前半ぐらいのキレイ系のお姉さんが先ほどと同じ辺りに登場。時期は確か6月頃という、これまたGW明けのサボリたくなる憂鬱な時期でした。

 私が見た限り、陰キャで友達が少なそうなタイプを狙っているのでしょうか。道端でアナウンサー風に「お兄さん、こんにちは~!」と笑顔で声をかけています。そして、応じてもらえると「すぐ終わるんだけどね、実は~(通り過ぎたので聞き取れず)」と何かを取り出し、話しています。

 そのお姉さんはその月はしばらく来ており、私もある日声をかけられることとなりました。もちろん、それまでに何をやっているのか見てきているから無論相手にしませんし、私だけ「お兄さん、大学生だよね?」という枕詞を付けて確認してきたから頭にも来ていましたが。(私は老け顔のようで、たまに参加する社会人サッカーでも30歳だと思われているよう)

 最後は、私が段違いに一番怖かったやつ。
 とある日のこと、私はいつも通り、2限終わりに駅へと歩いていると、資格試験予備校の事務員の人たちが宣伝のためにティッシュを配布していました。どの予備校も生徒を確保しようと必死になりますから、配っている人たちは数人ほどいました。その光景に去年は少し驚きましたが、今年はさすがに慣れ、タダでティッシュをもらって帰宅しました。

 恐怖を感じたのはその後。家でもらったものをポケットから出してみると、1つだけ裏面に「~~、源教 ○○区支部は○○駅から何分」と書かれているものが。
 私としては公認会計士予備校のティッシュをもらった記憶しかありません。しかし事実として自分のポケットにはもらった記憶のないものが入っていたのです。

 考えてみると、きっとこうだったのだと思います。
 その日、普段は見かけない顔のおばさんがティッシュ配りをしていました。実のところ、1年間も大学に通っていれば、いつも宣伝しているゆえ、配っている人の顔は見慣れています。もっとも、見慣れない人が配っているからといって、別に新しく入った人かもしれないし、服装も事務員さんの同じようなオフィスカジュアルといった感じだったので、特段違和感を抱きませんでした。  
 きっと服装を事務員に似せ、配るものをそろえることで自分の身分を隠しながら、配布していたのでしょう。

 ニュースで身分を隠した布教こそ怖いと言いますが、私もこれまではなんだかんだ雰囲気で分かるものでしょ、とどこか思っている部分がありました。しかしながら、実際体験してみると想像以上に分からず、また、後々になって知る分、自分は完全に相手の手の内にあったのだという感覚になり、その恐怖感は非常に大きかったです。

 その点、大学や友達を通じて情報を得ていれば、予め危険な場所・人に警戒でき、仮に声をかけられる等しても2つ目の例のように事前情報に基づいてすぐに対応できます。

 世の中の人たちは怪しいものに近寄らなければ大丈夫だと言いますが、その手口は巧妙化しており、最後の例のように、怪しいものを見分けることはそう簡単ではありません。事実、勧誘系サークルがあると言われても、各々どんなサークルなのか新入生が具体的に知ることは難しいと感じます。
 だからといって、サークルに一切入るべきでないというのも違います。

 それゆえ、大学からの公式情報を収集しつつ、「色々」な友達と情報共有し合い、常にアンテナを張って大学生活を送ることが、最後のパターンのような想定外の事態をできる限り避けていくためには重要だと私は思います。


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