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【元塾講師】中学数学の定期テストで「平均点超え」するための勉強法

 私は大学入学後、1年ほど塾講師のアルバイトをしていました。その中で生徒さんが最も苦手にしていると感じた科目は、やはり数学。講師の求人においても、数学を指導できる先生は優遇されていることが多く、この事実からも中学生の多くが数学を不得意としていることが分かります。

 ですが、高校入試において数学はほとんど必須であり、大学入試のように私大専願にして回避するようなことも難しい科目です。そのような、非常に重要であるにもかかわらず苦手な人が最も多い、数学という科目はいかにして学習すべきなのでしょうか。


 まず、誰しも得意不得意があり、苦手なものを大の得意まで持っていくことまで求めるのはそう簡単ではないと思っています。しかしながら、赤点はもちろん、平均点に届かないと授業についていくことが辛くなってしまいます。それゆえ、もし数学が苦手な方は、平均点まで持っていくことを目標にし、数学が足を引っ張らないようにするという程度の意識をまずは持てればよいのでは、と思います。


 では、平均点に持っていくためには何が必要なのでしょうか。私は「完璧な基礎力」が必要だと考えています。ここで基礎力とは、文章題ではない、単なる計算問題が解ける力をいいます。定期テストで言うなら、最初の方にある計算問題に正解することを指します。

 ここで、私が数学を苦手とする生徒さんに指導する際に、そのような計算問題を解いてもらうと、大抵の子は「面倒くさいけどこれぐらいなら簡単だよ」と言って、決して早くはないですが、スムーズに完答してくれます。そして、8割正解しているのです。

 一見、何も問題がないように思えます。強いて言うなら「面倒くさい」と言っていることぐらいに感じます。しかしながら、重要な点はそこではなく、「8割しか正解していない」という点です。

 そう、私は数学が得意な子とそうでない子の違いとして、応用問題が解けるか否かの他に、基礎問題が満点であるか否かという点にあると考えています。

 世間的には数学ができる子は応用問題を解ける優秀な思考力を持っているからだとされがちですが、それ以前に数学が得意な子は基礎問題で滅多に間違えていません。

 なぜ、基礎問題が100%の出来でなければならないのでしょうか。理由として、数学が苦手な子が現状で一番解ける問題を落としてしまうことは非常に勿体ないことと、応用問題を解く際に基礎計算の精度が低いと仮に応用問
題の解法が分かったとしても途中の基礎計算で間違えて減点・失点することになりかねないことが挙げられます。

 ゆえに、平均点への第一歩は基礎を固めることだというわけです。では、
どのように対策すれば良いのでしょうか。単純に何事も回数を重ねれば精度も高まるので、数をこなせば良いのですが、それだけでは回答としては淡白ですので一つ具体的方法を提案します。

 私個人としては生徒さんに「朝計算」をおすすめしていました。どういうことかと言うと、起床後から通学までの間に計算問題を解くことです。教材は何でもよく、学校のワークや教科書の小問、塾の教材など何でも構いません。とにかく朝10~20分程度、今学校で扱っている内容に関する計算問題を解いてから通学すべしということです。

 これを勧める理由は2点あります。まず、朝早く眠いという最も厳しい時間帯でも問題を解けるようになれば、それよりも楽な時間帯に計算問題が解けることは確実になること。次に、朝少したりとも勉強をしていけば脳がスッキリして学校の授業も1時間目から集中して受けられることです。

 ここで、これらが簡単にできたら苦労しないという意見もあるかと思います。しかしながら、何も朝から頭を使いそうな応用問題をやろうと言っているわけではなく、あくまで寝ぼけながらでも何とかできそうな計算問題です。最初はとても大変かと思いますが、慣れてくると段々と簡単に思えてきますから、辛いのを今だけ我慢すれば、その後ずっと数学の勉強で辛い思いをしなくなると思って頑張ってみて下さい。


 ここまで完璧な基礎力の重要性とそれを手に入れるための努力の必要性について説明いたしました。打って変わって、次は今すぐできる方法です。

 それは、積極的に図を書くことです。これはよく言われていることゆえ、もう既に問題を解く際に取り入れている方は飛ばしていただいて結構です。しかしながら、既によく言われているとは言いますが、意外なことに私が指導させていただいた中で数学を苦手とする生徒さんの半分はこれまで図を書いていませんでした。

 私は数学が苦手な子によく、「苦手な数学こそ非数学的要素で勝負しよう」と言っていましたが、図に数値を書き込んだり、記号を書き入れたり、あるいは商品の絵と値段を書いたりしてみると、情報が一元化され、状況の分かりやすさは非常に高まります。

 一度、図を書かない生徒さんになぜかと聞いてみましたところ、学校で優秀な子が「図なんて馬鹿馬鹿しいから要らないぜ」と言っていたからだと教えてくれました。
 確かに頭の中のイメージだけで数字を処理できる人はそれでもいいのかもしてませんが、大抵の人はそんな能力など持ち合わせていません。その子は、図を書くことはできないことの象徴のようで恥ずかしいと思っていたようですが、全くそんなことはなく、図を使おうとそうでなかろうと、合っていればどちらも等しく正解に変わりはないです。


 最後に、基礎重視とは言いましたが、定期テストで平均点を超えた上でさらに高得点をとりたい方の場合、応用問題が解けなくてはなりません。そこで、本題とはやや逸れますが、どうすればかかる問題も解けるようになるかについても考えます。

 結論から申し上げますと、数学が苦手な方が応用問題を解けるようにするためには基礎問題のときと同様に数をこなすしかないと思っています。

 そもそも、数学が苦手である原因は、応用問題において解法に自らの発想が至らず、思考力が要求されるという点が嫌いであるからだと推察します。
 そして、私が思う数学が得意な人というのは2種類ありまして、1つは思考力が高く、ひらめきで解答を見つけ出す天才型、そしてもう1つは解法パターンを暗記している努力型です。

 努力型の人は数学的思考力が弱くても高得点を取ります。それは自らが苦手な思考力で勝負せず、膨大な数の問題をこなして解法パターンを暗記しているからです。

 そして、数学が不得意な人は数学的思考力が強くないでしょうから、天才型を目指すのは難しいです。ですから、現状数学が苦手な方は努力型を目指すべきだと言えます。

 誰しも得意科目は苦にならず、たくさん取り組む一方で、苦手科目は後回しになりがちです。ですが、毎日神頼みをしても数学的なひらめきが急にできるようになって天才型になることはありません。数学が苦手な方が応用問題をも得意にするためにはたくさん問題を解いている努力型を目指すしかないのです。

 何より高得点を取っている人たちのほとんどは努力型で、天才型の人などほとんど存在しません。ですから、全く自分がダメだと卑下することもありません。

 かかる理由から、数学が苦手な方が応用問題を得意にするにも、問題数をこなすのが安直ですが最も有効だと考えます。


冒頭写真:pixabayより


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