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【塾講師】生徒に対する季節講習の勧誘ノルマってありますか?

 塾によっては講師が生徒に対して季節講習を受講するよう強く勧めてきます。果たしてこれは、塾側の課したノルマによるものなのか、それともその生徒の事を思ってのことなのか、気になる方もいらっしゃるかと思います。

 結論から申しますと、私がアルバイトをしていた塾では、バイト講師にはかかるノルマはありませんでしたが、正社員講師に対しては事実上、そのようなノルマが存在していました。

 上記結論について具体的に説明します。
 誤解しないで欲しいのですが、正社員講師もかかるノルマを達成できなかったからと言って、何かしらのペナルティを受ける仕組みではなかったと思われます。ただ、資本主義社会ですので、どうやら季節講習の受講者数によってインセンティブが設けられていたようです。

 また、季節講習は体験講習の意味合いもありますから、一定数の季節講習の受講者はそのままその後の通常講習に移行してくれます。それゆえ、季節講習は他の塾から生徒を引き抜くチャンスにもなります。
 そのため、自社の季節講習で予め生徒の予定を埋めてしまうことで、通常講習の受講者が試しに他の塾の講習を体験しに行くのを防ぐ目的というのもあります。
 そういった意味で、正社員講師には「事実上」ノルマは存在していました。

 特に、単なる正社員ではなく校舎長レベルになると、各講習の受講者数の多寡がエリアマネージャーや本社といったさらなる出世コースを歩めるか否かの分水嶺とだったようで、人一倍気合が入っていました。

 現に、季節講習前、私は校舎長から直々に「かっちゃん(そう呼ばれていた)、○○君は結構来てくれそうだから今日はしっかり頼むよ」と言われていました。

 そう、確かに講師バイトには勧誘ノルマは一切ありません。また、勧誘に成功したからといって一切インセンティブもありません。
 それなのに、正社員とバイトという上下関係上、頑張って勧誘してくれとお願いされては断れませんから、私としては、一バイトに過ぎないのに生徒を季節講習に一応勧誘していたわけです。

 正直、私を含むバイト講師としても何も旨味のない勧誘行為などしたくはありませんでした。また、私がアルバイトをしていた塾は成績上昇率に応じた一部変動給制でしたから、貴重な授業時間の冒頭を使って季節講習の説明をするよりも、1秒でも長く授業をして生徒の成績を上げた方が自分自身のためにもなりました。
 それゆえ、私を含む役職付でないバイト講師たちは必要以上に季節講習の勧誘はせず、頼まれてもテキトーに流していました。

 このように、バイト講師には季節講習の勧誘ノルマはなかったです。しかしながら、その代わりに季節講習の出勤ノルマはありました。

 そもそも、他のアルバイトと違い、季節講習は約5日で一セットでしたから、自分の予定に合わせて柔軟にバイトの日程を組むことはできません。

 そして、いくら大学生が暇そうに見えるからと言って、長期休み中にはゼミの予定やサークルの合宿、お祭りやクリスマスといった季節のイベント等、やらなければならない(?)ことは多々あります。

 そのため、塾側としては書き入れ時にも関わらず、季節講習中にシフトに入りたがる人はいないため、暗黙の了解としての出勤ノルマは存在したというわけです。

 最後に、どのような子には季節講習の受講をオススメするかについて簡単に書いておこうと思います。

 一つ目は自分で勉強する習慣が身に付いていない子です。
 長期休み中はどうしても勉強量が減ってしまう傾向にあります。しかしながら、それに身を任せていると新学期明けにはできる子との差が更に開いてしまいます。
 そのため、私は成績があまり芳しくない子にはペースメーカとして「1コマだけで全然良いから朝一番のコマを受講しよう」と勧めていました。

 二つ目は英・数を苦手としている子です。
 英・数は積み重ねの教科ですから、前学期・学年で学習した内容が理解できていないと、次学期の授業内容を理解することはさらに難しくなります。一方で、これらの科目の復習にはどうしても時間がかかる以上、学校がある間は中々復習をするのが難しいと思います。
 また、英・数は暗記モノではないですから、独学で学習するのは大変でしょう。
 そのため、長期休み中に分からない点を潰すべく、英・数が苦手な子には受講を勧めます。


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