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大学の授業時間の長時間化(90分⇒100分)で私が感じたこと

 近時の大学設置基準改定により、大学側がより自由に授業時間を設定できるようになりました。それにより、一定数の大学では授業時間が長時間化される傾向にあります。ただし、1回1回の授業時間が延びた結果、合計の授業実施回数は減少しました。

 かかる変化の結果、大学生にはどのような影響があったのか、私が感じたことを記していこうと思います。(90分時代の話はコチラ

 まず、授業時間の「100分」化について説明しているネット記事がございました。非常に分かりやすかったので、よろしければご覧ください。
 なお、本記事が指摘している、授業時間長時間化に関する要点は以下の通りになります。

・メリット

▶ 授業回数の減少によって「休日授業実施日」をなくすことができる

▶ ゴールデンウイークや文化祭前に休日を設けることができる

▶ 春・夏休みが長くなり、学生が多様な活動に時間を費やすことができる

・デメリット

▶ 総授業時間自体は増加(90×15=1350分から100×14=1400分へ)

▶ 長くなった授業に対して学生の集中力が持続するのか

▶ 帰宅、サークル・バイトの開始時間が遅くなる

▶ 昼食休み時間の短縮(50分⇒40分)

 客観的に見ると、授業時間の100分化には以上のようなメリット・デメリットがあるようです。そして、この記事は100分授業に対して概ね好意的な意見を示しています。

 しかしながら、私個人としては、100分授業には反対です。
 まず、私が何より感じたデメリットは諸活動の開始時間が遅くなる点です。

 確かに、授業1つ1つでは10分しか延びていません。しかし、それらが重なると30分、40分という割と大きな時間になります。それゆえ、今までは3限からでもギリギリ参加できたサークルやバイトも、4限の終わりが40分ほど遅れることで、参加できなくなる事態が起きます。

 確かに、かかる弊害は、授業時間の開始を早めることで抑えることができます。しかし、授業開始時間が早まると、首都圏の大学へ北関東や房総方面などから通学している学生が、始発では授業開始に間に合わなくなり、下宿を余儀なくされるおそれがあります。
 ゆえに、授業開始時刻をそう簡単に早めるわけにもいかないのです。

 紹介した記事で記載されていました、昼食時間の短縮もかかる弊害打破を狙ったものだと思います。しかし、大学の昼食休みはどこも非常に混んでおり、現状でも授業にギリギリ間に合うレベルですから、昼食休みを短縮するのも良策とは言えません。

 また、当該記事では紹介されていませんでしたが、授業回数が減ることにより、総授業時間が増加したのにも関わらず、教わる内容量は少なくなったと感じます。

 どういうことかと言いますと、本来15回あった授業回数が1回分減ることにより、毎回の授業でその分を見越し、いわゆる以前の1回分∔α進めなければならなくなったわけです。
 しかしながら、残った10分で次の単元に入るのもキリが悪いですし、先生もその増えた10分を次の単元に充てるのではなく、別の箇所を深く説明することで消化してしまうことが多々あります。
 したがって、授業時間が10分増えたとしても、それはないに等しく、結果、学べる単元が1単元減ったような状態に陥っているわけです。

 さらに、当該記事で学生の集中力の持続が指摘されていましたが、学生だけでなく、教員の集中力・体力の持続に関する問題も存在するように思います。

 現に、私が教わった一部の先生は、100分授業になったことで、5分休憩を設けています。先生曰く、これは学生の集中力が持続しないことに対処したものであるだけでなく、自分の体力も持たないからである、とのことです。  
 実際、大学の教員の年齢層は高く、そんな事情の下、先生たちは立って話し続けることが求められているわけです。

 もちろん、かかる変化によるメリットも感じてはいます。
 例えば、授業進行予定の関係から、以前は休日に授業が設けられていることが度々ありましたが、授業回数が減ったことにより、休日授業実施日がなくなったことはすごくありがたく感じます。

 しかしながら、トータルで見ますと、やはりデメリットがメリットを上回るように感じます。

 ただ、当該記事は途中でこう記していました。

「学生たちもこの時間割に慣れてしまうと、不満の声を聞かなくなりました」

 言われてみれば、私も大学1年生のときに長いと感じた90分授業も、今はそこまでは感じません。
 同様に、私がこれから慣れていけば、そして、数年が経ち、私のような90分時代を知っている学生がいなくなれば、不平不満の声も聞かれなくなるのかもしれません。

参考・引用:早稲田、明治、芝浦工大…広まる「100分授業」の功と罪 一部学生からの“不満”と大学側の“新たな悩み”とは(AERA dot.) - Yahoo!ニュース(2023/8/31)


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