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英語はなぜ難しいか?   だけどI think

 英語を言語として習得することを目指す「英語はなぜ難しいか?」シリーズ。今回は、私が街で体験した心温まるエピソードを紹介する。


 私の横を、English speakerの男性と日本人女性のカップルが通り過ぎて行った。買い物帰りらしく、紙袋を抱えている。
 その瞬間、
 「だけど I think it's useful.」 
という男性のセリフが私の耳に飛び込んできた。

 ここまでが実際に起きたことだ。以下は私の考察・推測であり、確証はない。しかし、いわゆる「英会話」ができるようになる過程において、非常に参考になると思うので、興味がある方は是非最後までお読み頂きたい。



①なぜ「But I」ではないのか?

 
 日常会話において「But I」は頻出表現だ。

相手の意見に対して
 You say〜 But I think〜

あるいは、自分の気持ちと現実との相違を表して
 I'd like to do, but I can't.

などのように用いる。私自身、「使わない日はないのでは?」というレベルで身に染みついた表現であり、前述の男性も同様だろう。
But I think it's useful.
これで何の問題もない。

 となると、「では、なぜわざわざ別の表現にしたのか?」という疑問がわく。



②「But I」は日本人には聞き取りにくい

 まずは、コチラ ↓ をご覧いただきたい。時間が無い人は最初の2分だけでも結構だ。


 動画内で説明されているように、「t」の聞き取りは非常に難しい。単語によっては途中のtが「d」や「r」の音に変わるし、単語末のtは寸止めされる。「寸止め」とは、「話者の口はtの形になっているが、実際の音は発せられない」現象のことだ。

 実際に英語を話していれば当たり前過ぎることなのだが、慣れていないと「???」だろう。
 このギャップが、「文字を見ると分かるのに、実際の英語は聞き取れない」現象を生む。
 英語に不慣れな日本人が「バット アイ」だと思っているものが、実際には「バァイ」のように発音されるため、何を言っているのか分からなくなってしまう。




③会話相手への配慮

 
 ということで、例の男性は相手の日本人女性が聞き取れないことのないように「だけどI」という表現を選択したのだと思う。
 もちろん、彼自身は「But I」の方が言いやすいのだが、それよりも相手の事情を優先したということだ(と思う)。実際に使ってみて、相手の女性が「??」となった経験があるのかもしれない。

 これが会話において最も大切なことだ。どの言語を用いるかは二次的なものに過ぎず、何よりも重要なのは相手との意思疎通なのである。

 私は現在、多くのEnglish speakerと英語で会話している。彼らはもちろん私よりも英語に堪能であり、その経験から学ぶことはあまりに大きい。だが、当然私の英語力(英語ペラペ)では長く続かない。厳しくなったら日本語に戻すのである。

 この記事を読んでいる貴方が、「英会話できるようになりたいけど、難しそう」と感じているのならば、最初からハードルを上げなくてイイと伝えておこう。会話相手は、貴方をテストしているのではない。貴方と楽しい時間を過ごしたいと願っているのである(英会話教室の事情は知らないが😅)。

 少しづつ英語で話せる範囲を広げていけば良いのである。現在の私がそうであるように。今回紹介した男性のように、English speakerは英語を話そうとする人の味方である。


 「だけど I think it's useful.」
僅か数秒の出来事であったが、男性の温かい配慮は私には確かに伝わった。私は幸せ気分のまま、超高レートのセット麻雀へと向かったのである(← イイ話がぶち壊し😅)。

 See you again!

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