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英語はなぜ難しいか?   文法編 文型は必要か?

 英語を言語として習得することを目指す、「英語はなぜ難しいか?」シリーズ。文法編の第三弾にあたる今回は、英語学習の基礎をなす「文型」について考察する。

 日本で英語を学んでいれば、誰もが一度は耳にしたであろう、「第◯文型」「SVOC」などのアレである。一般には「5文型」が有名であるが、7文型や25文型などという分類もあるらしい。
 英文を体系的に整理するのは大変なのだ😅。

 私自身は、苦手な英語を何とかするために大学受験時代に文型把握(英文解釈、英文にSVなどをつける)の練習を山のようにしたこともあり、英語学習と言えばまず文型のことだと長らく思ってきた。

 自分の学習だけでなく、生徒にも英文解釈を指導してきたのだが、現在の私は否定的な意見を持っている。↓ のような記事を見つけた。

  
 私は「文型など無意味」とまでは思わないが、「文型を中心とした学習は良くない」と思っている。結局のところ単語を知らないと読めないのであるから、1つ1つ覚えていくしかない。


 一方で、文型として英文を捉えることによって、英文の構造(単語の並べ方)や単語の使い方を理解しやすくなる、ということは実感としてある。

 例えば、
① He got the ball.
② He got angry.
という2つの英文を考えてみよう。

 ともに「get」の過去形「got」が動詞として使われているのだが、①は「obtained」「gained」など「獲得する」の意の動詞に置き換えられるのに対し、②は「became」など「状態変化」の動詞に置き換えられる。
 これで、動詞「get」を用いる場面を2つイメージできたことになる。この他にも、「get to+場所」で「到着」のイメージ、「get+人+to+動詞」で「使役(人に何かさせる)」のイメージ ↓ もある。


 5文型表示すると、①は第三文型(SVO)であり、②は第二文型(SVC)だ。次の例文も見てみよう。

①'  I bought a new ball.
②'  You look happy.

①と①'は「SがOに〜する」、②と②'は「SがCである・Cになる」という同構造の英文である。このように文型というパターンで捉えることによって英文を理解・暗記しやすくなる。


 ここまでは、現在の私にも異論はない。問題はその先だ。

 「getとbuyがともに第三文型をとることは分かった。でも、動詞の具体的な意味は覚えるしかないではないか」「getもbuyも第三文型をとるということを覚えるくらいならば、最初から具体的な意味を覚えた方が効率的ではないか」などのツッコミが想定される。

 さらには、「get angry」の「get」も、やはり第三文型「〜を得る」と捉えてイイのではないか? という疑問も生じる。つまり、「怒りの状態を獲得する」という解釈も成り立つ。


 ・・・😅😅。結論、好きに考えてくれ。


 そもそも、文法というのは使用されている言語に後から理屈をつけたモノであり、何が正解などということは言えない。ある人が口にした英文は、既に1つの「正しい」英文であり、それ以上でもそれ以下でもない。

 しかし、「理論大国」日本では、理論的な「正解」ありきで英語教育が進められてきた。非常にもったいないことである。

 そうではなく、「この説明に納得がいくなら、理解や暗記の助けにしてくれ」という姿勢が大切だと考える。


 という訳で、今回の私の結論は、「文型で捉えた方が分かりやすい人、分かりやすい場面ではhelperとして使えばイイ」である。多くの愛読者が予想していたであろう結論🤣とともに、今回はこれでお別れする。再見‼️

レシピを見ながら料理を作る。
レシピそのものを勉強するのは、
少なくとも料理ではない。

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