見出し画像

棋神超え?

 今回は、私が将棋ウォーズにて体験した、「棋神超えの鬼手」を紹介したい。


 なお、私はウォーズ2級の実力であり、麻雀(天鳳東風六段)に比べて著しく実力が劣ることをあらかじめご了解頂きたい。
 また、塾講師の性(さが)として、将棋にあまり詳しくない読者も想定して説明している。将棋有段者の方からすれば、「そんなこと分かっているよ」と思うシーンもあるかも知れないが、そういう人は基本的な説明は読み飛ばしてください😅。



 では、始めよう。


 私(kumarin19、画像下)が先手、相手の方が後手で始まった、将棋ウォーズ10分切れ負け(一手◯◯秒ではなく、持ち時間の10分が無くなったら、即座に負け)での対局。

 先手得意(笑)の四間飛車に対して、後手が矢倉模様で対抗。後手の3八銀成に対して、87手目、先手が同銀としたのが問題の局面 ↓ だ。


互いに龍をつくり合っての終盤戦


 貴方が後手番(画像上)ならば、ココはどう指す?


 後手玉には2三金以下の「詰めろ」(あと一手指すと詰み)がかかっており、先手玉を詰ますか自玉を守るかの二択が迫られている。

 先手玉を詰ますならば、第一感は3九角だが、龍の横利きが止まり、2七玉で詰まない。その後2六歩、同玉、2五歩に対して同玉と取ると、3三桂が詰めろ逃れ(先手の龍の横利きが止まり、後手玉が詰まなくなる)になるが、2五歩には先手同桂があり、逆に後手玉が狭く(桂馬の利きで、逃げ場所が少なく)なる。

 と、ここまでは私も対局中に読んでいた。何しろ麻雀と違って(天鳳東風戦早打は、一打7秒)、将棋には考える時間がたっぷりとある。しかも、相手の方が長考(1分余りだが、10分切れ負けの将棋では長考と言ってよい)したので、私も今後の方針を(帰宅途中の電車の中で)検討していたという訳だ。


 なお、一部の読者が期待していた(かも知れない)、「詰めろ逃れの詰めろ」などというカッコイイ表現は本記事には登場しない。相手の方はともかく、私にはそんな棋力はない🤣。


 という訳で、相手の方の対応としては、もう一つの選択肢である「自玉を安全にする」を選ぶだろうと思っていた。具体的には1ニ銀・金、3一桂などを想定していた。

 この局面を「棋神」に質問(将棋ウォーズでは、対局後に有料でAIの推す最善手を見ることができる)すると、

棋神先生は、後手玉を安全にする無難な一手を推奨

 
 3一桂とのこと。まぁそうだよな。


 この場面の「評価値(AIによる形勢判断)」はコチラ ↓ 。

先手やや優勢とは言え、一手で大きく変わりうる局面


 先手である私が+555点で優勢らしい。

 私は有名将棋YouTuberのように、「◯◯点くらい優勢」などと判断する棋力はない😅が、「2三金から後手の守備駒を剥がしていけば勝てるだろう」くらいには思っていた。
 ちなみに、先生のお勧めは4一銀 ↓ で、私には理解不能だ。

棋神先生の読みでは、この後激しい駒の剥がし合いに


 ・・・。

 ここまでは、将棋を指していれば日常的に経験する現象だ。終盤の詰むや詰まざるやの局面。そのハラハラドキドキこそが将棋の醍醐味であり、上は藤井聡太八冠(前回記事 ↓ も参照のこと)から下は私のような下手の横好き🤣まで、将棋を指す理由がそこにある。

 後手が守り、先手が攻めるギリギリの攻防が始まるかと緊張の中(相手の方が長考)、事件は起きる。後手が指した手は・・・




銀のタダ捨て。絶妙手!


 何と1七銀‼️

 想像することすらできなかった妙手に、私は思わず口の中のコーヒーを吹き出した。


 王手なので対応する他ないが、2七玉と逃げるのは2六金で即詰み。他に逃げ場が無いので、同玉か同香と取るしかない。
 同玉に対しては、1九龍がいわゆる「一間龍(龍と玉の間が1マスしかない形。詰みやすいとされる)」となり危険。
 従ってここは同香と取るのが正着 ↓ だと思うのだが・・・


 1九角 ↓ 以下、先手玉は相当怖い思いをすることになる。先手の香車がいなくなったことで、この角打ちの筋が生じた。


 結局この将棋は、後手の時間切れ負けとなるのだが、私としては格上相手(私は2級、相手は初段)の将棋に勝てたことより、相手の方の絶妙手を見れたことが幸せだった😍。



 後手の鬼手1七銀の局面、評価値は・・・

一手で後手優勢に😆。ちなみに応手は同香で正解

 後手が+590点‼️ 


 先程の棋神先生推奨の3一桂 ↓ と比べると

再掲。AI推奨の手


 評価値が+1000点以上 ↓ も違う。

棋神先生推奨の手では、後手劣勢のまま


 ・・・。棋神先生、何やってるんですか😅。これじゃあ、金払ってる意味がないですよ。


 いや、ここは後手の1七銀が棋神先生を超えたと評価するべきだろう。

 銀のタダ捨てで一気に形勢逆転とか、貴方は羽生善治永世七冠ですか‼️😱

獲得タイトルは脅威の通算99期。
言わずと知れた、将棋界のレジェンドだ


 羽生永世七冠の伝説の銀捨てがコチラ ↓



 AIの著しい発達により、人間の棋士はAIに勝てなくなった。藤井聡太八冠ですら難しいと言う。
 今や、AIから人間が将棋を学ぶのが当たり前の時代だ。麻雀もそうなりつつある。

 だが、AIも気付かない(少なくとも即座には)妙手は確実に存在する。私が経験した1七銀もその一例だろう。自分では指せないけどな😝。 


 AI全盛の時代だからこそ、私は敢えて言う。


人間だって負けてないぜ‼️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?