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ポニーと川と夏合宿⑧

朝の散歩から戻ると
子どもたちが支流から水を汲んで火をおこし
みんなへ飲み物を振る舞っていた

朝から大繁盛でホットカルピスをオーダーすると
残り少ないのでと断られそうになったけれど
「そこらへんの花を摘んで持って行ったらくれるよ」とすみれちゃんが教えてくれた

なるほどとばかりに
「こちらお使いになるかと思い摘んできました!
ホットカルピスください!」と山椒の葉を差し出すと「これは助かる」と子ども店長は大変お喜びになり無事にホットカルピスゲット
いえい

今日は夏合宿最終日
さてみんな何をやりたいかの会議

ポニー! 川! 竹で工作! 沢登り!

それぞれやりたいものへ手を上げる
私はやったことのない沢登りに手を上げた

実は初日、川へ入ったとき
水の流れてくる上流がどうなっているのか
気になっていたのだ
その場所を登るんだって!やった!

水着にウォーターシューズ
リュックにカメラをいれて
しゅっぱぁぁつ

あれ?思ったより深いねここ
リュック半分、水についてないこれ?
ついてるねこれ?

最悪カメラは濡れても大丈夫とのことで
子どもたちと一緒に沢をよじのぼる
おっとこれはなかなか滑るぞ
ウォーターシューズ買って良かったぁ

「カエルがいたぞぉ」
カエルの王様みたいな
大きなカエルをツンツンしたり
魚を捕まえたぞーっと言えば
駆け寄って魚をナデナデ
木のツルがターザンロープみたいに
ぶら下がっていたり雨が降ってきたり
自然が残る豊かな川を
一歩ずつ登っていった

ねぇ、わたしさ?
ずっとわくわくしてる

到着したぞーっ

滝は結構な水量でお決まりのように
ひとりずつ修行僧みたいに打たれた
もちろん私も!

もはやスタッフではない
ひとりの修行僧だ
悟りは開けなかったけど楽しかった

帰りに地元の神さまへ手をあわせ
この土地を守ってくれている感謝を伝え
道路へでるとそこは!

時間をかけて
沢を登ったはずなのに出発地点から
数十メートルしか離れていない
狐につままれたような場所に立っていた

みんなでコメぽんへ挨拶をして
濡れた水着のまま真っ赤なトマトを
採って食べた
おお、こんなことのできるしあわせよ

それから私たちは
ポニーや川で遊んでいるみんなのところへ
向かったのだけれど

沢登りを終えた時
えーっ!これしか歩いてなかったの~っ?
と言った私に
誰かの楽しそうに言っていた言葉が
胸に残っている

「そう、パラレルワールドだよね」

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