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「幽遊白書」を読んだ。

職場の上司から借りて読んだ。
題名はもちろん、作者名も勿論知ってる。ただ、冨樫作品はこれまで一作も読んだことなかった。バトル漫画系の金字塔である印象があったが、最近ラブコメ寄りの漫画を好んで読むせいか、お腹いっぱいだった。
だが、飲みの場で「貸してください!」と言ってしまった手前、読んで返すわけにもいかず、借りた翌日に手に取った。

まず、ヒシヒシと感じられるのが当時の作風。今の漫画でも時々意識的に描かれているレトロチックな作画、コマ割り、セリフ、全てが天然モノ。なんとなく昔の作品に憧れを持つ自分にとって、凄く新鮮に感じた。
大袈裟ではあるが、タイムスリップをしたような感覚に陥る。
ページを捲るごとに、昔の「あの」画風が自分に浸透していき、いい意味で特別でなくなっていく。
ギャグの温度感についても、今の漫画よりも自分にあってる。今カマすと寒いだろうが、当時だから許される鉄板ギャグも、コマの外からツッコミを入れるなどの工夫も、本家家元といった所である。
作画だけでなくストーリーにも触れる。
ストーリーの展開、規模の拡張が好み。ここでいう拡張というのは、戦闘力のインフレというよりも、巻き込む世界の規模のことを指す。後戻りができない規模の大きさに突入するとゾクゾクする。特に、主人公そして仲間が自身の権力、強さによって対立せざるを得ない状況になる展開が好きな自分に取っては後半は痺れた。世界観の拡張でいうと、伊藤潤二作品の「うずまき」と少し似た部分を感じる。
また、メインキャラ、サブキャラ含めてキャラが憎めないのも良かった。反吐が出るほどの悪役を見るとだいぶ読書意欲が削がれるんだが、そのようなキャラは出てこず。 
メインキャラにおいては全員最強、でも個性派揃いというワンピースに類似した構成。

残念な点としては、終盤駆け足すぎ。打ち切りのような終わり方だし、ラストは幾つかストーリーを膨らませようとしたが作者の機嫌か編集の権限か定かではないが、中途半端な短編集を見せられた感じだった。
あと、ラブコメもっと見せてほしかった。。拳児と同じく、バトル漫画のラブコメほど最高のスパイスになるものはないのに、と感じてしまう。
後日談とか、別ストーリー軸で進めてほしかった、欲張りかもしれないがバトル漫画には恋愛要素入れて欲しい。

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