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人生という空虚について~映画『ノクターナル・アニマルズ』感想

2016年公開トム・フォード監督長編第2作。

◆我が目を疑う衝撃の映像でオープニング。つかみバッチリ!
◆エイミー・アダムス演じる女性はアートキュレーターなのかな?結構ハイエンドな暮らし。トム・フォードの美意識さくれつ
◆小説の中のドラマにシーンが移るのだが、内容が怖すぎて直視できない
◆いわゆるあおり運転をしてくる若者に絡まれるという、自分の身にも降りかかる可能性がある地獄
◆こういうのが一番いやだよ
◆娘がいる親という立場になると余計刺さる
◆自分が彼だったらどういう立ち振る舞いをするか考えてしまう
◆やっぱり車降りるしかないのか・・・
◆名前を呼ばれても草むらに隠れたまま出ていかないジェイク。俺もそうする。情けないけど
◆現実と小説の境目の作り方うまいよね。『ちょっと思い出しただけ』をちょっと思いだした
◆全然違う内容ですが。。。
◆エイミーの若いころと現在の顔の違いはCGで何かしてるの?そうでないなら芝居とメイクの技量がものすごいんだけど
◆マイク・シャノンかっけー!急に西部劇
◆余命まもない設定はさすがに急だな
◆「REVENGE」の強烈なグラフィック。クリストファー・ウールのようで書体が若干違うけど誰の作品だろう?
◆かつて恋人に惹かれたポイントとまったく同じポイントを嫌いになってしまう
◆忌み嫌う母に似ていく娘
◆小説内ドラマのトニーはヘタレで泣き虫で最後までいいやつだな

夢をあきらめてキュレーターになり金持ちの妻におさまったスーザン(エイミー)。不遇の時期を過ごしながらも夢を追い続け叶えたエドワード(ジェイク)。ただ彼女はその彼の決断を幼稚な感性と切り捨て今も蔑んでいる感じも受ける。この小説も暇つぶしに読んで”あげている”くらいの不遜さを感じる。
だからこそあのラストが痛快に映る。
口紅を落として指輪を外し出会ったころのような自分を演出して元彼に会ってみよう(誘われた側だし!)という彼女の卑しい心の底を見透かすように、当日姿を見せないエドワード。
いや、ひょっとすると遠くから見ていたかもしれない。そして夢を諦めハイエンドな暮らしをする彼女、嫌悪し反抗していた母に結局は似てしまった彼女の姿を憐れんでいるのはエドワードの方かもしれない。
彼女は空虚なプライドを積み上げ続けていることに気付くだろうか。
それを気付かせるためのディナーの誘いではなかったか。
そのメッセージを読み取っただろうか?
そして鑑賞者たる私たちにも同じ問いを投げかけてくる。
あなたの人生はそれでよかったのか?と。
ショービズやアートビジネスの本質を知りつくした監督ならではの、深い余韻を残して終わる素晴らしい1本でした。

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