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旅情さそう貴婦人:SLばんえつ物語

■ 越後と磐城をむすぶ夢の鉄道
 2022年7月2日。私はこの日、越後新津と磐城会津若松を結ぶ鉄道「SLばんえつ物語」に乗車しました。父の出張にお供した新潟と福島の旅です。

 「SLばんえつ物語」は、1999年4月26日からJR東日本の磐越西線の新津→会津若松間で、蒸気機関車C57形180号機が牽引するグリーン車・展望車・売店付きの臨時快速列車。
 牽引期のC57-180は、今から76年前、1946年の8月8日に三菱重工業三原製作所にて製造されたc型の蒸気機関車で、車軸配置2c1、動輪直径1750mm、最高時速100km/hを誇る旅客運用向けの蒸気機関車です。1937-1947年に201両が製造されました。
 有名なD51形蒸気機関車(通称デゴイチ)に対し動輪が大きくかつボイラーが細く見え美しい女性のように見えることから「貴婦人」の愛称で親しまれています。鉄道ファンからは「シゴナナ」とも呼ばれているそうです。このバランスのとれたシルエットがたまりません。

■ シゴナナの展示・保存機
 現在西日本においても同形式の1号機が動態保存されていますが、故障により復帰のタイミングが読めず復活の見通しが未だたたずにいるそうです。  
 さいたま市の鉄道博物館には135号機が展示されており、12:00と15:00に汽笛吹鳴、転車台実演が行われています。ちなみにこの編成は、日本で最後に残った旅客用蒸気機関車の記念すべき1編成でもありました。

スクリーンショット (16533)

津川駅にて給水、投炭作業中のC57 180

■ 磐越西線の車窓から
 C57形の概要はさておき、この日は朝5時に自宅を出発し父の車で新津駅まで向かいました。高速道路から見える日本海の景色が美しかったです。
 ばんえつ物語号は、新津駅を10:03、2番線から発車します。私は、新津に9:30に到着、発車までの間、駅弁「SLばんえつ物語弁当」を買込み、乗車しました。
 ほどなく列車は出発、列車内には赤いレトロな郵便ポストがあって、私は母と祖母あてに、車内からハガキを出しました。
 列車は、阿賀野川沿いに渓谷を走ってゆきます。天気は最高、周囲は深い緑に包まれていました。沿線は、子供連れや鉄道ファンの方々がいて、手を振ってくれました。先頭部で記念写真を撮っていたりとにぎわっていました。
 沿線にたなびく、機関車の煙が、いっそう旅情をかきたてます。

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■ SLばんえつ物語号 4号車の展望室にて
 営業速度は平均45km/h、最高60km/hでなかなか軽快な走りを見せてくれます。さすがはC形(旅客用)機関車です。
 ちなみに現在修理中の同型1号機は山口線内の臨時快速SLやまぐち号でさらに高速の80km/h運転をしております。
 一度はその限界走行を味わいたいものです。
 列車は、津川駅で給水作業。山都駅で給水作業。そののち、会津若松駅に13:35に到着しました。

■ 田季野のわっぱ飯
 会津周辺には、喜多方ラーメンなどグルメスポットがたくさんありますが、会津駅から徒歩30分のところに、会津地方特有の食であるわっぱ飯が食べられる田季野があります。
 私が食べたのは、サケ・イクラ・カニ・タケノコ・山菜などが入った美味しいわっぱ飯でした。
 鉄道の旅は、こうした食文化にふれることも楽しみのひとつです。

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