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『 マラソンランナー 』

ウルウルと、陽だまりの〈角〉が
ヒルスベニア産の格子構造を持つ
身を天空の〈サンザシ〉に置く
遠浅の海水浴場の焼ける砂は
ひび割れたカナダの大地の砂の
天人の衣はひるがえる、するすると
都会の馬たちの声がひたすらに鋭角に
神秘する金属製馬体の土星号令の
突然の驚きは
百の号令のその始末すれば声のただ乗り
ゴンズイの評論のコタンの響きの
あわいあわい蛭の吸い付いている
陶酔の机の上の昼顔の
定められた足跡の木霊するカプセル
その大部分は性懲りもなく
近くでコンクリートを打っている
わたしは商店街のマルチバースに飲み込まれ
さらには、その頃のヨーロッパの擬態
私達の洗濯ものは乾きにくいのである
星型のクッキーのようなものが町に溢れていた
その形質は蘇鉄の葉の堅さで
いきなり真実の味わいとする
ヨーロッパの都市の石畳の古く擦り減って
あいにくの雨のような日曜の公園へと
人々は避難する、翳り行く川岸の方へと
スケルツォ、南の大陸の熱風のひどくて
シンバルを多用する楽曲の喉飴のような苦しみ
ヒバリは空へと消えてしまっている午後
なんびとも表情筋に出しはしない
車道を走るマラソンランナー
ひとつの実験である
ゴールするまでの
〈トール〉、引っ掻き傷の路面の防水
バランスを取る人々の応援する歌声は
キャラメルのようにとける
空箱から
いきなりの。