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2022/5/31『胞子』

見てごらん、続落する株価
平安の都の牛たちを育てた男たちの生活
見上げてごらん、神々の歩く空の窪地
ペルシャには広がる大地の、香料の都
スズランとカシオペアと絹の糸、黄色い蚕の繭の
頃、本質的に飛ぶことのない生活を続けている
あらすじはわかったから、強固なストーリーの破壊
された、転換された方針のために
電気ウナギたちが川底で密議する冬の頃
橿原の巨木の選定された神の木の立ち姿
オールキャストでさびしさの極致へ行く
ヒジャールの包み隠さずに伝えておくれ
今日の日の小倉山、三笠の山のこもりくの
よみがえり、わたしは言うだろう、神々の宝石の
物質転換装置のわたしの頭のノミたちはさわぐ
町は昼下がりの情事の
そこらじゅうから聞こえるあえぎ声の犬たちは吠える
岸和田の駅前の宝石商の妻たちも、犬をしかり
店の奥からあらわれて、しかっている
しかるときに、かかるときに、景色のためにボルサチーノ
用意周到の頑丈な壁をつくる
君は僕の足を踏み倒し、あきらかな満月の頃
強行されたアバンチュールの最後の砦
はじかれて、人々は街の通りへ出て
ひからびた日輪の
黒い・ひかり・あぐらをかいて・ぼうずがしゃべる
ひからびて、ひずみを、まじかにみる、こころたのしい
日々はかすかに遠のく
らら らら 文字に書いて 空はうすくらく
むりにする 変貌の 文字の 空のかたがわへ
らら らら 本質的な 興味はつきる
落日の落下
そしてきらめく
胞子たちの。