世界の常識は日本の非常識


世間の常識は永田町の非常識、という言葉はありますが。

日本にどっぷりいて海外に行ったことの無いものはいくらネットで記事拾っても実際はわからないとこ多いのだ、やはり。

ドラコ・マルフォイ役のトム・フェルトン氏が親日家になった経緯のYoutubeを今更ながら見た。

そこには私の頭の中に????がいくつも並び、正直信じられない話が転がっていた。

マルフォイは(あくまで個人的見解)人間の小憎たらしい、妙にイラッとするような要素、大物ではなくて小物、というような、おおよそ人が相手に対して敵対心を持つほどではないけどなんとなく小賢しくていやに思うところを寄せ集めたような性格の役で、顔が妙にハンサムなところも手伝って、非常にそこのところの素養が匠に出ている、秀逸な演技だった。
それが仇?となったようでどこに行っても人気がなくて、さらに酷いことに寄せられるレターはヤラれてしまえだとか、もっとひどいと家に爆弾を仕掛けてやる、だの強迫まがいの手紙もあったとか。

トム・フェルトン氏は人間ができていて、夢を壊してはいけない、と特に反論もせずに受け止めていたよう。

それがハリーポッターが世界でも人気が出て、主役三人だけではプロモーションに廻りきれなくなって、日本へのプロモーションへはトム・フェルトン氏に白羽の矢が立った、とのこと。

自分は嫌われ役だからどこに行ってもずっと歓迎はされないと思っていたら、日本での歓迎ぶりに感激し、そして親日家になった、とのことだった。


ちょっと待て。確かにハリーポッターのマルフォイはかなり嫌われる役である。自分の近くにいたらさぞかし嫌だろうと思うくらい、人の駄目な部分がちょっとずつ合わさったような性格していると。

が、それは、あくまでもマルフォイというキャラクターであってトム氏の人柄ではない、当然。逆にいうと同一視されてしまうくらいの秀逸な演技力の高さの賜物、それを凄いと感動するのが本当だろうに、配役されたトム氏本人に嫌いだの、やられろだの、挙げ句の果てにトム氏の実家に爆弾投げ込むなんて強迫、有り得ないでしょ!

先進国であるイギリスでそれ?!
嘘でしょ。

日本にも昔は悪役と俳優さんが同一化されてどこに行っても石を投げられた、なんて話聞いた事はある。

でもそれはかなり昔の話だぞ。
感覚的な記憶しかないが、子どもならいざしらず、私が10歳くらいの時ならば世間の大人達は俳優と役の同一化なんて全く無かったぞ。悪役商会なんていう、悪役専門の強面ばかり集めて、それを売りにしている集団もあるくらい。

日本はアニメ文化が発達していて、魅力的な悪役がリスペクトされる文化が根付いているから、マルフォイも受け入れられたなんて解釈もあったけれど、これも感覚的なものでしかないが、日本は私の子供の頃にはもう勧善懲悪の話はあまりなかった。
ウルトラマンにしても仮面ライダーにしても、デビルマンにだって敵役だったけど憎めなかったり、人類側の非はないのか?みたいな視点の話があった。

完璧な人間はいなくて、誰もが自分の中に悪になりうる要素を持ち、それに飲み込まれないように、みたいな話がたくさんあった。

だから誰もが悪役になる要素があるのだから、役柄が酷いイコールその役の役者の性格も酷い、なんていう視点はほとんど持っていない。

ハリーポッターって2001年初公開。私30代だぞ。

実はハリーポッター自体はそんなに観ていない。テレビで、何作か見ただけ。
だからトム・フェルトン氏の逸話も最近知ったばかりなのだが、なんていうか、世界のレベルの低さと言ったら語弊があるだろうか。

役柄と同一視されていなくても悪役の俳優だからだからプロモーションに来ても嬉しくない、ということだろう、それは。

正直、理解出来ない。

あまりハリーポッターを観ていない、ファンとは言い難い私でも、トム・フェルトン氏と街中で偶然したら、サインと握手と写真を最低でも望むぞ。
間違っても来るな!のような対応なんて考えられないぞ。何故そう思う?!

トム氏の感激のあまりのその後の日本に対する義援金などは、いやいややり過ぎですって思ってしまった。(あくまで個人の感想)

ワールドラグビー初日本開催の゙時。対戦相手である各国の応援をするなんて、と非常に感激されたのだが、相手の健闘を称える、というもの、日本(人)にしたら結構当たり前の感覚。


この感覚は世界では非常識だったんだ。


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