声優になろうと十数年有した挙げ句挫折した私から端的に簡潔に断言します。条件は３つです。

１：音感、リズム感
２：滑舌の良さ
３：読解力

この３点です。

他に細かいこと挙げればキリがありませんが、この３点あればなれる可能性は高いでしょう。逆に言うとこの３点のうち１点でも欠けていると
かなり厳しいと思っていいでしょう。

挫折した私が言っても説得力はないかもしれませんが、挫折したからこそ見える視点というのもあるかと思い、今回執筆してみました。

１：音感、リズム感の良さ

声優さんは多分にもれず、歌が上手いです。今も昔も変わりません。又日本語は知っての通りイントネーション、音の高低の言語なので、現場でもよく「その言葉頭高（アタマダカ）だよ」と言われたりします。こんな時に、一発で直せるかどうか、つまりは今自分がどんなイントネーションで発しているかを把握している必要があります。
某有名声優さんは某アニメのオープニングの曲をレコーディングした際、一発でOK が出た、という逸話があります。

２：滑舌の良さ：

早口言葉は教材として有効ですが、正確に流暢に読むというのが正解です。当然ですが、何を言ったのかわからない、ではセリフの意味がありません。字幕があるわけでもなく、ましてやリプレイするようでは面倒でいずれ誰も見なくなります。

３：読解力

時には長台詞だったり、あるいはナレーションを読んだりすることもあります。その中にこの文は一体何を言いたいのか、ということを読み取る必要があります。そしてそれが第三者に正しく伝わるように言い回しに変化をつける、これがメリハリのある文章の読み方になります。　

これらは訓練すれば身につくものもあります。どうしようもないものもあります。

私的な見解では、この３点、大体２年くらいで把握して、克服できなければ、諦めたほうがいいと思います。
私がなぜ十数年も続けたかというと、始めに（その後も）学校に通ったのが週イチだったからです。本当に行きたかったところ（候補２校）は週５日や週３日で基礎２~３年間だったので、トータル７年くらいみたからです。その後もあれもこれもとしているうちに十数年経ってしまいました。

演技力は？と思った方いると思いますが、実は演技力とは、この３点を理解、把握して、使いこなせた先のものです。

✦滑舌補足
お腹から声出せ、とはよく聞く指導の一つですが、マイクによく通る声の出し方で又、しっかりした滑舌はお腹から声を出さないと結局のところできません。総じて声のいい人は滑舌もいいはずです。
口を閉じて唇だけを震わせたり、巻き舌などがお腹から声を出す感覚です。あの状態で声を出すのです。

ちなみに私は巻き舌苦手です。舌の奥に余計な力が加わっているからで、喉の奥、ひいては鼻に問題があります。ここまで来ると耳鼻科にみてもらい、手術が必要になることもあります。

似た理由で、歯並びの悪い人も矯正が必要になることもあります。要は「正確な発音で通る声」が出せれば問題はない、ということです。

そのあたりが問題なければ後は発声の仕方の癖の問題なので、２年もかけなくても矯正されるはずです。

✦音感補足
カラオケ上手い人に他なりません。子供声、大人声使い分け、なんてものは、自分が出せる音域を把握し、子供の声だったらここからここまでの音域を使う、とすればいいのです。

ほとんどの人は、高音域になると声が裏返ったりするのですが、稀に声質の変わらない人がいます。例を上げると旧ドラえもんの声を当てた大山のぶ代さんや旧タラちゃんの声を担当した高家堂子さんです。役が固定されやすいですね。　
私的なことをいうとこれも苦手でした。訓練してある程度はマシになりましたが、同時に自分には出せない音というものがあることがわかりました。これも喉の構造上の問題だそうです。この人もそうじゃないかというのを見聞きした、という記事も以前あげました。

それから音が取れない、というのは耳の問題もあるので、やはり耳鼻科案件ですね。

✦読解力補足
本を沢山読む、これに付きます。もちろん漢字の読み方と意味を覚えるのは必然。これは悲しんでいるのか、喜んでいるのか、怒っているのか、又、場面場面、役によってそれぞれ違うわけでそれを汲み取らなければいけません。
たまに会話中に見当違いな、トンチンカンな話する人いませんか？そういうことじゃないんだけれど、みたいな。
当然、一緒に仕事する人を苛つかせます。二度と仕事は回ってきません。

こうして並べてみれば、私は無理だったよな〜と思います。イカンところ無視してたな。今始めるとしたら鼻の精密検査と手術からだな。

元声優志望｜とみはじめ　(富一慧保　トミハジメケイホ） #note https://note.com/04tomihajime13/m/m58a5245faf54