小さなオルゴール 青ブラ文学部
おばあさんが小さなオルゴールを開けたのは久しぶりでした。
オルゴールは鳴りません。もうずっと前からです。
修理に出すのは嫌でした。
このオルゴールを作ってくれたのは、亡くなったおじいさんでしたから。
修理に出すと、おじいさんのオルゴールではなくなってしまう気がするのです。
オルゴールは宝石箱でもありました。
確かにおばあさんの宝物が入れてありました。それは宝石なんかではありません。
おじいさんとおばあさんの結婚式の時の写真。少しセピア色に変色していましたが、二人の愛と、二