見出し画像

ゲームマーケット2021秋の新作その1「ウマシカルタ」のご紹介♪

今年度のゲームマーケット2021秋で頒布予定のゲームを紹介させて頂きます(*'▽')!

少量だけ先行販売してます💡

https://or-u-boardgames.booth.pm/

「ウマシカルタ」って、どんなゲーム?

ウマシカルタはその名の通り、カルタのような瞬発系ゲームです。

「せーの!」で各自選んだ情報カードを1枚めくり、すべての情報に合致する1枚のカルタカードを早取りします。

このゲームではテーブルに並んだ24種類の子馬や子鹿やその間の子(!?) から、1枚を選んで誰よりも早く取り、取ったカードが得点になります。

特定条件が満たされるとゲーム終了となり、その時点で最も点数の高いプレイヤーの勝利です!

画像1

↑こんな感じのカルタカードを取り合います💡

どの子を取ればよいのかを決めるのは、プレイヤーの皆さん自身!

頭、模様、尻尾、アクセサリの4種類の情報カードの組み合わせで取るべき子(カード)が決まります。

画像2

どんなところが楽しいゲーム?

ボードゲーム作りは2年目の駆け出しなので偉そうなことは言えないのですが、ゲームって、「楽しい」を生み出す装置という側面がとても大事だと思うんです。

このゲームを作る時に、どうやって「楽しい」を生み出そうと考えたのか、自分の備忘のためにもここで書かせていただこうと思います(*'▽')

1.このゲームの「楽しい」を生み出す、人間側の要素

難しい書き方をしましたが、人が「楽しい」と感じるのはどんな時かを考えてみると、その条件の一つに「何らかの欲求が満たされる」ということがあるのではないかと考えました。

そこで「ウマシカルタ」の楽しさを解説する視点として、「欲求」という軸から見ていきたいと思います。

ちなみにこのゲームで刺激しようと考えた欲求の一つ目は、「獲得欲求」です。

・獲得欲求をどうやって喚起し、満たすか?

獲得欲求を刺激するには、「欲しい」と思わせる対象と、それを得るための程よい「ハードル」が必要です。

ゲームの目的がカードの獲得なので、ゲームに参加したら自動的に「欲しい」対象は存在することになります。そのため、このゲームでは「ハードル」の設定を考える必要がありました。

そこで、手軽にハードルを生み出す方法として、「各プレイヤーが1種類の情報を持ち同時に公開する」という方法を採用しました。この方法によって、探し始めるスタートが全員同時になるため、「早く取らなくては無くなってしまう」という状況を作りました。同時にほかのプレイヤーと競うことになるため、これが獲得のためのハードルになります。

また、獲得欲求は獲得したものに価値があるほど刺激されます。

実はこのゲームのカルタカードには若干の価値の差があり、基本的にカードは1枚1ポイントなのですが、頭・模様・尻尾がすべて馬または鹿になっているカードだけは2ポイントになります。これによってカード間に価値の差が生まれ、2ポイントのカードを取る際にはさらに獲得欲求が刺激されます。

ここまでは通常のカルタ取りでも実現されている内容です。次に、このゲームならではの工夫に触れたいと思います。

それはこのゲームで私が刺激しようと思った2つ目の欲求「自由欲求」です。

・自由欲求にも触れてみた

自由欲求とは、「自分の自由にしたい」という欲求です。このゲームでは、最初から情報の一部を、パーツごとのカードとしてそれぞれのプレイヤーが担当します。例えば”頭”パーツを担当するプレイヤーは、”馬”か”鹿”かを選ぶことができ、それによって取るべきカードを全体の1/2まで絞ることができます。さらに”アクセサリ”パーツを担当するプレイヤーは”リボン””羽””アクセサリ無し”の3つから選ぶため1/3まで絞ることができます。

※担当するパーツはラウンド毎に時計回りに移動します。

このように、「ヤマを張るための部分的な選択権」という自由を得ることができるため、そのヤマが当たってカードが取れると、「自分でコントロールした」感覚によって、さらに楽しさがアップするという仕組みになっています。

その他にも、プレイヤー同士で競うゲーム共通のものとして、「愉楽欲求(みんなで楽しみたい)」「優越欲求(勝ちたい)」「競争欲求(競いたい)」「親和欲求(ほかの人との交流を深めたい)」といった欲求が刺激されます。

では、欲求を満たしさえすれば楽しいゲームになりやすいかといえば、実は難しい部分もあり、例えば勝つことができれば満たされる優越欲求も、負けてばかりでは損なわれてしまいます。

2.”欲求が満たされないこと”をどう回避するか?

複数で遊ぶゲームでは、あまりにも一人が勝ちすぎてしまうと途中で楽しさが損なわれてしまいますし、このゲームのように軽いゲームでは、冗長になると楽しさが損なわれてしまいます。

・1人が勝ちすぎないための工夫

工夫の一つとして、最初にテーブルに並べるカルタカードの向きは6枚ずつが東西南北それぞれの向きになるようにしています。これによって自分の目の前にあるカードは把握しやすく、ほかのカードは把握しにくいという偏りができます。これと、情報カードの選択を組み合わせることですべてのプレイヤーに有利・不利のばらつきが生じるようにしています。

また、冗長性防止のために終了条件を設けています。

このゲームの終了条件は、「すでに取られたカードが指定される」という状態が2回訪れることです。つまり、情報カードの組み合わせが全く同じになるという状況が2回発生したら、2回目の回までを行い、終了します。

ちなみに、すでに取られたカードが指定された場合は「場の真ん中に手を置く」というアクションをとります。そして最も早くそのアクションを取った人は場に残っているカードから好きな1枚を取ることができます。つまり、最後にカードを取るプレイヤーはほぼ確実に2ポイント得ることができ、逆転の可能性が発生します。

実はほかにも色々な場面を想定して細かな工夫の結果として最終的なルール・ゲーム構成になっているのですが、ひとまず楽しさに関する工夫について主だったところはこれくらいで。

最後に、このゲームを作った目的とか、遊んでほしい場面について書いておきたいと思います。

作った目的とか、遊んでほしい場面

このゲームを作った目的は、「自分の子供たちとも遊べるゲームを作ること」でした。そのため楽しさを損なわないよう注意しつつ、ゲームのルールをシンプルにして、子供でも感覚的に分かるように文字情報を入れないようにしました(一部の情報カードに"or"をのこしてしまったことを悔やみ中ですw)。また、カードにはカラーがついていますが、色依存もないので、色覚が弱くても問題なく遊べるようになっています。

親子で遊ぶ際には手加減もしやすく、例えば子供だけが先に情報を見て、時間差で親が情報を見るという方法でも遊べます。

では大人同士ではどうかというと、実は突き詰めるとこのゲームでは高度な能力も要求しており、

「取られたカードがどの組み合わせだったか」

「自分が担当するパーツでどちらを出したほうが有利か」

「どのパーツを出すとゲームを終了させて自分の点数を守れる確率が高いか」

「他のプレイヤーが出しそうなパーツの予測」

といった検討をしながら場に出す情報カードを選ぶと、本格的な頭脳戦の様相を帯びてきます。

どのようなメンバーでも楽しめるような作りを心掛けましたが、やはりまずは親子や友達同士で楽しんでほしい作品です。仲の良い友達同士で、「これは読んでた!」「そのパーツ出すと思った 笑」とワイワイしたり、親子で「そこにあったのかぁ!」「よく探せたね!」と子供の成長を感じたりしながら遊んで頂けたら、作者としては最高です(*'ω'*)!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?