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猫と出逢ったときのこと。

数年前、猫好きになった。

どちらかと言えば犬好きで子供の頃に飼っていたことがあるし、大きくなってからなぜか生き物全般(特に虫など)が苦手になって、ペットを飼うつもりはなくとも、もしも飼うなら犬だろうと思っていた。

きっかけは病気で仕事を長い間休んだ後に仕事復帰をすすめていた頃のこと。
休んでいた時からのウオーキングが休日の習慣になっていて、ある日、小川沿いにある公園のベンチでひと休みしていたら猫が膝の上に乗ってきた。
本当に急なことで気づいた時にはすっとよじ乗ってきていて、これまで猫に触れたことがほとんどなかったから戸惑うしかなく動けずにいたのだが、猫はそんなことをよそに心地よさそうにしていて。
「ごめんね。(エサとか)何もないよ」と言っても目を閉じていて動かない。
黒白の少し丸っこい猫。
恐る恐る撫でてみたらこちらの手をなめてきた。
舌の感触が犬より少しざらついてる気がした。
何だか困ってしまいしばらくそのまま固まっていたら、ふっと膝から降りて何事もなかったかのように去っていった。
太ももにかすかな暖かみを残して…。

こちらも先を歩きだしながら、あれは何だったのだろうとずっと気になっていて、予定していたコースを折り返し地点まで歩いた帰り道、さっきのベンチの近くの川沿いの草むらにまたその猫がいるのを見つけた。
何となくその近くの斜面に腰を下ろしたらまたも近づいてきて膝に乗ってきた。
「だからごめんね、エサとか持ってないよ」と言っても目を閉じて心地よさげにしている。
仕方なくまたも恐る恐る撫でてみたら柔らかな毛が心地よく犬とはまた違う感じがし、そもそも猫に触れるのもなめられるのも初めてだと気づいた。

そのうち小川の流れの音に交じって微かに何か低くくぐもったような音が聞こえてきた。
はじめは何の音か、どこから聞こえるのか判らなかった。
漫画のふきだしとかで見たことはあったが本当にこんな音を立てるんだとは。
人生初のぐるぐる。
低くてどこか心地いい音…

よく見たら片方の耳に切れ込みがあった。
後から思えばそこは地域猫スポットの近くで、この子は食事を求めて間違えて乗ってきたということなのだろう。
当時は地域猫とその面倒を見るボランティアなどのことも知らなかったから、ただただ驚いていて撫でて伝わってくる暖かみと体格の割にきゃしゃに感じた骨の感触が印象に残った。

以来、ウォーキング中に今まで意識していなかった猫を目にすることが多くなり自然と猫に会えるスポットなども知るようになった。
この猫にも何度か会い、その度に撫でさせてくれたので勝手にこちらを認識してくれたと思っていたが1年半ほどして見あたらなくなってしまった(野良猫などの寿命は数年ほどらしい…)。
併行して他にも見かけたり触れ合う猫ができたりし、時々ぐるぐるを聞かせてもらってもいる。

そのうち同じベクトルで猫の本や雑誌が目にとまるようになり、あれこれ読んでいるうちに、いつの間にか猫を飼いたい、というか一緒に暮らしたいと思うようになってしまった。

諸事情でいまだに飼えずにいるが、初めの頃はとにかく飼うならと妄想が拡がり、猫種にこだわったりしていろいろ調べ目の色と毛並みなどに惹かれたロシアンブルーに決めて名前までつけていた(^^;)
その後猫にまつわることを知っていくにつれ、猫種へのこだわりがなくなり、今は保護猫や飼い猫の子どもの里親になどと思っている。
でもできれば茶トラかキジトラがいいかな。
とにかくはいつか一緒にと思って(願って)いる。

#猫好き
#猫と暮らしたい
#ねこにはかなわぬ


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