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禅に学ぶ

最近仏教に興味が湧き、本を読んだり仏教学者や僧侶の方々の動画を拝見させていただいております。その中で、心に響いた教えです。

禅の修行で行われる四料揀(しりょうけん)

①「奪人不奪境(だつにんふだっきょう)」
まず自分というものを完全に否定する。叩き壊す。
頭を下げ続けさせ、叱り続け、それまでに積み上げてきたものをすべて奪う。

それだけでは、言いなりになるだけの主体性のない人間になってしまうので、次の段階がある。

②「奪境不奪人」(だっきょうふだつにん)
普段、どれだけ叱られっぱなしであろうが、坐禅を行う時は、例え禅堂の隅っこであろうとも天下の主になったと思って坐る。自分が主人となり、自分で様々な工夫をする。

それでも、そのままでは自由が効かない、言動に嫌味が入ってしまう。

③「人境倶奪(にんきょうぐだつ)」
周りの環境もルールも無い、坐っている自分すら無い。もう、外の世界も我もなくなったところを体験する。無に徹したものは強い。

そして、そこにもとどまらず次の段階へ行く

④「人境倶不奪(にんきょうぐふだつ)」
人も境もともに生かす世界。何も否定しない、我も人も大いに生かし合う、お互いを認め合う。

私はこれまで、禅に触れた事がありませんでした。
でも、この四料揀を知った時、これは日常の暮らしや会社生活にも通ずるなあ、と感じました。

①「奪人不奪境(だつにんふだっきょう)」
新入社員時代、何一つ満足に出来ない現実から、それまでに積み上げてきた考え方や知識を真っ新にさせられた。組織人として、社会人としてのあり方を叩き込まれた。

②「奪境不奪人」(だっきょうふだつにん)
やがて、大きな仕事を任されるようになる。まるで自分が一人前になり、己がこの仕事を一番分かっているのだ、と自信満々で仕事する。

③「人境倶奪(にんきょうぐだつ)」
仕事を続けていると、周囲や自分の事に対する感覚がなくなって行き、何時間も集中が切れない時がある。少し高揚しながら、すべての道筋が浮かんでくるような感覚を体験する。

④「人境倶不奪(にんきょうぐふだつ)」
自分のスタイルは意識しつつ、他人が大切にしているやり方も理解し、お互いの良いところを出し合って、よりレベルの高い仕事へと進化する。

そしてステージが変われば、再び「奪人不奪境(だつにんふだっきょう)」となり、新たな環境で自分を活かすために、自分の積み重ねたものへのこだわりを捨てる。

人と接する時、相手が今どの位置に居るのかを理解すると、接し方が見えてくる。そして、この四つのあり方を、自由に行き来出来れば、とても豊かな人生になると感じました。


自分を自由に生きるために
自分を一度捨てる必要がある

無意識に身についた自我から自分を解放する事で、世の中や自分を正しく見る事が出来るようになる。

正しく見る事が出来れば、生きづらさや苦しさは減っていく。そう実感しています。

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