見出し画像

息をしやすくなる為に。タバブックスの「仕事文脈」を読もう。

表題で全てを言ってしまったと言う感じではあるが、本当に僕はそう思っている。

引っ越し前に、前々から気になっていたリトルプレス系の出版社タバブックスさんの本を書店で見つけた。

何故気になっていたかと言うと、本のタイトルが個人的に刺さるものばかりであったから。「あたらしい無職」、「失われた賃金を求めて」、「生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義」、「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」etc.
ある程度の折合いをつけながら、今の仕事を受容しこなしているものの、「うーん。なんなんだこれは。つまらな過ぎやしないかい?」的な感情がすぐによぎってしまう自分には、何か金言があるのではと言う本が多数あるタバブックスさんの本は非常に魅力を感じていた。

その中ではシリーズ化している特集本が「仕事文脈」である。
最新号のvol.20を買い、ページ数も読みやすく、内容も面白過ぎた為、アーカイブを買いまししてしまった。(ジュンク堂池袋店で7〜8冊買いました。)

各号それぞれに特集内容があり「悩み、うざい」とか『お金文脈」、「ことばはどこに行く」とかがある。(最新号は家族×仕事)

それぞれの号に特徴はあるものの、総じて自分が感じたのは色々な人間がいて、色々な仕事をしているんだなと言う事。また働いていない人もいるんだなと言うこと。

平静を装いながら苛烈な日常を乗りこなしている人達が、世の中には大勢いて、どのようにしてやりこなせているのかそれが自分にも再現可能なものではないのかと言った風に受け取ったりしています。

また、継続的に連載?執筆されている方々の文章が素晴らし過ぎて、まじでこうゆう人達が評価されろよって思っていたりもしています。
(太田さん、小松さん、兼松さん、辻本さん、チサさん、etc.)
※お前はなんなんだって思われたらすいません。上から目線とかではなく、自分もあのような文章を書きたいという憧れ的な意味を含んでいます。

この「仕事文脈」シリーズの中でも最後にコラムを書かれている、タバブック代表の宮川さんの記事も本当に素晴らしい。

vol.20「家族×仕事」では特権と怒る権利について、男性と女性。同じような内容を言ったとしても、受け取る側は違った印象を受けてしまう世の中はなんなんだろうか、自分も常々考えてしまう。生まれた時からの社会に蔓延しきったジェンダーバイアスなのか、それを無意識の内に受容し、内面化してしまったことが原因なのか、過去にも政治家の恐ろしい発言や、大学側の女子受験生への一律減点、都立高校でも同じようなことがあったし、近々では自民党の会合で配布のLGBT差別冊子の件や、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ報告では日本は調査対象の146カ国中116位だった。

このようなことは挙げればキリがないのだが、所謂日本企業の男根至上主義的な構造にNGな人間は多いのではないかと自分は思う。(自分がそうであるという事もあるが。)

過去にやってた価値観、時代の流れと共に間違った価値観のまま来ている男
たちは権威という肩書きしか誇れるものがないのではないかと思う。(そうでない人もたくさんいるし、一部の偏った価値観を持つ男を指す。)

自分たちの領域が脅かされるとき、尊重されないときに激怒となって噴出する。東大の男は尊敬されて当たり前、胸の大きい女子高生漫画を癒しにして何が悪い、〜
あなたは恵まれていた、それが当然と思うのはこれまでの差別環境のせい、不幸や不平等のもとにあった特権を奪われて怒る権利はない。そんなことに怒りを使うな。

仕事文脈 vol.20 家族×仕事 コラム 特権を奪われて怒る権利はない 宮川真紀より

僕は男であるただそれだけで優遇されてきた歴史を深く知る必要がある。
それは現在進行形で続く問題でもあり、本当に少しづづではあるが変化もしてきている過渡期の状態でもある。

僕自身このマッチョでホモソ的な枠組み・構造から降りたいし、自分が落ち着ける場所で仕事がしたい。

そのきっかけや思考を与えてくれるのが、この「仕事文脈」である。

この本があるおかげで、なんとか息継ぎが出来ているはずだと僕は思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?