ダブり〜1限目〜F

俺はルートへ向かった。

とある雑居ビルに着くと、1階にはバイクや
自転車が置いてあり、10人位がたむろしている。この2階にあるゲーセンだ。

「ユウくん、珍しいですね。」
「ゴウさんに用事ですか?」
と、その内の1人が俺に声をかけてきた。

俺は、
「ちょっとな。てかゴウはいるか?」
「あと、テマエとシマキも」

「みんな、上に居てますよ」

「そっか、わかった」

俺は階段を登り中へ入った。

本当ここの空間は俺には合わない。
タバコの煙で空気悪い。
まだ、パチンコ屋の方が心地良いかもしれない。
やはり、今は電子タバコだろ?

すると
「ユウ!」
ゴウが俺を呼んだ。
「1人か?今日のデートは楽しかったか?」
と俺をからかう。

俺は受け流す様に
「あぁ、楽しかったよ」
と返した。
「それと、さっきまでタイケ達と一緒だった
から」
「お前にも会いたがってたぞ」

ゴウは
「そっか、みんな元気か?また、ライブ誘って
くれよ」
「それはそうと珍しいなお前がここにくるなんて
何かあったか?」
と、聞いてきた。

「お前が、来いって言っただろ?」
と俺は言った。

「なぁ、シマキとテマエに話たい事があるんだ」
と言うと、ゴウは隣に居た奴に呼びに行かせた。

「あっ、ユウさん今日はよく会いますね」
「さっきはどうもっス」
とシマキが言った。
俺は、
「こっちこそ。助かったよ」

「ちょっとお前たちに頼みたい事があるんだけど聞いてくれるか?」

ゴウが席を離れようとしたが俺は
「ゴウも聞いてくれ」
と言うと
「そのつもりだ。その前にコーヒーでも買おうかなと思ったから」
「お前も飲むか?」
と、言ってコーヒーを買ってくれた。

俺はエトウの事を話した。

「実は、俺のクラスにひきこもりの奴がいる」
「ほっとけばいいのだが、
         今回はほっとけないんだ」
「そんな時にお前達の地元がそいつと一緒だって知ったから何かわからないかな?と思ったんだ」
「力貸してくれないか?」

シマキとテマエは、ゴウの顔を見た。

するとゴウはこう言った。
「わかった。お前の頼みだ。2人を貸してやる」
「お前達、調べてやれ」

「了解っ!」
シマキが言って2人は早速出て行った。

テマエが立ち止まり
「ユウさん」
「この件片付いたら1年の女の子紹介
             して下さいねぇ?」
とテマエが言った。
こっちの方が面倒臭い事になりそうだ。

「ゴウ、悪いな」
と俺が言うと
「いいよ、後輩の頼みを聞くのが先輩だろ?」
と、またチャカしてきた。
「でも、この件の代わりに1つお前に協力して欲しい事がある」

やっぱり来たか。と俺は思った。

「わかった。で何を協力すればいい?」

すると
「お前、チームジョー知ってるだろ?
最近かなり悪さしてるらしいんだ。今日ボコった
奴もチームジョーの傘下らしい。」

俺は言った。
「ミナミがそんな事しないだろ?」
「そもそもミナミがそんなくだらない事は、絶対許さないだろ?」

その問いにゴウは
「俺の感だが、ミナミは知らないと思う」
「だが奴の事は深く知らない」
「だけど今日の奴が言ってた話によるとチームジョーがかんでる事は間違いない」

俺は言った
「じゃー直接ミナミに聞くか?」
ゴウは
「いや、聞いても知らないって言うだろう?」
俺は頷いた。
ゴウは続けて
「もしかすると誰かがそうやって俺たちとモメさせる気かもしれないなぁ」

「そんな事あるか?」
「でもお前らの世界ではあるあるな話だな」
「じゃーそのセオリーで行くと
          黒幕はヤマデラとか」
俺は言った。

するとゴウは笑いながら
「だったら話は早いんだけどな」
とヤマデラでは無い事はすでに知っているかの様な言い回しだった。

「で、俺は何を協力すればいい?」

ゴウは
「ムラマツ。コイツを調べて欲しい。」

俺は
「お前、マジか?」
「ムラマツって、ヤクザだろ?」
「調べるってどう調べるんだ?」
「お前達の方がすぐ調べれるんじゃないか?」
と、俺は遠回しに断ろうとした。

ゴウには考えがあるようだ。
「ユウ、俺らディズニーはこの策にハマってやろうと思う。そしてついでにミナミも潰す」
「だから、俺らが奴らに踊らされてる間に黒幕を見つけるんだ」
「俺は名前が売れすぎた。だから下手に動くとすぐに気付かれてしまうだろ?」
「お前が信用出来るし適している。」

また面倒事が増えた。
でも、ゴウには今まで数えきれない程借りがある
俺は、エトウの件もあるしこの話に乗る事にした

「でも、あまり無理はするなよ」
とゴウは言った。
俺は
「当たり前だろ!?あくまで出来る範囲だけな」
と言った。
そして少し雑談をした。
久しぶりにゴウと話した気がする。

「じゃーそろそろ帰るわっ」
と俺は言った。

「ユウ、これもあるあるだな
     なんかのドラマで見た感じだろ?」

「んな、ドラマあるか!?」
と言って俺はルートを出た。
               1限目Gにつづく


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