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全裸監督 第3章 要約

第3章 1億円(台湾で部下と20日間豪遊した総額)
札幌オリンピック開幕の年、1972年。千葉から北海道に渡った経緯は不明だが、オリンピックが契機になったようにも読める。英会話教材とテープレコーダーをセットで売り、買ってくれた人に教室で英会話を教える仕事を始める。独立開業の野心。「札幌イングリッシュ・コンパニオン」という英会話学校の開業。

事業は軌道に乗り、2度目の結婚(相手は英会話教室の秘書)。当時ベトナム戦争の米軍脱走兵が多くいたので、その脱走兵を安く雇っていたが、不法就労のため入国管理局から警告を受ける。そのため英会話学校を閉校。教材として売っていたテープレコーダーが余ったため、プレイヤー・ラジオも付いたアタッシュケースに入れてセットで販売し始める(クラリオン製、7万)。当時は簡単に録音・再生できるものがなく売れた(セールスのコツは、相手の肉声を吹き込ませて目の前で再生させること。自分の肉声を聞いた人が感動して買ったらしい。月500台も売った)。友人と共同経営(札幌・函館・室蘭・釧路に営業所)。

1978年(30歳)、百科事典営業時代の友人が喫茶店のテレビゲームを紹介したことがキッカケでゲーム機3台を130万で購入(現金がなかったのでテープレコーダー130万円分をまとめて買ってもらったことにして、信販から金を調達。実際は売っていないので詐欺スレスレ換金術?)。ゲーム機を自衛隊基地周辺の売店において商売を始めた(1年間で3億の現金と2億の機材があった)。ゲーム機の百円硬貨回収のエピソード(道内30店舗、2tトラック15台でかき集めた)。

運命の出会い(1980年)。東京/晴海の国際玩具見本市。新型ゲーム機の買い付け。展示会を見終わった夜、歌舞伎町に遊びに行き、アダルトショップ(大人のおもちゃ屋)で「ビニ本」(女の裸の写真集)と出会う。当時は刑法175条でヘアの露出は取締りの対象。これを北海道で商売にすることを思いつく。ここから、刑法175条と激しくせめぎあう人生が始まる。

ビニ本の誕生秘話。発祥は神田神保町の芳賀書店。社会科学・芸術系の硬派出版を手掛けていたが、2代目芳賀英明社長がたまたまアダルト系雑誌を店内に置いたところ、よく売れた。エロは売れる。棚のエロの割合が増え、客が立ち読みするようになるのを防ぐため、商品にビニールを被せて置くようになった。すると、中身が見えないことが客の好奇心を煽り、余計に売れた。芳賀書店はこのビニ本の売上で靖国通りに8階建ての自社ビルを建設するまでになる。

ビニ本・裏本草創期のエピソード(高田の馬場、ビニ本制作会社/グリーン企画に中澤慎一が入社)。
★中澤慎一経歴(神奈川大学経済学部、在学中に友人の女性にヌードモデルの仕事を紹介することをキッカケに、女性のスカウト、モデルの斡旋を仕事にする。結婚を機に安定した職を求めてグリーン企画に。中澤はこのグリーン企画を経てセルフ出版で編集、白夜書房・コアマガジンを創業する)。

ちなみに、グリーン企画の社長は山崎紀雄(のちの美少女系AVメーカー宇宙企画、英知出版を創業、日本のヒュー・ヘフナーと呼ばれる)。
★山崎紀雄経歴(東京藝大の受験に失敗。立正大学仏教学部卒、日本文華社(現ぶんか社)に就職。1年8ヶ月で退社し、モデル事務所を経営。投資話に乗ったところ詐欺にあい、借金を返すために森下信太郎から金を借り、グリーン企画の社長になった。独特の美少女哲学と美意識を持つ。

セルフ出版とグリーン企画は同じビル内にあり、松尾書房の社員だった森下信太郎が経営。グリーン企画にはデザイン担当の末井昭がいた(末井はのちに白夜書房から「写真時代」「パチンコ必勝ガイド」という雑誌を立ち上げる)。これらのことから、森下→山崎→中澤・末井という組織の上下関係か。サブカルチャー列伝(白夜書房・英知出版・宇宙企画)にも読める部分。

1980年。村西とおるはビニ本の小売りを画策。テープレコーダー時代の部下/ミツトシと北海道で開業(北大神田書店/地元の有名大学と東京で一番デカい書店街を組み合わせる発想)。正味75日で48店舗(開業費1.5億円、ビニ本購入費5千万)。過剰な拡大路線。この2年後には、ビニ本・裏本の帝王として全国に販売網を作ってしまう(北大・九大・名大・阪大・広大)。

当時はビニ本を卸値400円で仕入れて1,800円で販売。裏本は1~3万で密売(ぼろ儲け)。写真もどんどんエスカレートして、ビニ本から裏本(1981年、地下出版された非合法のヌード写真集)に移行。グリーン企画の中澤に裏本制作の依頼をしたが断られ、別の編集プロダクションを紹介されたりした(その時に制作したのが当時の時事問題を絡ませた「性器の対決 フェラチオランド戦争」)。

裏本制作は神保町のワールドフォト(裏現像所、裏製版屋、裏印刷屋がやっていた)。ビニ本・裏本市場の7割近くの製造・流通・販売を担うまでになる。しかし、同時に摘発の危険性も高まっていく。いつ捕まるかわからない中での台湾豪遊、台湾人ヨーコとの出会い(ヨーコの子供まで出来た)。そして、台湾から帰国した羽田で逮捕(本人は警察に毎月600万近い賄賂を渡していたので、絶対捕まらないと思っていたが)。

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