見出し画像

窓からの景色

入院4日目
順調に快方へ向かってる。
体の神秘、私達は生かされているんだなぁと、
病室から窓の景色を見てつくづく思う朝。

お腹に不調を感じたのは日曜日の夜。
仕事から帰って食べたのはハンバーグとコロッケのお弁当。直後からお腹に違和感を感じた。今までもたまにあることなので、あまり気にする事なく、また一晩寝れば治まるでしょうと早めの就寝。すると夜中に時折腹部の痛みを感じ始めた。
 痛みが酷くなりつつあるので、翌日近所のお医者さんへ行く。エコーで診る限り異常なく、それほどお腹も張っていないと「食あたり」ではないかと先ずは診断され、30分程度の点滴でお薬もらって帰宅。しばらくは良かったのだが、夜中から朝にかけてまた痛む。かなりの痛み。もう一度同じ医者に様子を話に行くと、また同じ治療のみで帰らされ、その夜中激痛になった…七転八倒とはこのこと。救急車を呼ぼうかとも思ったけれど、恥ずかしさもあって、とにかくもう一晩絶えた。

これは食あたりではない
自分でそう思い始めた。

激痛の中、三度通院!やっとレントゲン撮影…

「腸閉塞」との診断となる。

医者は「診断を誤って悪かった」と詫びて、すぐ大病院の自分の後輩とされるドクターに紹介状を書いて電話も直接かけてくれたけど、早くレントゲン撮影さえしてくれていれば2日も自宅で激痛を我慢しなくてすんだのにと悔やまれる。早速その足で大病院へ…自力運転で車を走らせ20分程の病院。診てもらった結果が「緊急入院」となる。

病室に案内をされて、これでやっと横になれると
頭上を見上げたら、何やらラミネートされた看板が掛けられていた。

私の入院生活がスタートだ。

言われなくても何も食べたくないし、何も飲みたくない!食べ物の画を見るだけで吐きそうになるし、実際何度も吐いた。

治療がスタートする
"安静腸管治療"

点滴治療である。腸を休ませる、とにかく腸を安静にとのこと。点滴の薬は何かと聞いたら「水みたいなものよ」「ポカリスエット??みたいな?」と看護師さんが微笑んで教えてくれた。丸一日過ぎると便通があった!入院するまでお腹破裂しちゃうんじゃないかと思うほどガスが溜まってぱんぱんになってたお腹なので少しでも出るとホッとした。嬉しかった。そして体の神秘を感じざるを得なかったし、医療の力を感じる瞬間でもあった。

 入院はずっと点滴とレントゲンの繰り返し。間に採血あったり…日に日に良くなっていく実感を味わう。体の中で細胞が動く。動かしてくれている。まるで、体の中に心臓や肺や胃や腸といった多くの職人さんがいて、毎日一生懸命働いてくれているといった感じがする。今回腸は、ご主人様に過度な労働を課せられ、疲労困憊で倒れたという具合なのだろう。申し訳ない。
 そして、一生懸命に回復に向かって頑張ってくれていると、食欲が少しずつ出でくるではないか。あんなにニ度とハンバーグは食べない!とお腹を抱えて苦しんでたのはつい数日前、そのハンバーグでさえ食べたくなってくるではないか。体の神秘、不思議なものである。

 今朝入院4日目にして、初めての食事が出た。入院前からの腹痛で、実際に何か口に物を入れることが6日ぶりだ。いわゆる流動食。汁物ばかり… 重湯、具のない味噌汁、お茶、ミルク、野菜ジュース。「食事ができるんだ」それだけで嬉しくなって一人でニヤニヤ笑顔になった。そして、平常すっか忘れていた「いただきます」をちゃんと丁寧に手を合わせて「ごちそうさまでした」も同じ様にして言った。ずっと笑顔の自分がそこにいた。

やはり、これが生きる基本なんだ
幸せを感じられる基本なんだ…

 もうしばらく入院は続くが、このまま行けば、最初に言われた予定より早く退院できそうである。それもこれもドクターと看護師さんと、その他医療に携わる方々のおかげ。あなた達がいるから私達は安心して暮らす事ができる。スーパーヒーローです。頭が下がるばかり、ありがとうと心から感謝を伝えたい。

窓から外を見ると、今日も青空だ
秋なのに少し暖かい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?