見出し画像

僕がデザイナー新卒採用に心燃やす理由

(6月5日更新)
Twitterでの嬉しい反響にお答えするかたちで、末文に採用担当者の方々ならびに学生の方々への想いを添えました。ぜひこのnoteをご一読されてから目を通していただけると100%伝わる内容となっております。

5/25に「Cybozu Summer Meetup ‘23」という25卒のデザイナーを目指す学生向けオフラインイベントを弊社オフィスにて開催しました!

結論から先に述べると、オンラインが主流になったご時世でオフィス開催というチャレンジングな選択を取ったにもかかわらず、参加率8割越え・イベント満足度98%と大変やりがいあるイベントで幕を閉じることができました!

そして最近、デザイナー新卒採用を担当されている方々とお話すると「サイボウズさんの取り組みに注目している」と言っていただく機会がありがたいことに増えています。

僕自身、デザイン業務の傍ら、この学生向けイベントに特別な熱い想いを持ちながら企画運営を主導してメンバーを巻き込んできました。今回はその舞台裏や想いなどを綴っていこうと思います。

自己紹介:飛田 和浩(@0b1tk
22新卒。kintoneのデザインとエンジニアリングを両軸サポートするデザインテクノロジスト兼UIデザイナー。デザイナー新卒採用は"支援"という立ち位置で、カジュアル面談・イベント企画・登壇執筆をしています。

(6,000字あるので太字だけでも追っていただけると2分ぐらいで読めます)

きっかけは”就活機会の平等”を目指して

デザイナーの新卒就活スケジュールは、みなさんが思うよりもずっと早くはじまります。サマーインターンの多くが5~6月で応募を締め切るため、就活生はポートフォリオ制作に励んだり、合同説明会などで企業と初めて接点を持つのがこの時期です。

こちら有志でサマーインターン情報をまとめてくださっているので、デザイン業界のインターン情報を追いたい方はぜひご参照ください!

とはいえ、春先から就活エンジンフルスロットルな学生は氷山の一角です。企業サイドもそれは理解していて、サマーインターンを通して「ウチで働くこと」の解像度を上げたり、デザインスキルを高める機会にしてほしいと思っています。

しかし、2019年から5年間ほどデザイン業界に身を置いてきましたが、例年変わらない就活における社会的課題があると感じています。
それは「サマーインターンに参加できたかで就活難易度が大きく変わってしまう」ということです。

サマーインターンに参加するメリットはたくさんあります。

・デザイナーとして働くことの解像度が上がる
・その企業の企業風土や内情を体系的に知れる
・社員のみならず横のつながりもできる
・ポートフォリオ作品が充実する
・企業にとってもポートフォリオでは見えないひととなりや一緒に働く姿を想像しやすくなる

一方、デザインに興味を持ったのが最近だったり、波に乗れなかった学生は大きく出遅れてしまいます。

そして不幸なことに、他企業もおおよそ同じことを考えているのが現状で、”優秀”な学生はさまざまなインターンに参加して機会獲得できるけれど、同時に機会格差も広がり年々二極化が激化しているという課題意識を個人的に持っています。

※ デザインスキルや努力が目につきやすい方をここではあえて世俗的表現で”優秀”と呼称しますが、素晴らしい才能を秘めた方をたくさん見てきた経験上、この二元論的表現を僕は好きでないことを尚書きとさせてください。

僕は入社以来ずっと「夏も始まってないのにこんなところで挫けてしまうのはもったいない。もちろんサイボウズに興味を持ってくれれば御の字だけど、それよりもデザイナーを目指す学生が1人でも多く夢を目指せるように、現場のデザイナーと話したり、ポートフォリオをプロ視点でブラッシュアップできる機会提供をしたい」と考えていました。

そしてご時世柄・時期柄を鑑みて、実現可能なこのタイミングでイベント開催に踏み切ったのでした。

サイボウズの新卒採用スタンス

Twitterでイベントを呼びかけるにあたり、僕は「ウチに興味なくてもいいです!」と強調してきました。
こんな突拍子もないこという企業は前代未聞だと思います。「なんでサイボウズさんってそんなに利他的なんですか?」と他社さんも疑問に思われるかもしれません。でも僕は本気でそう思ってます。

というのも、就労経験がない学生さんたちが、現時点で解像度が上がってないのなんて『当たり前』なんですよね。

どんなことをしているか・デザインの立ち位置・どんな業務か・一緒に働くメンバー・チームの目標・それに対して自分が活躍できそうなこと…どんなに外向け発信が活発でも、会社に入ってみないとわからないことなんてごまんとある。

新卒採用に注力できる企業は、潤沢な採用活動費があるビッグネームが社会構造上どうしても目立ちがちです。
だから学生時代はどうしても「どこの会社に入るか」に盲目的になりがちだし、自分の存在価値が揺らいだり、得意なことを無理に見出そうとネームバリューに目が眩むこともあるかと思います。僕もそんな1人でした。

しかし、いざデザイナーになって業界を見渡せばすぐに、自分が井の中の蛙であることに気づくはずです。現場で活躍する素晴らしいデザイナーは各所に山ほどいます。表層的に見えているキレイな部分だけをなぞって企業を選んでしまうのはすごくもったいないと思うんです。

本当の意味でカルチャーフィットを目指すのであれば、画面越しよりも、目の前の「あなた」と腹を割って直接対峙して話してみたいというのが、僕がいま大事にしているスタンスです。

そして、サイボウズで新卒採用に関わるメンバー全員が、組織的なマニュアルがあるわけではないのに、このマインドを持っていると感じています。
当日いらっしゃった参加者のみなさんも薄々勘づいていたかもしれませんが、「この人のためになることをしてあげたい!」という気立てがいいメンバー揃いなのが、サイボウズの特徴です。

そんな企業姿勢を、2021年にReDesigner Awardにて「Most Valuable Partner賞」として表彰していただきました。今もそのスタンスを脈々と受け継いで、採用活動に勤しんでいます。

> 特に注目すべきは、応募時点での学生ステータスを問わず、全ての学生に平等に機会を提供する姿勢です。
> 誰もがデザイナー就活に挑戦できる門戸を開き、デザイナーを目指す全ての学生の努力・歩みを止めない取り組みは、まさに文字通り"学生一人ひとり"に真摯に向き合う活動であり、ここに表彰いたします。

「Goodpatch社主催「ReDesigner Award」にて「Most Valuable Partner賞」を受賞しました」


僕も「シャケ理論」で入社を決めた

実は僕もそんなサイボウズの企業姿勢に惹かれたのが入社の決め手のひとつでした。

イベント内ではお話しきれなかった部分なのですが、内定承諾のときにマネージャーから「シャケ理論」と言われたのを今でも鮮明に覚えています。

「別にいまサイボウズを選ばなくてもいいよ。いつかキャリアを積んだり、何かの巡り合わせでウチとご縁があったり戻ってきてくれればいいなと思ってる」

なんて器量が大きいんだろうと思いました。
僕のデザイナー就活は決して順風満帆ではありませんでした。サマーインターンには苦戦したし、蛇行と迷走を繰り返しながら自分のデザインキャリアと向き合い続けてきました。そんな自分のことを認めてくれたここで、もっと頑張りたいと思ったんですよね。

デザイナーになるまでの長い道のりで僕のことを気にかけてくださった方々には、今でも頭が上がらないです。自分がそうしてもらったように、頑張っているひとの背中を押せる存在になりたいというのが僕の行動原理です。

まわりの就活も落ち着いたタイミングを見計らって書いたポートフォリオ記事も、根っこには「自分も苦しんだ分、初学者を応援したい」という気持ちで筆を取ったものでした。

なので、イベントに参加してくれた25卒の方々が将来デザイナーになって「あのイベントで飛田さんから声かけてもらったな」なんて1人でも思い返してくれたら光栄だなぁ……なんていう淡い期待をどこかで描いています。

まずはデザイナーになる心の灯火を絶やさずに前を向いて就活に臨んでほしいと切に願っています。


イベントで実際にやったこと

正直特別なことはしておらず、パッションのみで動いてきました。
ただし肝に銘じていたのはUzabaseの平野さん(@hiranotomoki)からの教えで、昨年自分も登壇させていただいた「SaaS Design Conference」の主催経験から「もしイベントを開催するときは、高い熱量を持った1人が早めにチームを巻き込んで主導しろ!」というお言葉をいただき、僕もその行動原理を大切にしています。

1. 参加者を募る

最初は参加者が2名で「これイベントとして成立するのか……?」と疑心暗鬼にもなりましたが、イベントコンテンツには自信があったので集客に注力しました。

愚直に100名以上のポートフォリオに目を通し、関東近郊でサイボウズをもっと知ってほしい方へ1人1人理由を添えてメッセージをお送りしました。
これは僕がどうしても手を抜きたくなかった部分で、自分も学生時代に直接お声かけいただいたのが嬉しかった記憶があり、再利用可能な文章ではなく誠心誠意向き合う姿勢を大切にしたかったからです。
(関東でない方々は本当にごめんなさい。オンラインイベントも今後参加予定です!)

また、接点のある24卒の方々やReDesigner for Studentの田口さん(@kzm_tgc)にお声かけして、呼びかけをお手伝いしていただきました。
僕だけではリーチしえない方々まで届けることができたのは皆さんのおかげです。この場をお借りして感謝申し上げます。

そんな草の根活動もあり無事開催の目処がついたので、準備フェーズに力点を移していきます。


2. サイボウズを100%体感してもらう準備

せっかく関心を向けてもらえる場があるのなら、サイボウズを余すところなく伝える工夫に取り組みました。

まずは学生の皆さんにとって、普段触れているtoCスマホサービスよりも縁遠いBtoB SaaS(ビジネスパーソン向けの自社開発するWebサービス)へのハードルを下げるために、難しい言葉や概念を使わない資料再編成をしました。
これは今年のインターンでも実際業務で扱っているkintoneのUI改善をお題にするので、学生目線でもきちんと伝わっているかの壁打ちとなりました。

また、会社や製品以上に知ってほしかったのはチームメンバー
各製品に関わる17~22卒、学生と目線が近い23~24卒、経験豊富なキャリアデザイナーなど、多様なバックグラウンドを持つメンバーが当日参加してくれたことで、参加者にとっても聞きたい話を誰かしらが必ず答えられる状態を実現できました。

参加メンバーの自己紹介が壁に貼られ並ぶシート
フリートークでも声をかけやすくするための自己紹介シートを用意

そしてイベントを成功に導くことになった最大の肝はファシリテーションに来てくださった田口さんの存在でした
当初は弊社単独イベントでしたが、新卒採用における学生と企業の両サイドの観点を理解してくださっている田口さんにご協賛いただけたことで「サイボウズに興味なくても全然いいよ!」という公平性を担保したスタンスを名実ともに成立することができました
また当日の急なオペレーション変更にも柔軟に対応してくださったおかげで多く救われました…


熱心な学ぶ姿勢に心打たれたイベント当日をふりかえる

ここまで入念な準備をしてきましたが、とはいえリアルイベント。足が遠のく気持ちも理解できるので「正直半分くればいいかな…」と思ってました。
しかし遠方で参加希望を出してくださっていたけれど来れなかった方を除いた全員がイベントに足を運んでくれただけでなく、応募締切後も飛び入り参加まで申し出てくれた方もいて感無量でした

当日の会場の雰囲気。

さらに驚いたのは、イベント満足度が98%だったこと。
集客のイベントをやったことある方ならばこの数字の重みがきっと伝わるんじゃないかと思うのですが、不備なく無事終えることができ・かつ満足してもらえたのは企画者冥利に尽きます。

ただ僕は数字よりも、一人一人の学生さんがポジティブに持ち帰るものがあったことの方がはるかに嬉しいです。
きっと当日不安でいっぱいだったと思います。会社に足を踏み入れること・ポートフォリオを見せること・来る前は「どこかで評価されてるんじゃないか?」と肩に力が入ってしまったかもしれません。

なかにはポートフォリオが未完成でも見せてくれたり、選考でこちらからお祈りをお送りしたにもかかわらず傷つくのを覚悟で何が足りなかったか成長したく足を運んでくださった方もいました。ものすごく勇気が必要だっただろうなと、実直な姿勢に胸が熱くなりました。

参加してくださった方々からのありがたい声もたくさんいただきました。

「正直場違いだと思いながらきたけれど、デザイン学んでいる方々と初めて交流してポートフォリオなどを見せてもらったりして刺激になった。またデザイナーからポートフォリオのフィードバックをいただけてとても貴重な機会となった」

「テーブルが少人数で分けられていたため学生同士でも濃い話し合いができました。ポートフォリオ相談も的確にアドバイスいただきサマーインターンまでの道筋が見えました」

「イベントに参加して、サイボウズさんのこともデザイナー就活のことももっと好きになりました!」

サイボウズのファンを増やせてたら恐縮ですが、まずはデザイナー就活しかり、社会ってそんなに悪くないよ!というのが伝わってればいいなと祈っています。

もちろん数年ぶりのオフィス開催で気づいた学びや反省点はすでにたくさんあるのですが、次のイベントに向けての糧にできればと思います!
改めましてご来場いただいた学生の皆さま、ありがとうございました!

・・・

ここまでの長文にお付き合いくださりありがとうございます!
最後に2つ宣伝だけさせてください!

まずはじめに、もしサイボウズに興味を持っていただいた方は「Cybozu Internship 2023」にぜひ来ていただきたいです!
こちら二次応募締切が6月19日(月)23:59までとなってます。

これは毎年言っていますが提出するだけ無料なので、ひとまず出してみてほしいのです。
全員をインターンに参加させてあげたい気持ちは山々ですが、参加枠が限られている都合上、もしかしたら希望を叶えられず傷つけてしまうかもしれません。
しかし、弊社はデザインの腕っぷしだけで決して判断しないのと、就活経験がなくて肩に力が入りがちなことも新卒経験者として痛いほどわかるだけに「だからこそ悩んでもしょうがないことは企業判断に委ねて就活してみない?」というアドバイスを残します。

無論イベントに来ていただいたり、ここまで長々noteを読んでくれた方々、そしてファンになってくださった方々をファンで終わらせないために、僕たちも引き続き邁進していきます!!

・・・

もうひとつ、23・24卒採用も引き続き募集しています。

25卒向けイベントが増えてきて焦る時期かなと思います。しかしまだ焦る時期では全然ないです(サイボウズは通年採用をしています)
ご自身の納得いくタイミングでご応募ください!

採用情報


(6月5日 追記)
このnoteを公開したあと、Twitterでデザイナー採用界隈から嬉しい反響があり、多くのコメントやDMをいただきました。
採用支援の立場となって見えた景色と、学生のときに目指していた景色の乖離を少しでも埋めたくて筆を走らせたわけですが、きっと他社のデザイナー採用担当者の方々も日々悩みながら寄り添っているんだなとこの立場になってわかりました。採用担当者に共感していただいたり、学生の方々にもこの想いが響いていれば幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?