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どこまでが経費となるのか 〜税理として、チュートリアル徳井さんのケースを考える〜

どこまで経費となるのか
(税理士として、チュートリアル徳井さんのケースを考える)

出ましたニュース
脱税か否か!?悪質性はあったのか!?
いろいろ言われていますが、
3年間も申告をしていなかったとのことで、これは仕方がないでしょう。
ただ、会見を一部みていて気になったことがあります。
・個人旅行を兼ねた?海外旅行を経費に含めていた
・時計も経費に含めていた

よく聞かれます。
「どこまで経費に入るのですか?」と。
この点を改めて考えると、以下の3点が大きく影響してくるかと思います。

1.事業関連性
2.同業の同じような立場の方々がどの程度、経費としているか
3.収入と支出のバランス

1.事業関連性
これは言わずもがなです。
家族でもしくは身内だけで使用するためのなにか、や事業に関連性のない支出は経費にはなり得ません。
また、事業以外でも使用する可能性がある物品の購入も基本的には経費となり得ません。

例:プライベート用の携帯代金、個人な食事代金、個人的な旅行代金、事業ではまったく使用せずプライベートで利用すると思われる電化製品 など

2.同業の同じような立場の方々がどの程度、経費としているか
あまり好きな表現ではないですが「赤信号みんなで渡れば怖くない」理論です苦笑。
よく聞かれるのが「スーツ」。
仕事のために着ますから!
仕事以外ではほとんど着ていません!
スーツはダメなのはわかりましたが、ビジネスバックはいけますか(知り合いの社長は経費でいけたらしい!)
などなど・・・。

僕はいいんです。
税務調査で否認されるのは社長なので。。
ただ、ほとんどの場合、スーツは否認されます。
これは他の同業の方々が否認されているから、です。
事業関連性がないとも言えないとは思います。僕もスーツをきますし、心情的には経費にしたいです。
でも、ダメなんです。
過去の裁判判決で、スーツはだめ、という判例が出てしまっていて。。
過去のダメだと判決が出ているものを覆すことは本当に難しい。
ショービジネスをやっている方など、限定していないと難しいです。

3.収入と支出のバランス
個人的にはこれが一番大切です。
収入2,000万円、なのに支出が3,000万円。。。
それはおかしい。
どう考えてもおかしい。
そのような損益計算書(PL)を出されると、いの一番に「社長は預金はいくらおもちなんですか?」と聞きたくなります。
あくまでも支出は、現在もしくは将来の収入を得ることを目的にかける費用です。
将来のための支出です!というケースもあるかと思います。
それが説明できれば違和感ありませんが、そうでもないような支出内容(例えば、今後のビジネスプランを検討するための海外視察です、年10回)だと、個人的には経費としての信憑性を疑います。
というか、人としての判断に疑問すらあります。
あくまでも収入と支出のバランスを考えることは、適正な申告だけではなく、事業運営の観点からも必要な要素になってきます。

[余談]
車両がなぜ経費として認められるのか。これは個人的に疑問です。
社長でも仕事以外で使っている人が多い気がするんですけどね。。
おそらくこれは、「2.同業の同じような立場の方々がどの程度、経費としているか」に関係してくるような気がします。
社用車なら高級車でなくても良いだろ、と思う点もありますが、経費性を否認されるケースは少ないようです。
但し、以下のようなケースでは否認もされていますのでご注意を!
・複数台を法人名義で所有し、すべて経費計上
・不動産所得しかないのに車両を所有し明確な運用実績を説明できていない


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