燈幸

思考と感情の標本箱。

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  • クソデカ感情

    好きなことを好きって言う。

  • 青空夜空

    天石未来と藍川翼、その周辺の人々のお話。時間列は考慮されていません。日常系。

  • 春告花

    菊崎知冬と桜井海音の話。小説家になろうやTwitterからの転載。出掛け先での体験をネタにしています。

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単発話まとめ(短編)

noteで上げてる小説とも言えないような超短編で続編のないものの寄せ集め。 身近にある食べ物の成分表記すら読み尽くしても読み足りないようなときにでもどうぞ。 独白的な何か。 水槽の中の人魚。 境界線。 天気に嫌われてる二人。 米津玄師「死神」をネタにした話。 米津玄師「駄菓子屋商売」をネタにした話。 「死神」のおまけみたいなもの。 死

    • 痛み痛みに痛みに痛み。あまりに痛いとき睡眠に逃げてきたせいなのか、眠くなる。眠気というよりどうしても目が閉じたがって、そんな体につられて意識が溶けていくような。

      • 滑らかなノートの紙は僕の語ることの全てを受け止めてくれるし、ブルーブラックの色は僕の心に寄り添ってくれる。 確かなものに思える。思わせてくれるだけ救いである。

        • 君の面影を見た

          忙しい日々と体調不良の日々が繋がった。 家事が間に合わず、生乾きのバスタオルが部屋の物干し竿に連なっていた。うちにあるバスタオルは、そこにかかっているもので全てだ。 一番小さいバスタオルがまだ湿っぽいとはいえ使えそうだったのを確認して、浴室へ。 シャワーを終えてそのタオルに手を伸ばす。たくさんの猫が描かれたその中の一匹と目が合った気がした。 でんと横になった茶トラの猫。なんだか「やれやれ、仕方ないな」みたいな顔をしているような気がした。 そのタオルは、一人暮らしを始めた頃に

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        単発話まとめ(短編)

        • 痛み痛みに痛みに痛み。あまりに痛いとき睡眠に逃げてきたせいなのか、眠くなる。眠気というよりどうしても目が閉じたがって、そんな体につられて意識が溶けていくような。

        • 滑らかなノートの紙は僕の語ることの全てを受け止めてくれるし、ブルーブラックの色は僕の心に寄り添ってくれる。 確かなものに思える。思わせてくれるだけ救いである。

        • 君の面影を見た

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        • クソデカ感情
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          31本
        • 春告花
          7本

        記事

          冬が好きなのは、良くも悪くも変わらないからなのかもしれない。治りもしないが腐らせることもない。春が近づくのを感じながら、ずたずたな心が腐るのを感じながら。

          冬が好きなのは、良くも悪くも変わらないからなのかもしれない。治りもしないが腐らせることもない。春が近づくのを感じながら、ずたずたな心が腐るのを感じながら。

          まるで心臓を握られているような

          一人暮らしを始めて数年。この建物のすぐ脇の道路で、毎年冬に誰かがスタックする。ここまでのらりくらりとやっていたが、今年めでたく雪の敗者の仲間入りをした。 だが、どうにか雪を掻き分け独力で脱出し帰宅した。我ながらやればできるものだなんて思う。 そんな異例の年。信じられないくらいにあたたかい冬。雪も氷も剥げた道路を見てさみしく思っていた。 さみしい、とは少し違うかもしれない。一番近い心情として、親の老いを目の当たりにしたときのショックに近い。ショックとは言うものの、「衝撃」のよ

          まるで心臓を握られているような

          全て進捗ダメです。

          全て進捗ダメです。

          字書きをやめた

          もう自分の人生の中に物語を書く余裕みたいな、そういうのは無いんだなと思った。思ったというか気付いた。 多分だけど無くても生きていけるし、それよりやらなきゃいけないこといっぱいあるし、振り返ってみて何も書いてないし書けていないし。 僕の字書き人生終了だな。終わったんだ。 とか思ってたら仕事中なのに泣きそうになった。そんな自分に価値あるか? 他人がなんと言おうとクソも価値が無い。他者から見て自分らしくあるために書くことが必要なのではない。書くことが僕の人生なのだ。 一番書くことに

          字書きをやめた

          君の瞳は叢雲の中の月だった

          週に一度の投稿を心がけていた僕にしては、長い期間の留守になった。連続投稿がふりだしに戻って「あーあ」と思いつつ、そんなに心抉られてはいない。 なんだかそれよりも様々なことが苦しかった。面白くて好きだったTwitter(X)のアカウントがなくなったとか、友人に機嫌をとってもらうようなことをさせてもいまだに心は転んだまま突っ伏していることとか、その他SNSの繋がりが億劫になってきて持て余していることとか。 そもそも、僕って孤独だったな。親は放任主義で、兄弟は僕に興味がなくて、非

          君の瞳は叢雲の中の月だった

          どうにもならなくなってきた

          とか言いながらまだ生きている。たぶん死ぬまでこれを繰り返していくんだろうなという、悲観のような楽観。楽観のような悲観だろうか。 起きぬけに過呼吸になりかけて仕事は諦めた。代わりに、文字通り暴れ倒して手につかなかった昨日のあれこれを整える。体調とか精神とか、生活とか家族間の約束事とか。 普通にこれ2連休が必要だったのではないかな、等と思いつつ、コンビニに朝食を買いがてら散歩をした。 凍らずに済んだ水面は煙り、息は白くなった。冬の寒さだと思いながら、それを思ったより寒くないと

          どうにもならなくなってきた

          壊れる日々。

          壊れる日々。

          キーボードの傷を撫でる

          気がついたらポプラの葉がずいぶんと落ちていたり、イチョウの葉が黄色くなっていたり、雪に急かされて山もすっかり秋模様になっていたり。 寒くなる頃と同時に故障した自律神経が立ち直ってきたようで、冬かと思うほど寒がっていたが、一時的にカイロと湯たんぽを卒業できた。が、洗濯物の乾きがよくなくてエアコンの暖房が本格始動を始めた。 スーパーまで、夜の道を歩いた。街灯に照らされた紅葉が暖かく、空気は寒いがそれに耐えられることに安堵と心地よさを覚えていた。空には星が見えた。 ふと、高校生

          キーボードの傷を撫でる

          ずいぶん下まで落っこちたが、「ここが最底辺じゃないはずだ」と上を見上げる自分がいる。そんな自分についていけずに這いつくばっている自分もいる。 心が何もかも受け付けない。胃液を押し込むつもりで薬と水を飲む。

          ずいぶん下まで落っこちたが、「ここが最底辺じゃないはずだ」と上を見上げる自分がいる。そんな自分についていけずに這いつくばっている自分もいる。 心が何もかも受け付けない。胃液を押し込むつもりで薬と水を飲む。

          死にたい人たち

          自殺未遂をした人、自殺を考えた人のエッセイを最近いくつか読んだ。 興味深かったのは、ちらほらと共通点があることだった。その人達がというより、その人達と自分の間に。 死にたいという気持ちから逃れるのは難しい。だから戦うしか無くて、その人達はその人達なりの方法で戦っていた。それが成功したり、失敗したり、あるいは自殺未遂で後遺症を負うまでになってやっと、逃れることができていたり。 みんなどうやって戦っているんだろう。そんなことが気になった。僕は僕なりに戦って、勝ち続けているから

          死にたい人たち

          ポラリスの思い出

          たった3行の日記を書くために記事をつくる人がいる。 とりとめもない短い文章をついつぶやきにしてしまうが、短くても記事として出してもいいんだ。ここは自由で、自分の無意識が自分自身を不自由に縛っているだけなんだなんて、書こうと思った内容とは無関係な書き出しは僕の癖かもしれない。文章の準備運動。 随分前に、詩のようなものを吐き出すだけのTwitterアカウントを作ったことがある。そこで繋がったひとのなまえが、「凍て星」だったと記憶している。その名は北極星を指すのだと、そのひとは語

          ポラリスの思い出

          自分が感じていた余裕とは幻だったのだろうかと思う。冷え込みが強くなっていくのと同調するように、体も気持ちも時間を追えなくなっていく。

          自分が感じていた余裕とは幻だったのだろうかと思う。冷え込みが強くなっていくのと同調するように、体も気持ちも時間を追えなくなっていく。