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イギリスのらりくらり おひつ

渡英の際、絞って持ってきた家財道具のうち「持って来てよかったな」と、最近しみじみ思うものです。


ごはん大事

イギリスでは、我ながらつつましい毎日を送っていると思います。
ロンドンの中心街にはたまにしか行かないし、レストランでの食事は高いし、友達は少ないし。
主な楽しみと言えば、お散歩と動画、そしてごはん!
今まで以上に、日常のごはんの重要性が増しています。

家電事情

そんな訳で、ほぼ毎日ご飯を作るのですが、
我が家には電子レンジがありません。もちろん炊飯器も。
洗濯機、掃除機などの主要家電は備え付けなのに、電子レンジは備えてありませんでした。
買ったところで台所に置き場所もなく、
結局両方とも「無くてもいいかー」ということになりました。

もともと炊飯には圧力鍋を使っていましたが、
こちらに来てからも必然的にその文化が引き継がれています。
・炊飯器はない(保温できない)。
・イギリスでお米(日本産)はとても高級なので、炊く時は少しも無駄にしたくない(技量がないだけなのですが、お米の量が少ないとたまにカピカピにしてしまう)。
・多めに炊いても冷凍はできない(電子レンジないから)。

様々な条件が揃った時、、
ぴったりな道具が「おひつ」だったのです。

おひつ

これが私のおひつ。

その辺に置いてあるでけで様になる
隅にお米が入り込まない工夫

色々なおひつがありますが、
私の出生地が秋田なので、ぜひ秋田杉製のものを選びたかったこと。
なかでも、内側の隅が丸く作られていること、綴じ目の柄が素敵なことから、柴田義信(よしのぶ)商店のおひつを数年前から持っていました。

夜、お米を炊いて、残りのごはんをおひつに入れて常温保存。
そうすると程よく湿気を吸収してくれて、ぱさぱさになることもなく、翌朝にもおいしく食べられます。
もちろんお米は冷めていますが、ほんのり木の香りもして、「お米のおいしさ」が保たれていると感じます。
寒い日の朝は、お味噌汁と一緒に食べたりお茶漬けにしたりすれば冷たさもあまり気になりません。

実は、このおひつ。
日本ではそこまで頻繁に使っていませんでいした。
電子レンジがあったし、使うのがもったいない気持ちもありました。
それが今、異国の地で本領発揮していることがとてもうれしいです。

イギリス的な使い方

もう一つ、こちらに来て新たな使い方を見つけました。
それは「スコーンの保存容器」。
レシピを教わってからその手軽さに気が付き、自分でもスコーンを焼くことがあります。
その時、焼きあがったスコーンを入れておくのにもってこいなのです。
理由はお米と同じで、余分な湿気を吸収しつつ、乾燥から防いでくれるから。
他にも、おひつのふたをトーストのお皿として使うのもとても便利です。

蒸れや乾燥とたたかう食べ物の保存容器として、国内国外問わずぜひ多くの人に試してみて欲しい道具です。

余談:お米事情

そもそもコチラでのお米事情はというと。
タイ米、インド米、イタリア米、寿司用米など、実は多種多様なお米がスーパーで手に入ります。
ただし、日本のように「主食」として毎日食べる用ではないので、現地スーパーのお米はどれも100~500g位の小さな単位で売られています。
キロ単位のお米を買うとなると、アジアや日系のスーパーへ買いに行くわけですが、特に日本産のお米は値段が高い。
5kgで30~40ポンド位なので、円に換算すると5,000~6,500円位!
(1ポンド=163円で計算)

お米の食べたさとお米の残量とを天秤にかけながら、本日の主食を決める日々です。

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