劇団しようよ の あゆみ 21 『あゆみ』『TATAMI』
さて。やってまいりました。アトリエ劇研での創造サポートカンパニー3年目。
どんな演目にするか考えます。
ふと頭をよぎったのが、アトリエ劇研が閉館になるということ、でした。
そうです。実はアトリエ劇研がこの2017年をもって閉館してしまうのです。それを聞いた時は相当なショックでした。旗揚げ公演もやらせていただき、チェーンソー劇団とも呼ばれ、あごうさんディレクターになってからは『あゆみ』『CEREMONY』と二作品を上演させていただきましたアトリエ劇研。
そんなアトリエ劇研がなくなるなんて!
失意の底に陥りました。
そこでふと自分の観劇体験の中のことを思い出しました。2015年に観たKUNIOの杉原邦生さん演出・柴幸男さん作の『TATAMI』という作品です。この作品はとある男が自分の身の回りのものを「たたんでゆく」物語です。そして次第にそれは自分自身をもたたんでゆく物語になる・・・
そうです。アトリエ劇研の最後の年に、終わりへと向かう「たたんでゆく物語」を上演してみてはどうかと考えたわけです。
そこに始まりの物語であると捉え直した『あゆみ』も同時上演にして、二作品同時上演の形をとることにしました。
この『TATAMI』、いい作品でした。
ちょうど大原のターニングポイントになる作品となりました。
というのも、これまでは演劇の中の新しいジャンル、みたいなものをつくりたくて追いかけていたのですが、この『TATAMI』という作品でじっくり腰を据えて会話劇をする、ということの強さや厚さみたいなものに出会えました。
出演には、『あゆみ』の方にも出演してくださっていたニットキャップシアターの門脇俊輔さん。そこに北九州からはるばるやって来てくれた飛ぶ劇場の脇内圭介さん。劇団衛星・ユニット美人の紙本明子さん。そして劇団飛び道具の藤原大介さん。 この四人をお迎えしましてクリエーションが始まりました。
あごうさんに『CEREMONY』の時に言われた、ブラックボックスという0地点。そこからどうやって演劇を立ち上げるのか。非常に緊張感のあるクリエーションが続きました。
作品自体の出来は上々のものとなり、良い公演になりました。
同時上演の『あゆみ』も相まって、「はじまりの物語」と「おわりの物語」をアトリエ劇研で紡げたことはとても良かったなと思っています。
この『TATAMI』でトライした会話劇をじっくり作ってゆく、というのは今後の大原に大きく影響することになります。
そんな大原がこの年の本公演で新たな作品を生み出します。
また書きますね。
お楽しみにしていてください。
劇団しようよ 大原渉平
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