汐見りら

すこやかライフ志望

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最近の記事

四月の読書小記録

・ 🌷四月の三冊 六人の嘘つきな大学生/浅倉秋成 就活をテーマにしたミステリー。前半は正直読むのがかなりストレスだったが、それは多分多くの人が就活で感じる違和感や嫌悪感が「あるある」として書かれすぎていたからだと思う。どこか登場人物に人間らしい魅力や親しみも感じきれず、このまま「あるある」小説として終わるならあまり好みではないかな……と思っていたら、それは巧妙に計算された描写で、後半「あるある」に気を撮られて見落としていたことを手掛かりに諸々がひっくり返っていくのが快感だ

    • 香港・マカオゆる旅行記②

      この記事では主にマカオ(タイパ)観光🇲🇴とちょこっと香港観光🇭🇰の様子をお届けします! ── 香港編🇭🇰はこちら↓ ── いざマカオへ!📍目覚め〜船旅 朝、目覚めてすぐにホテル近くの露店でちまきを食べる。 ねぼすけな私たちが早く活動を開始したのには理由があった。それがこちらのキャンペーンだ。 なんとこちらのキャンペーン、パスポートと航空券を見せれば香港からマカオの移動(船orバス)が無料になるという超太っ腹企画。 私たちが宿泊している九龍からは港のほうが近いので、

      • 香港・マカオ無計画ゆる旅行記①

        到着初日からどたばたの女二人旅(⓪は長いわりにまだ観光を始めていないので読まなくてもモーマンタイです)↓ 気を取り直して香港観光へ行くぞ〜〜!ということで、二日目(実質観光一日目)のはじまりです。 写真マシマシ文章ゆるゆるで行きたいと思います。 ── 尖沙咀をあるく📍澳洲牛奶公司(朝食) 朝だぞ〜〜ということで、澳洲牛奶公司 で腹ごしらえ。こちらは朝早くから営業している有名な香港茶餐廳で、伝統的な朝食が食べられるらしい。(昨夜半分夢の・半分ベッドのなかでググり発見した

        • 香港・マカオ無計画ゆる旅行記⓪

          はじめにこれはたいへんに無計画な筆者によるはじめての香港・マカオ旅行の記録です。完璧な旅程とはほど遠いことを念頭に置いたうえで、反面教師にしながらご笑覧ください。 冗長な旅行記なので、各パートの末尾に枠囲い形式でまとめを掲載しています。お忙しい方や情報収集だけが目的の方はぜひ適宜読み飛ばしてくださいね。 なお本記事⓪では準備段階からホテル着までの移動をメインに取り上げます。以下のような方々にオススメです。 上記にあまり関心がなく、実際の観光まで飛ばしたい方は次の記事①

        四月の読書小記録

          女子大生、宇宙を燃やした午後の記憶

          大学卒業(寸前)の思い出 ・ 朝、と呼ぶにはだいぶ高いところにある太陽のひかりが目に染みる。友人の絶対遮光カーテン買う!宣言から早三年、この部屋の賃貸契約は残り一ヶ月を切っていた。ペラペラの花柄カーテンはどうやらその寿命を全うできそうだ。おばあちゃんの服の柄でしか見たことがないと笑いの種になっていた花たちも、心做しかどっしりとした態度で揺れている。よかったねー💐! 重たい身体を引きずって布団から這い出ると、8畳のワンルームには開けっぱなしのスナック菓子と缶チューハイと友

          女子大生、宇宙を燃やした午後の記憶

          『傲慢と善良』を読んで怒っている②

          前回の記事では『傲慢と善良』がこれほどまでに私の心を抉った理由と向き合ってみた。 そこから後編を完成させるのに三ヶ月もの時間がかかったのは、私の筆不精と飽きっぽさのせいだけでなく、自分の中で消化し難い問題があったからだ。 『傲慢と善良』を読んで単に傷つくだけに留まらず、激しい怒りを感じたのはなぜなのか。 その理由が分からずに下書きを書いては消してを繰り返したがもうお手上げ、なにか糸口が見つかればと他の方の感想やレビューを拝読することにした。 ・ インターネット上で見かけ

          『傲慢と善良』を読んで怒っている②

          雨が降ったらモー娘。を聞け #推し短歌

          ・ 私の部屋の窓からは木が見える。 誰が植えたわけでもなく、気づいたら随分大きくなっていた品種不明の木。 その葉が青々と茂り、そうかもう夏だったのかと気づいた頃、交換留学の派遣中止を告げるメールが届いた。 2020年。得体の知れないウイルスはあっという間に市中へ広がって、私たちの生活を一変させた。大学に入学する前から目標にしていた留学もそのうねりに飲み込まれ、あっけなく砕けてしまった。 そりゃまあ、予想はついていた。 医療機関をはじめ社会が大混乱し、仕事にも学校にも行け

          雨が降ったらモー娘。を聞け #推し短歌

          『傲慢と善良』を読んで怒っている①

          読書に何を求めるかは人それぞれだが、当時の私にとってそれは少なくとも怒りではなかった。 だから『傲慢と善良』を読了したあと自分の胸に残った感情に驚き、気持ちを静めようとレビューを漁った結果が絶賛の嵐だったことにも軽い絶望を感じ、現在は未だに消えることなく沸々と湧き上がる感情をどう処理するべきか戸惑っているところだ。そういうわけで『傲慢と善良』をめぐる感情の断片をここで整理し、なんとか冷静さを取り戻したい、というのがこの記事の主旨である。 (注:作品批判や評論というよりも自己

          『傲慢と善良』を読んで怒っている①

          読書感想文嫌いによる読書感想文必要論

           夏休み直前、大教室の上段から転げ落ちてしたたかに股を打った。  弊学の大教室には座席が傾斜をつけて扇型に配置されているのだが、落下軌道上に不運にも机の角が連なっていたのだ。シラソファミレド、などと音が聞こえそうなほど見事な落ちっぷりで教室中の視線を集めて成人済女性全力金的を披露してしまっただけでも恥ずかしいのに、股が痛すぎて医務室に運ばれることになったから最悪だ。来室理由と疾病箇所に「隠部打撲」と書くときは本当に消えたくなった。  このバッドラックは私の夏に対する嫌悪感をま

          読書感想文嫌いによる読書感想文必要論

          法定速度で走らせて/速さにまつわる人生史

           私の運転はいつも誰かを苛立たせる。  ひとたびハンドルを握れば同乗者からため息を、後部車両からは車間距離の激詰めを賜ってしまう主な原因は自覚している。走行速度が遅すぎるのだ。法定速度が30キロなら私も30キロ、50キロなら50キロ。どんなに道路が空いていようと、周りの車が速かろうと、私は頑なにそれを超えることができない。 「法定速度はあくまで目安、流れに合わせないと迷惑だしむしろ危ないよ」 そんなありがたいアドバイスは数多く貰ったし、頭では理解しているのに、いざ運転席

          法定速度で走らせて/速さにまつわる人生史