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鈴鹿サーキットに行ってF1生観戦をしてみた〜前編〜

私にはいくつかの夢がある。
大小様々あるのだが、そのなかに「生でF1を見る」というものがあった。

私は運転は下手なのだが自動車がまあまあ好きで、「グランツーリスモ(GT)」というプレイステーションのゲームにハマったのが契機である。
他の自動車ゲームでは架空の車で架空のコースを走るものがほとんどだが、そうしたなかでGTは実在する車で実在するコースを走ることができることが幼心に実に感動的で、どっぷりはまったのだ。

GT4になると日本にあるコースも多く走れるようになり、「筑波サーキット」や「鈴鹿サーキット」、「富士スピードウェイ」、「ツインリンクもてぎ」など、数多くの実在コースを走り倒した。そのなかでもとりわけ難しいコースの一つが、「鈴鹿サーキット」だった。
ただでさえコースが長く、スピードコントロールも難しい。特に最後のほうにある「130R」というコーナーはあまりブレーキを踏まずにハンドルを切って曲がることもあって、タイミングを誤るとすぐクラッシュしてしまう。稀に、コースを目いっぱい使ってスピード感を持ってカーブを疾走できることもあり、このときはなんとも言えない快感を覚えたものであった。
このころから漠然と、生でレースを見てみたいという気持ちが沸々と湧き上がっていたのである。

日本ではレースイベントは数多く開かれており、F1グランプリも毎年のように開かれている。ただ、スケジュールが合わなかったり出無精な私の性分もあったりで、その機を逃し続けてウン十年が経過した。
いよいよ30歳に入ったところ、いまだにF1を見たことがないと気づいたのである。

いつものように電車に乗ると、車内のモニターのニュースでF1の話がやっていた。予選で日本人選手が何位に入りましたというニュースだったのだが、2024年4月7日に鈴鹿サーキットでF1の決勝レースがあるという。

手帳をみると、予定は何もなく、時間だけがある。
暇で暇で仕方ないのなら、今しかF1をみる機会はないのではないかーーすぐさま鈴鹿サーキットの観戦チケットを取って、2日後には早朝の電車に乗って三重県にある鈴鹿サーキットへ向かっていた。(つづく)

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