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ブロックチェーン技術の分散化はどのようにして実現されるのか?

こんにちは。
ひかるです。

前回の記事では、Web3の立ち位置をWeb1→Web2→Web3と時系列に沿って紹介しました。
今回は『分散化の哲学を帯びたWeb3』はどのように実現されているのか?プロトコルである、ブロックチェーン技術について紹介したいと思います。

ブロックチェーン、仮想通貨、暗号資産と聞いて、まず第一に思い浮かぶのはビットコインだと思います。

ビットコインはブロックチェーンという技術を用いて動いています。
(以下では、ブロックチェーンはパブリックブロックチェーンのみを指すことにします。パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの違いについては、後ほど紹介します。)

ブロックチェーンの特徴については6つ挙げられます。

1, 分散性
2, 改ざんが極めて不可能
3, 永続性
4, 透明性
5, スマートコントラクト

『Web3.0事業環境整備の考え方』より

ひとつずつ見ていきましょう。

1,分散性


データを中央集権的に管理するのでは無く、複数の主体がデータを管理します。例えば、GooglephotoやAWS(アマゾン管理サーバー)を想像してみて下さい。こちらでの画像やデータの管理はGoogle社やAmazon社が行っています。また、課金することで容量を多く保存できたりサービスの質が向上させることができます。
しかし、もし各社のシステムが一時的にダウンしたり、データが使えない状況になってしまうと、そのサーバーに保存しているデータは一生見ることも使うこともできません。また、各社の判断により保存した画像が規約に違反するとBanされたり、漏洩する可能性もあります。現状は、巨大なネットワークを消費者に提供し、構築する各社の『信頼』に基づいてサーバーは使用されています。
ブロックチェーンでは、それを分散的に管理することで、上記リスクを軽減します。
しかし、以上のリスクのみでは、その管理は個人が行うよりもノウハウを持つ巨大権力が中央集権的に行ったほうがいいという考えも出てくると思います。その心配が杞憂となるシステムが、ブロックチェーンです。2,3,で紹介します。

2, 改ざんが極めて不可能

まず、ブロックチェーンとは…
各ブロックがチェーンによって連なっている構造をしているためにそう呼ばれています。
各ブロックにはそのブロックに入れたい情報(トランズアクションデータ)と前のブロックとの接続情報(ハッシュ値)が含まれています。
あるブロックが悪意あるものにより少しでも改ざんされ、新しく改ざんされたデータが継ぎ足されるとします。ここで、前のブロックとの接続情報が(ハッシュ値)が異なることが改ざんができないことに繋がります。前の情報のハッシュ値はそのまま次のブロックにも生成されます。ブロックチェーンはハッシュ値が複数あると、そのハッシュ値があるブロックの数が多い方が正しいと規定されているため、改ざんが難しいです。改ざんが生じる場合は(51%攻撃と呼びますが、)連なったブロックのうち51%改ざんしないとできません。分散化され管理されているチェーンを攻撃することは非常に難しく、それを行うための、『電気代』『チェーン価値の暴落』を考えると、マイニング(Proof of work) したほうが経済合理性が高いという結論に行きつきます。攻撃しようとした悪者も結局はチェーンの正しさを証明する行為(マイニング)をしてしまうというのがブロックチェーンの面白いところだと思います。


3,永続性

ブロックチェーンは分散管理されているので、一つのコンピューターがダウンしても、他のコンピューターで管理が継続されるため、データの永続性が担保されます。
例にもあげているように、GooglePhotoはGoogleが一元管理しているので、Google社が倒産(本社に隕石が直撃されたり、宇宙人が攻撃してきたりetc….)するとシステムが使えなくなる危険性があります。ブロックチェーンではデータを分散管理することでその危険性を限りなくゼロにしています。


4,透明性

3,でブロックチェーンのデータは分散された複数のコンピューターで管理されていると紹介しました。ブロックチェーン上のデータ(パブリックブロックチェーンに限る)は、分散的に管理がされているため誰でもアクセスすることができます。


5,スマートコントラクト

” スマートコントラクト= 分散台帳 + プログラム " 
(Ethereum以後のチェーン)
*ビットコインは分散台帳のみ

このプログラムの部分があることで、取引契約が自動執行されます。このプログラムは4,の透明性が担保されています。つまり、初めて取引する相手でもプログラムを提示するだけで信頼を得られることができます。


ブロックチェーンの特徴をまとめると….

1, 分散性
2, 改ざんが極めて不可能
3, 永続性
4, 透明性
5, スマートコントラクト

があげられました。
それを達成されるために、
ハッシュ値、複数コンピューターで分散管理、チェーン構造、各人の経済合理性
がキーになってくると考えられます。

Web1、Web3は分散、匿名、草の根的…
Web2は中央集権、実名、既存権力の拡大…

という特徴があるため、Web3のキーワードである分散化はいずれ、中央集権化するのが自然なことだと考えています。そのカウンターカルチャーとして分散化の哲学を有するWeb5が出現することはほぼ確定の未来なのかなと思ったりしています。
Web2は性善説、Web3は性悪説に基づくのも考えられます。

これを”Webの呼吸”と呼ぶ方もいらっしゃいます。歴史を見るとおもしろいのでそれについてはあとの記事で紹介したいと思います。


お読みくださりありがとうございました。


参考文献
大臣官房 Web3.0政策推進室「事業環境整備の考え方 ー今後のトークン経済の成熟から、Society5.0への貢献可能性までー」
010_03_01_1.pdf (2023/1/6 アクセス)
ChatGPT https://openai.com/blog/chatgpt/(2023/1/6 アクセス)


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