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相転移までの道は軽やかで楽しい道である。【くま日誌】272号


「相転移」という言葉を教えていただいたことがあります。ヤカンに水を入れて火にかけると、最初はなんの変化もないように見えますが、少しずつ湯気が立ってきてある瞬間いきなり沸騰します。

水温が100度になると蒸気に変わりますが、この100度手前の状態を「臨海」、水から蒸気へと全く違う形態になることを「相転移」という言葉で表すそうです。


私たちの人生も、現状の延長線上にない未来(=相転移)を希求するのであれば、水に火というエネルギーを投下し続け、臨界を超えなければ相転移を実現することは難しいですよね。

最初はいくら火をかけても、火の温度は徐々に上がっていっているのですが、臨界を超えない限り質的な変化は起こらないということが難しいところですよね。

ある時までは「無駄なことやってるんじゃないか」と不安になることもありますよね。それでも夜明け前が一番暗いと言いますが、この夜明け直前のことを複雑系の世界では「臨海」というそうです。

私たちが大量のインプットから利潤を取れるのは相転移が起こった後になります。


ここまで書くと何やら大変な修行を長期間行い、暗いトンネルを越え臨海点を突破したところに初めて明かりが見えるように感じられるかもしれません。

しかしこの臨海までの時間を、「とても楽しくてワクワクする時間である」と考えてみるのはいかがでしょうか。というよりもそのような楽しい時間でなければある程度の期間継続してエネルギーを燃やし投下し続けることはできないのではないかと考えています。

そして相転移が起こったあとは、さらに毎日ワクワクして過ごすことができるようになる、そんなイメージで捉えています。


一方で悶々として前に進んでる感じがしないというのは、相転移までの道を歩んでいない時と感じる時ではないでしょうか。つまりこの道を歩き始めることができれば、それだけで毎日楽しくワクワクし翌日が来るのが待ち遠しいという状態になるのだと思います。

問題は、この道を歩き始めることができるかどうかにあります。ただ流されるだけの人生に終止符を打ち、人生を良い方向へ変えるための小さな意思決定を毎日少しずつしていくことが重要なことではないかと考えています。

相転移までの道は、現状の延長線上にあることの繰り返しによる修行ではなく、それは現状の外側にある小さな意思決定の積み重ねになります。

何が起こるか分からず、ほとんどの場合何も起こらないように見えてもそれは大数の法則により、必ず良い方向に人生を変えてくれるでしょう。


「三木谷曲線」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。楽天の創業者である三木谷浩史さんが著書で記載されている考え方になりますが、努力は99.5%まで、ゆっくりと成果が表れるが、残りの0.5%の努力で大きな結果の差が表れるという考え方を示しています。

これも「相転移」の考え方に近く、間違っていないように思いますが、このエネルギーの投下を「努力」と言ってしまうと、やはり辛い修行の継続のように感じてしまいます。

私としてはもっと軽やかなイメージを持っており、それは修行というよりも、仲間とカフェでコーヒーを飲んで明るい未来について話し合うような、
そのような楽しく軽やかな道の先に相転移が待ってるように感じています。


■まとめ
・水温が100度になると蒸気に変わるように質的に変化することを「相転移」と呼ぶ。

・大量の行動や意思決定、インプットを一定期間続け、「相転移」を起こした後に私たちは独走体制に入ることができるのだ。

・それまで一定期間の潜伏が必要になるが、それまでの道も苦行のようなものではなく、「軽やかで楽しい」そんな道であると考えてみてはどうだろうか。





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