見出し画像

未来と現在の綱引き [くま日誌]151号


昔、寄生獣という漫画を読んだことがあります。この漫画の中に「後藤」という最強のキャラが登場するのですが、彼は身体の中に5体の寄生獣が同居するという変異種なんですよね。

主人公と後藤は、最後一騎打ちになるのですが、後藤がよそ見をしている間に主人公が棒で一突きします。その棒に毒が付着していて、後藤は体内に異物を取り込んでしまいます。

その結果、その異物から逃れようと、それまで体内で統制の取れていた5体の寄生獣が逃げようとし、統制を取ろうとしている頭部と逃げようとする身体の強烈な綱引きが始まります。


この後藤の身体に起こった変化というのは、私たちの日常におけるメタファーとして使用できます。

つまり、
・統制しようとする頭部=自分の意思
・体内に取り込んでしまった異物=なにものかになれるかもしれないという自分への期待
・異物から逃れようとする寄生獣A・・・未来へ引っ張る力
・異物から逃れようとする寄生獣B・・・現在へ引っ張る力


私たちは、日常からこのような強烈な綱引きを行っていると見立てることができます。この綱引きは、体内に「未来の自分への大きな期待」という異物を取り込んでしまった結果始まります。

どうせなら、そのような異物を取り込むことなく暮らすことができたのなら、ある意味とても幸せだったのかもしれません。

しかし、これを知ってしまうことは、知らない状態へもう二度と戻ることができないということを意味しますよね。ゆで卵のように脳が質的に変化してしまえば、もう生卵へ戻すことはどうやったってできないことと同じです。


ここからは、毎日の綱引きです。当然、自分の意思としては未来へ引っ張られたいと思うわけですが、現在の重力もとてもヘビーなものですよね。しかも、このスマホ時代、益々、これに抗うことは一筋縄ではいかぬ、、という形ではないでしょうか。

そのためには、未来へ援軍を送り続ける仕組みを自分で考えて導入し続けていくことが大切ですよね。

ではどうすればこの援軍を送ることができるのでしょうか。ここから先は総合格闘技ですね。


未来に対して想いを飛ばしてみたり、人に会ったり、催眠でもいいですし、目標をみるとか、何かを企画して実際にやってみるでもOK、とにかく自分でよさそうだと思ったことは試してみるという精神が大事だと考えています。

自分の場合は、結局、洗練された方法論というよりは、単純に物量が不足しているというほうが大きいですからね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?