129　おせちと酒とお雑煮と

　あけましておめでとうございます

　７時に起きて、仏壇にそんな挨拶をして、まずは部屋とキッチンを整えて着替えてから、朝食の準備に取り掛かる。昨日受けとった赤坂浅田の加賀おせちの細かな包装をひとつずつ丁寧に外して重箱に戻した。朝作ったのは、一昨日ソウマファームから届いた極めて鮮度のいい春菊の胡麻和えだけ。あとはマグロとタコの刺身を少しだけ切る。席に着いたら、ただ只管食べる。もう少しきれいに皿に盛ってはどうかと思うのだが、まあいいじゃないですかと食べる。そして飲む。歯を磨いてから何も飲んでいないところに、ビール。朝からうまい。

　次々とおせち料理を菜箸で取りながら、食べる。喉の渇きも潤ったところで、日本酒を取り出す。農口尚彦杜氏の酒を飲む。うーん、これもまたうまい。

　塗の折敷に映り込んだ青空も一緒に飲み干す。食べるのも、飲むのも楽しくハイペースになっていくのを自家製の春菊胡麻和えでクールダウン。

　なんとなく免疫力が上がったような気がして、一段と気分は盛り上がる。一の重、二の重を合わせて、山葵、干口子も入れれば３１種の献立を読みながら、食べた。明日来るお嬢に、篠萵苣唐（ちしゃとう）など難解な料理の蘊蓄を話そうと思っていたのだが、うっかり食べてしまった。あーあ、と思ったのも束の間、鰆西京焼、鰤柚庵焼に心奪われ、烏賊黄金焼も食べてしまった。　　

　さらにおせちを味わい尽くし。今朝のところはこれくらいにしておこうと箸を置いき前掛けを締めなおす。

　昆布出汁で鰹出汁を引いて、鶏肉と野菜少々のお雑煮を作って食べた。2時間近くに及ぶ2021年の最初の朝食を終えた。明日から、普通の生活に戻る予定だ。早く寝る生活をスタンダードにしたいと思う新年の１日だった。